★MotoGP2017 なぜDucatiのフェアリングは、ルール上恐らく問題ないと言えるのか?

なぜDucatiがカタールで公開したフェアリングがルール上問題ないのか?という点について、MotoGPのテクニカルディレクターであるダニー・アルドリッジが語っています。結局のところフェアリングの外形がレギュレーションに沿ってさえいれば、そこにどんなダクトがあろうが穴があろうが関係ないということのようです。さらにホンダのフェアリングのようにエアロダイナミクスパーツが追加された状態で認証を受けてしまえば、そこからパーツを取り外していく分には問題がないとのこと。

カタールテストではウイングレットの禁止を受けて、Ducatiが新世代のMotoGPフェアリングの中では飛び抜けて革新的なカウルを登場させた。MotoGPのテクニカルディレクターであるダニー・アルドリッジは、新しいフェアリングについて、何がルールの許容範囲内で、何がルールの許容範囲外かを決定する唯一の人間だ。

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以前アルドリッジは「メーカー達はルール上、カタールGPまで新しいカウルを私に見せる必要はありません。ただ、カタールに持ち込んだカウルを、私がルールの許由範囲外だと判断したら彼らも困るわけですから、全てのメーカー達が私に事前に新しいフェアリングを見せる事を強く薦めます。」と話していた。

このDucatiの新しいフェアリングについては、アルドリッジはカタールテストでの登場までそのデザインをDucatiから見せられていなかった。そしてヘレスでのMoto2とMoto3のオフィシャルテストの際にも見せられていたわけでもない。そのため、このカウルについてはまだ最終的には評定が下っていないわけだが、今までの情報からすると、彼はこのデザインに関しては特に問題視していないようだ。

Ducatiのフェアリングに関して話を始める前に、我々は新しいルールの元でいくつの2017年用フェアリングが許容されるのかを聞いた。

Q

「ダニー、カタールテストでは、ホンダはサイド部分に内蔵ウイングレットが付いたカウルと、新しいデザインに見えたノーマル形状のフェアリングをテストしていました。この2つでレースをすることは可能なんですか?」

ダニー・アルドリッジ

「少し元に戻って考えてみると、全てのメーカーはバレンシアGPで、2016年のウイングなしのフェアリングの認証を受ける権利がありました。フェアリングはウイング以外は全て同一である必要があります。これにはKTMは含まれません。彼らは新しいチームなので、2017年内はエアロパッケージをアップデートすることに関して制限がありません。木曜の午後5時のカタールでのテクニカルコントロールの締め切り前には、KTM以外のメーカー達は2017年に使用するフェアリングを確定しなければなりません。これはメインフェアリングとフロントのマッドガードからなるものです。マッドガードはそれ自体で1つのものですが、メインフェアリングは彼らが望むごとに複数のパーツで作り上げる事が出来ます。ルール上はカウルからはパーツを取り外す事が可能で、メインフェアリング全体で認証を受ければ、そこからパーツを取り外し、そのパーツ無し/もしくは有りでフェアリングを使用することが可能です。」

MotoGPのテクニカルルール

認証を受けたエアロボディコンポーネントのいくつかのパーツが、バイクにマウントされていなくとも良い。(ハンドガードは雨天時のみ使用可能)また、認証内容に影響を与えない範囲でエアロボディパーツから構成部品/素材となるものが取り除かれても良い(トリミング、ドリリング加工etc)が、何かを追加する事は許可されない。

「2017年型のカウルをルールに沿う形で作ったのであれば、そこからエアロダイナミクスデバイスを構成する部品を取り除く事が出来るんです。そして彼らはそうするタイミングを選べるわけです。これはハンドガードなど通常の内容にも当てはまります。例えばカタールテストでは、ホンダのバイクに新しいエアロレンソダイナミクスパーツが追加されていましたが、これはウイングを含み、ボルトオンでカウル両サイドに取り付けられていたものです。これらの構造は簡単に取り外しが出来るように見えますよね。」

Q

「今までのところウイングレット統合型のカウルを5つ見てきました。その中でスズキやