日本から続く3連線の最後の戦いとなったマレーシアGPはウェットコンディションとなりました。厳しいコンディションでドヴィツィオーゾ選手にとっては負けられない戦いとなりましたが、落ち着いたレース展開で見事に優勝。最終戦にチャンピオンシップ争いの望みを繋ぎました。

MICHELIN Power Rainタイヤはアンドレア・ドヴィツィオーゾが勝利を掴んだ激しい雨の中のレースで、素晴らしい形で性能を発揮しました。土砂降りの雨は、レース開始30分前に全長5,543mのセパン・インターナショナル・サーキットに降り注ぎ、各チームはピットでMICHELIN Power Slickタイヤから、ウェットコンディションに備えてMICHELIN Power Rainタイヤへの交換作業に追われました。

激しい雨は止んだもののトラックは完全にウェットコンディションとなり、このコンディションが20周続いたことでレースはライダー達にとって非常に厳しいものとなりました。これは暑い気温の中で行われた走行、Moto3、Moto2のレースで路面に載ったゴムの上を汚い水が流れていたことによるものです。

レース開始のシグナルが消えると、マルク・マルケスが3列目から抜群のスタートでポールスタートのダニ・ペドロサ、ヨハン・ザルコを1コーナーで抜きます。ザルコはミディアムのレインフロントタイヤ、ソフトのレインリアタイヤを履き、1周目から続く8周をリード。その後後ろにつけていたホルへ・ロレンソに追い抜かれます。ロレンソはその後、逃げ切るかと思われる形でレースをリード。ロレンソに付いていくことが出来たのはチームメイトのドヴィツィオーゾのみでした。

両者は前後にミディアムのレインタイヤを履き、トリッキーなコンデンサでプッシュを続けました。この中でドヴィツィオーゾがファステストラップを記録。ロレンソが16周目の最終コーナーで犯したミスにより、ドヴィツィオーゾはこのチャンスを掴んでレースをリードします。ドヴィツィオーゾはこのままレースをリードしチェッカーフラグを受け、今期6度目の優勝を決めました。ロレンソは2位でゴールし、これによってDucatiに今シーズン初の1、2フィニッシュをもたらしました。ザルコは3位となり、これで独立チーム1位、そして今期の独立チーム1位のタイトルを獲得しました。

マルケスが4位となり、これでドヴィツィオーゾとの差は21ポイントとなり、チャンピオンシップ争いは最終戦までもつれる形になります。ペドロサが5位、ペトルッチはウォームアップラップでバイクがストップ、ピットに戻りスペアマシンでピットレーンからのスタートとなりましたが6位を獲得しています。7位を獲得したのはバレンティーノ・ロッシ、8位ジャック・ミラー、9位にマーべリック・ビニャーレス、そして10位はポル・エスパルガロでした。

激しい雨にも関わらず、97,457人のファンがサーキットを訪れ、セパンで記録された中で最多の動員数となりました。またこの日はMoto2クラスのフランコ・モルビデッリがMoto2の世界タイトルを獲得。彼は来年からMotoGPクラスに参戦します。

ミシュランとMotoGPは3週間に渡って異なる3つのサーキットで素晴らしいバトルが行われたアジア、パシフィックツアーを終えました。パドックはこの後スペインのバレンシアに向かい、11月12日にMotoGPクラスの世界チャンピオンが誰になるのかが決まります。

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「グリップが金曜のウェット走行時よりも少なく、非常に厳しいレースでした。恐らく路面に載ったタイヤのゴムのせいだったんでしょう。このせいでリズムを掴むのに時間がかかりました。タイヤはレースの中ではそこまでグリップは落ちませんでした。しかし路面グリップが非常に低かったので限界域での走行でした。良い形でコントロール出来、ミシュランのチアやを履いてうちのバイクは素晴らしい形で機能しました。」

ミシュラン テクニカルディレクター ニコラ・グベール

「これほど長いトラックで非常にトリッキーなコンディション、さらに路面には昨日までの路面温度が50℃を超える走行で多くのタイヤのゴムが載った状態であり、MotoGPクラスの前に2クラスの走行が行われ、雨からくる路面の汚れもある中、ドライのタップタイムから僅か10%落ちというタイムとなりました。路面のグリップが問題となる中で、我々のタイヤが発揮した性能について満足しています。」

「昨日のドライコンディションでは素晴らしいラップタイムが出ていましたし、全ての選手達が素晴らしいグリップだと語っていました。もし今日のレースがドライであったなら、3つのコンパウンド全てが使用されていたでしょうし、我々のこれらのタイヤが全てのライダー達に使われたであろうことを証明しています。この3週間は本当に素晴らしいレースでしたし、多くの情報を収集することが出来ました。これらの情報を利用して、さらに前進していきます。この後は最終戦のバレンシアですが、ここでいよいよタイトルが決定されますね。」


<ミシュランタイヤ プレスリリース>