★MotoGP2017 HRCリヴィオ・スッポ 辞任プレスカンファレンス翻訳

HRCを支えてきたリヴィオ・スッポが今シーズンでHRCを辞任します。Ducatiで世界タイトルを獲得しHRCに加入した彼は、中本さんと共にHRCを立て直した中心人物とも言えます。そんなリヴィオ・スッポのHRC辞任に関するプレスカンファレンスの翻訳をお届けします。

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桑田哲宏

「皆さんこんにちは。今日はお集まりいただきありがとうございます。この素晴らしいシーズンの後に、リヴィオ・スッポがHRCを辞任する決断をしたと我々に教えてくれたということをお伝えします。リヴィオはHRCに2010年に加入、その中で共に5度のMotoGPタイトルの獲得、6度のコンストラクターズタイトルなど素晴らしい結果を残してきました。リヴィオにはHRCへの献身的な貢献、情熱を感謝すると共に、彼の今後の活躍を期待しています。それではリヴィオにマイクを渡します。」

リヴィオ・スッポ

「桑田さんありがとうございます。そして皆さんこのプレスカンファレンスにお集まりいただきありがとうございます。桑田さんにご紹介いただいたように、これは私の人生の決断となります。22年をパドックで過ごし、パドック、そしてHRCは素晴らしい日々を与えてくれました。残念ながら数名のライダーの死に立ち会うという悲しい瞬間もありました。全体的には本当に素晴らしい時間を過ごす事が出来ましたし、HRCに誘ってくれた中本さんには本当に感謝しています。本当に楽しみましたし、今シーズンも桑田さんと共に楽しいシーズンを過ごしました。成功裏に終わったシーズンだったと思います。まだHRCとの契約は1年ある状態ですが、HRCは既に来年に向けてライダーの体制も、スポンサーとの関係も確定しており、私の来年の主な仕事は完了している状態です。私としては人生をこのタイミングで変えたいという思いがあり、今この瞬間にそれを実行に移し、HRCには体制を確率する時間を与えたいと思います。」

「来年末でHRCを去るとしたら、そういった事も考えながらHRCの中の仕事も色々と確定させなければなりませんから、来年にHRCを去るのは難しいだろうと考えたわけです。こうして3冠を達成した後にHRCを去るというのは正しい決断と思いますし、最適なタイミングだと思います。22年間過ごしたこの世界から去るのは簡単なことではありません。私の人生において長い時間を過ごした場所ですからね。ただ、これは私自身、家族の事を考えても正しい決断だと考えます。ですから今後のHRCの活躍を願っていますし、HRCには2人の最高のライダーがいます。そして素晴らしいエンジニアが揃っていましから、今後もこのチャンピオンシップにおいて強さを発揮出来るでしょう。本当にありがとうございました。」

 

Q

「引退後は何をするつもりですか?」

リヴィオ・スッポ

「まずは引退後は休暇を楽しみます(笑)いくつかアイディアはあるんです。まずは自転車を楽しみたいですね。そして電動自転車を製造している友人を手伝うつもりです。私は本当に自転車が好きなので、この業界には何らかの形で関わることになるでしょう。ですから、今後は自分の好きなこと、そして家族のために時間を使いたいですね。」

 

Q

「今後は何かしらホンダと関係を維持することになるでしょうか?また、過去も含めて最も大きな成功と言えるのは何でしょうか?昨年、Ducatiなども含めてなんですが。」

リヴィオ・スッポ

「まずはこの世界とは少し距離を起きたいと考えています。22年間も過ごして来ましたし、本当に最高の時間でしたが、高いレベルで本当にハードな世界でしたから。ですからまずはリフレッシュをして少し違う事を考えたいと思います。私の人生における最も大きな成功と言えるのは、HRCにいる状態で失礼だとは思いますが、2007年のDucatiで獲得したタイトルですね。Ducatiでは私が会社をプッシュしてMotoGPに出場を決め、ブリヂストンタイヤを選ぶように会社を説得したわけですし、長いGPの歴史の中でMVアグスタ以外でタイトルを獲得したヨーロッパのメーカーとなったわけですしね。(※そもそもリヴィオはイタリア人ですし、Ducatiでのタイトルが最も感慨深いというのは当然でしょう。)まぁ、たった1度のタイトルではありますけどね(笑)ですから、これが最も思い出深い瞬間だと言えますね。」

「ただ、HRCの名刺が初めて自宅に届いた時も嬉しかったですね。HRCというのは私の夢でもありましたから。これはヨーロッパの人間に共通の夢と言えるものだと思いますが、実際にHRCには何人の人が働いているんだろう?だとか、本当に強いというイメージがあり、私もこうしたイメージを抱いて大人になりましたからね。ロードレースだけでなくモトクロスにおいてもそうですよね。私は若い時は元々オフロードのほうが好きだったんです。CR500などは本当に芸術と言える名車でしたよね。子供の頃乗っていたバイクにもHRCのステッカーを貼っていました。もちろんステッカーだけで数馬力しかないものでしたけどね(笑)ですから初めてHRCの名刺を受け取った時の感情は、本当に特別で言い表すことが出来ませんね。それに中本さんが社長に紹介してくれた時のことも本当に特別なものでした。ですから何が最も素晴らしい思い出だったかというのは本当に言い表す事が出来ません。ですからこうした素晴らしい思い出がある中でHRCを去るのがいいだろうと思うわけです。この仕事は本当に要求レベルが高いですから。来年のカレンダーを見た時は”うわぁ、もう1戦増えるのか。。”と思いましたしね(笑)それに長年自宅で過ごす週末を恋しく思ってきたということもあります。結局こうした週末が無いと、家族、友人と過ごす時間が持てませんから。こうした理由が、この難しい決断をした理由になります。」

