★MotoGP2017オーストラリアGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

MotoGPのフィリップアイランドでのレース史上、2015年を凌ぐほどの熱いバトルが展開された先週のレースから決勝プレスカンファレンスの翻訳をお届けします。非常に激しい接触があったレースでしたが、マルケス選手は「これがレース」と語り、ロッシ選手も「この土俵で戦う以上仕方ない。嫌なら家に帰ればいい」と語ります。マルケス選手はタイトルに大手をかけながらも、今年は「今は馬鹿なことをする時期ではない」と冷静なコメントをしています。

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ニック・ハリス

「素晴らしいレース、勝利でした。チャンピオンシップについてレースについて話をするか悩むところですが、レースの話をしましょう。タフながらも非常に速いペースでのレースでした。素晴らしいバトルでしたね。」

マルク・マルケス

「本当に素晴らしいレースでした。最初はおとなしくタイヤを暖めていたんです。ただそんな中で既に2周目か3周目にいきなりぶつけられて、これは多分ヨハンだったと思いますけど、それで”どうなるかわからないけど、間違いなくこれはタフなレースになる”と気が付きました。Moto3のような大勢でのレースになりましたが、自分もアタックしない限りは他の選手にやられてしまうと思ったんです。その時点でアタックをするのは危険でしたが、自分も激しいバトルに参加することになりました。レース中盤はレースをコントロールしようと考えて、ドヴィがどこにいるか把握しようとしていたんです。全てを分析しようとしていましたが、そこで残り8周、9周となって”ここでアタックしよう、ギャップを少し作ろう”と考えました。その時は自分が1周ごとに0.3秒ほど速いペースだったので、そこでギャップを少し作ることが出来、最後の2周を楽に走る事ができたんです。」

 

ニック・ハリス

「戦いの傷跡がレザースーツにもバイクにもありますね。」

マルク・マルケス

「ええ。確かに傷跡はありますけど、自分も同様にアグレッシブでした。他の選手達も自分にアグレッシブでしたけど、自分も同様にアグレッシブに攻めました。これがレースです。もちろん危険はありますし、チャンピオンシップを考えて抑えようとしました。転倒、0ポイントとなったらチャンピオンシップにおいては最悪ですからね。ただアタックすべき時にアタック出来ましたし、レースが始まる前にはポイントのギャップを開く上で大事なレースになるというのはわかっていたんです。もちろん勝利は嬉しいですけど、33ポイントになったことが非常に嬉しいです。

 

ニック・ハリス

「ボード上でドヴィとのポイント差がどの程度あるのかというのを表示していたように思えたんですが?」

マルク・マルケス

「いいえ。それは違います。レース前にチームと話して”ドヴィの位置を伝えたほうが良いか?”という話の中で、”ドヴィの位置は気にせずに自分のレースをする”と伝えていたんです。ただレース中盤で”ドヴィは一体どこにいるんだ?”というのが気になって後ろを振り返ったんです。そうして彼との位置をコントロールしようと思ったんです。その後ターン4からの立ち上がりで彼の姿をターン3に確認しました。その後ドヴィとの位置関係、グループ自体をコントロールしようとする中で、最後のアタックをしたわけです。」

 

ニック・ハリス

「33ポイント差でセパンに向かいますが、これはオーストラリアに来た時と比べるとだいぶ良くなりましたね。」

マルク・マルケス

「今日はまるで2015年のようなレースでしたから、勝利も確かに重要でした。でもそれよりも33ポイント差であるという事実のほうが嬉しくて、これで安心して、マレーシアやバレンシアでどうやって戦うかを考える事が出来ます。これからポイントは獲得していきますが、そこまで無理をする必要はなくなります。シーズン中は本当にリスクを取って走行していました。これからは少しは抑えて走る事が必要です。」

 

ニック・ハリス

「マルクありがとう。それではバレンティーノ。パルクフェルメで語った”今日は皆アグレッシブだったので、自分も彼らより頭の悪い走りをする必要があった”というコメントが最高でした。とんでもないレースでしたね。」

バレンティーノ・ロッシ

「特にレースの最後のアグレッシブさ、コンタクトの多さは凄かったですね。特にMoto2上がりの若いライダー達、特にザルコは本当にアグレッシブですから。頭には来ますけど、頭に来ていても何も変わりませんからね。これがこのスポーツで、同じ土俵で戦うならそれを受け入れるしかありません。確かに少し危険ですけど、それが嫌なら家にいればいいわけです。最高に楽しみましたし、本当に素晴らしいレースでした。序盤はミラー、エスパロガロも速かったですが、自分も良いペースでした。今日は特にザルコとのバトル、そしてイアンノーネという相手にするには最悪のライダーもいました。2015年にはイアンノーネと凄いバトルがありましたし、あの時は最終ラップには彼にやられてしまいました。」

「ですから今回は全力を尽くして走りました。マルケスとのバトルもありましたし、色々あって今日のレースは最高でした。非常に楽しみましたし、競争力が高かったので実に楽しかったですね。今日は良いコンディションでレースが出来たのでラッキーだったと思います。今シーズンの中でベストと言えるレースだったでしょう。欧州で7時に起きてテレビを見た人達はハッピーだったと思いますよ。タイヤに関しては良いチョイスが出来ました。それに最後はマルケスについていくペースがあったように思います。最高の位置にいると思っていたんですが、ヘアピンでイアンノーネが狂ったような突っ込みをしてきて、マルケスに逃げられてしまいました。優勝は難しかったと思いますけどね。足を骨折した後に厳しい状況が続いていたので嬉しいですね。この結果はヤマハ、そしてチーム全体にとっても重要でした。」

 

ニック・ハリス

「バレンティーノありがとう。それではマーべリック・ビニャーレス。今日は優勝出来そうな瞬間もありました。その後色々あって順位を落としましたが、最後に素晴らしい形でトップに戻ってきました。」

マーべリック・ビニャーレス

「自分のプランは残り5周でプッシュすることだったんです。ヨハンを抜いた後に準備をしていたんです。ターン4で強力なブレーキングが出来ていたので、多くのライダー達をオーバーテイク出来ると思っていました。ただアンドレアと接触したことでグループの最後尾にまで順位を下げてしまい、そこから順位を回復するのに時間がかかりました。ジャック、カルを抜いて戻っていく必要がありましたが、こうやって表彰台を獲得出来たのは嬉しいですね。今までは厳しいレースが続いていましたから。シーズン後半戦の最初の頃は素晴らしい走りが出来ました。今朝はウェットでどのように走れば良いのかがわかったと思います。」

 

ニック・ハリス

「レースで3位を獲得したのもありますが、今朝ウェット走行で走りを改善出来たのは良かったですね。まるで変身したかのような状態ですね。」

マーべリック・ビニャーレス

どうやって乗ればいいのか、最後の10分で気がついたんですよ(笑)土曜の朝、そして日本と同じ走り方をしていたんです。バイク、タイヤもより良い状態だと感じたので、もう少しプッシュしたんです。ウェットで乗り方がわかったのは本当に良かったと思います。マレーシアは雨が降る確率が高いですからポジティブですね。チャンピオンシップ優勝の可能性はなくなったと言えますが、シーズンの最後に強さを発揮出来ていますから、2018年に向けて重要だと言えるでしょう。」
 

ニック・ハリス

「マーベリックありがとう。それではフロアからの質問をどうぞ。」

 

Q

「バレ、あまり調子の良くない週末の後に、どうしてこんなレースが出来たんですか?」

バレンティーノ・ロッシ

「ここでは練習走行の中では理解が難しい内容があるんです。ただ金曜に関してはそこまで悪くなかったですね。すでにノーマルコンディションで良いペースがありましたし、どうやって昨日から改善していくかという事がわかっていました。そういうわけで今朝にはバイクの準備は出来ていたんです。ただウェットだったのでトライはしなかったんですが、とにかく走ってみることにしました。今日に関しては何が必要か、どのようなライディングが必要か、どのようなタイヤかがわかっていたんです。ですからバイクに対して快適に感じていたんです。」

 

Q

「ドヴィとマルケスのタイトル争いはどう見ますか?ドヴィにとってタイトル争いをするのは、現段階では無理だと思いますか?」

バレンティーノ・ロッシ

「今日は、ほぼ25ポイントと0ポイントに近い状況でした。これでマルクのアドバンテージは大きくなり、あと2戦しかないわけです。」

 

Q

「今日のグループ内の最年少と最年長の差は17でした。これは年を取ったなと感じさせますか?」

バレンティーノ・ロッシ

「残念ながらこれは自分のせいですね(笑)自分がいなければ年齢の差はグッと縮まるでしょうね。こんな凄いレースでトップ争いに参加出来ているということは嬉しいです。」

 

Q

「こうした素晴らしいレースの後にあと5年ミシュランタイヤがタイヤを供給するということに関してどう思いますか?」

マルク・マルケス

「タイヤの安定感があるというのは良いことです。レースは素晴らしかったですし。もちろん最初はライダー達、メーカー達にとっても厳しかったわけですが、バイクもライディングスタイルもミシュランタイヤに合ってきました。それにミシュランはフロントタイヤ、そしてリアタイヤの安定性に関して素晴らしい解決策を見つけました。ですから自分も嬉しいですね。」

バレンティーノ・ロッシ

「ミシュランタイヤのフィーリングは良いですし、ミシュランの人達と仕事をするのは好きですね。それに自分はブリヂストンを使用する前はミシュランを使っていた経験があります。ブリヂストンとはやはり異なるタイヤで、ブリヂストンより良い点も悪い点もあります。でも、彼らは常に問題を解決するという事に対してオープンですから、この発表は嬉しいですね。」

マーべリック・ビニャーレス

「嬉しいですね。ミシュランのタイヤは初めて試した時から良い感触を得ていたんです。素晴らしい形でタイヤは機能していますし、将来的にも同じような形でタイヤが機能することを願っています。ミシュランのタイヤのおかげで、チャンピオンシップがより競争の激しいものとなっています。ミシュランと仕事をするのは常に楽しいですね。」

 

Q

「マルク、チャンピオンシップにおいて非常に重要な勝利を収めましたが、マレーシアでのレースに対する心構えは変化するでしょうか?」

マルク・マルケス

「今日も含めて、かなりのリスクをレースにおいて取ってきました。ただようやくレースの勝利を楽しむことが出来るでしょう。今日そして明日からはマレーシアの事を考えるわけです。確かにアドバンテージは大きいですが十分ではありません。ですから2016年のように熱い気持ちを維持することが重要でしょう。今シーズンはテスト、練習走行もリスクを取ってきましたから、マレーシアは少し違うアプローチで挑む必要があると思います。マレーシアはプレシーズンは少し難しかったサーキットですが、今は完全に異なるバイクです。そこで何が出来るかでしょう。ただ全力を尽くしますし、練習走行やレースの中で、自分達をコントロールしようと思います。」

 

Q

「レースタイムが速くなる可能性はあったわけですが、今日はタイヤをセーブしていたということでしょうか?気温の変化などもあったのでしょうか?」

マルク・マルケス

「このトラックではタイヤライフが非常に重要で、常にプッシュしていることは不可能です。自分は今日のレースでは2015年と同じような戦略で、レースの中では落ち着いて最後にアタックするという戦略でした。最後に良い形で走行するというのが今日の目標だったんです。」

バレンティーノ・ロッシ

「こういう形で集団でのレースになると、レースタイムはあまり出ないでしょうね。自分のトータルタイムが昨年と比較してどうかはわかりませんが、バランスでしょうね。自分のベストラップタイムも昨年とは異なっていますが、昨年よりもレース後半で苦戦しました。ですからいずれにしても、最終ラップであまり失わないようにコントロールするということは変わらないと思います。」

マーべリック・ビニャーレス

「このトラックで終盤に向けてタイヤをセーブするというのは重要です。特にタイヤ左側のグリップがセクター4においては重要なんです。タイヤがダメになってしまうとトラクションが無くなってしまって、戦うことが難しくなってしまいます。ただ金曜のほうがラップタイムはずっと速かったですね。簡単に29秒台を出す事が出来ていました。これは恐らくトラックがベストコンディションでは無かったというのもあるんでしょう。とは言え、こういうグループでのレースだと難しいんです。良いラインで走行しようと思っていても、誰かが被せてきたりするわけですからね。今日は良いレースだったと思いますが、自分達に可能だったほどのベストラップタイムは記録出来ていません。」