 

Q

「HRCの今後については?」

桑田哲宏

「今はまさにリヴィオからの辞意を受け取った段階ですので、どうやってチームを再編するかを考えるのは難しいですね。ですからこの冬の間に、来年に向けてどうするのが一番良いか、何が最適な体制かを考えていきたいと思います。まずリヴィオに伝えたいのは本当にありがとうということです。リヴィオもお話したように、これは本当にタフな仕事です。2010年から彼は本当に素晴らしい仕事をしてくれています。ですから彼の今回の決断は100%応援していますし、これからはもっと自宅で家族と一緒に時間を過ごして欲しいと願っていますし、彼の今後の人生が素晴らしいものになることを願っています。」

リヴィオ・スッポ

「私はあくまで今後HRCにどのようなチーム体制でやっていくかについてのアドバイスをする立場にはもうありません。既にチームを去ると決めた段階で、チームの将来に意見する立場には無いでしょう。」

 

Q

「イタリアの企業と日本企業で働くことの違いはどのようなものでしょうか?」

リヴィオ・スッポ

「最終的にはいずれもレースをしている企業ですから、大きな差はありませんよ。チーム運営にしてもスタッフのほとんどはヨーロッパの人間ですから似ていますね。多くのスペイン人、イタリア人がいますし、文化も似ています。正直なところチームということで言うと大きな違いはないんですよ。一番の違いは物事がどう動いていくかでしょうね。私がDucatiにいた時は、Ducatiは極めて小さな会社でした。現在は大きなグループ企業の一部ですよね。ですから、当時はクラウディオ・ドメニカーリ、フィリッポ・プレツィオージ、私とで極めて素早い意思決定が出来ました。これらが大きな企業に比べてのアドバンテージになっていたでしょう。レースの世界では意思決定の速さが重要になることがあります。Ducatiが少ない予算で成功を収めることが出来たのは、こうした意思決定の速さもあったでしょうね。そして2005年は大きなトラブルに見舞われました。HRCに関しては少し違いますが、HRCもそこまで大きな会社ではありませんので、HRCが何かを決めたとしたら今は桑田さん、昔は中本さんの後は、ホンダの中であとは数名に話をするだけです。ですからレース活動ということに関しては大きな違いはありませんね。」

 

Q

「誰かがライバルとして見るとリヴィオ・スッポは嫌なヤツだが、一緒に仕事をすると素晴らしい人間だと話していました。リヴィオ・スッポに代わる人間を見つけるのは難しそうですね。」

リヴィオ・スッポ

「それは間違いでしょう。結局自分の事を嫌ってる人間は多いでしょう(笑)」
 

Q

「それにしても、こうした世界から完全に距離を奥というのは難しいのではないでしょうか?」

リヴィオ・スッポ

「確かにこの仕事はドラッグですよ。ただ、私がもし独り身だったとしても、最終的にはこういった決断をしたと思います。私は変わり者なんですよ。いつも自分がやりたいことは自分で決めてきましたし、Ducatiに行くという決断も自分だけのものでした。自分に変化が必要だと思う時に環境を変えてきたんです。Ducatiにいた時に中本さんに声をかけられたんですが、Ducatiは自分にとって人生の1部でしたから、本当に難しい決断でした。本当にDucatiには全力を注いできましたから。ただ11年間を過ごした後に、今が動く時だと感じたわけです。今はHRCで8年を過ごしているわけです。多くの素晴らしい瞬間がありました。中本さんにHRC誘われた時は本当に嬉しかったんです。彼は”自分達でHRCの目を覚ます必要があるんだ”と言ってくれたんです。バレンティーノ・ロッシがHRCを去ってから、2009年の時点でHRCは、ニッキーが獲得した1つのタイトルしか獲得していませんでした。それ以降はライダータイトルが5つ、コンストラクターズタイトルを6つ獲得したわけです。そしてこうした結果を得るために戦ってきて、今はもうバッテリーが空の状態なんですよ。そして再充電が必要だと感じており、今回は今までとは違う形でバッテリーをチャージしたいと思ったんです。」
 

Q

「復帰はありうるのでしょうか?」

リヴィオ・スッポ

「Never say Neverと言えますが、今の段階では考えていません。」

 

Q

「2007年にDucati、ケーシー・ストーナーと過ごした1年が最も思い出深いということでしたが、ケーシー・ストーナーとマルク・マルケスを比較すると何が言えますか?どちらがベストライダーでしょうか?」

リヴィオ・スッポ

「疑いようもなくマルクです。これは今一緒にHRCで仕事をしているからではなく、彼は本当に特別な選手なんです。ケーシーの才能も凄いものがありますが、マルクの才能も同様に凄いものです。ただマルクと一緒に仕事をするのは本当に楽しいんです。最初にマルクと契約をした時は、自分と中本さん、マルクの3人だったんですが、その当時彼は19歳くらいで、まだ彼がもう1年Moto2のシーズンがある時点の話でした。私は”君は本当に良い青年だ。ただMotoGPに昇格して有名になる中で、多くの人と接する中で、君は恐らく変わってしまうだろう。でも君にはこのままでいて欲しい”と話したんです。ただこれは彼に昨年、そして今日も話したんですが、彼は本当に変わらないんです。これは本当に特別なことです。ですから、彼がこうして全く変わらず素晴らしい人物であるということが、本当に嬉しいんですよ。」

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