 

Q

「金曜には最終セクターのトラクションがないことが問題だと話していました。これを改善出来たのか?また、ターン2ではイアンノーネとザルコと危うい瞬間がありました。これについて教えて下さい。」

マーべリック・ビニャーレス

「トラクションは実に改善しました。今回表彰台を獲得出来たのはこのトラクションのおかげです。バレも抜けるかと思っていたんですけど、バレはカウルの中で縮こまって加速していたので、”これじゃ駄目だ。。”と思ったんです(笑)また次回ですね。接触は実に激しかったです。コーナーを曲がれるとは思わなくて、グラベルに突っ込むと思っていたんです。ただこれがレースですし、良い形で改善出来たことを嬉しく思っています。ようやく表彰台を獲得することが出来ました。」

 

Q

「バレンティーノが語っていたように、かなりアグレッシブなレースだったわけですが、こういった状況の中でのリミットというのはどこにあるのでしょうか?」

マルク・マルケス

「確かに限界はありますし今日のレースはアグレッシブでした。接触もありましたし。ただ、これがレースです。もしこのリミットを下げてしまうとすると、F1のような形になってしまうでしょう。だからこそMotoGPの人気が世界中で高まっているんですよ。」

バレンティーノ・ロッシ

「マルクに同意だね。」(※会場(笑))

マーべリック・ビニャーレス

「これがレースですから、その中で常にベストを尽くそうとするだけです。こういうバトルがあるというのは非常に良いことだと思います。」

 

Q

「Ducatiは3人目のファクトリーライダーという形でペトルッチがおり、ホンダにはクラッチローがいます。ヤマハも来年ザルコを3人目のファクトリーライダーとして、ファクトリーバイクを彼に提供するのは良いアイディアだと思いませんか?」

バレンティーノ・ロッシ

ザルコが同じくファクトリーバイクを使えるようになるのは、あまりいいアイディアだとは思いませんね。(笑)もちろん3台のバイクで開発を進める事が出来ればプラスになるかもしれません。ただ、やはりザルコが自分達と同じバイクをライディング出来るようになるというのは、いいアイディアではないと思います(笑)」

マーべリック・ビニャーレス

「ファクトリーバイクに乗る3人目のライダーがいれば、確かにより多くのデータを得ることが出来るでしょう。ヨハンは確かに素晴らしいライディングをしていますし、特にシーズン後半に関してはそうだと言えるでしょう。どうなるか面白いとは思いますが、バレンティーノが言うように、ちょっと複雑な状況になるでしょうね(笑)ただ、確かにもう1台のファクトリーバイクがあって、3台でマシンの改善作業を進める事が出来るのは良いですね。」

 

Q

「残り2レースで33ポイントですが、これで今シーズン初めてゆっくりと息がつける状況だと言えますか?」

マルク・マルケス

「少しですね。大きな差ですけど落ち着いていたほうがいいでしょう。バイクのフィーリングも良いですが、今は馬鹿なことをする時ではありません。今日を楽しんで、明日からはこの後どうするかをチームと話し合うつもりです。そして最後の2戦に向けてしっかりと作戦を練りたいと思います。」

 

Q

「レース中に2人は接触したと思うのですが、その接触について一言お願いします。」

マルク・マルケス

「映像は見てませんが、ターン2で多くのライダーをオーバーテイクしました。ここで仕掛けようと準備をしていたんです。正直自分はバレの前にいると思っていたんです。ただ、コーナリング中にバイクが勝手に起き上がるような挙動を感じて、”これじゃ転倒する”と思ったんですが、なんとか大丈夫でした。スロットルを閉じて、幸いにも2人とも転倒しなかったわけです。」

バレンティーノ・ロッシ

「全くスペースがないところにタイヤが見えたんです。ただそれが誰のタイヤかわかりませんでした。マルケスかイアンノーネかザルコかわからなかったんです。自分の肩にタイヤが接触して、自分は外に押し出されタイムを失ったということです。」

 

ニック・ハリス

「以上ですか?それでは皆さんありがとうございました。マレーシアで会いましょう。」

(Photo courtesy of michelin)

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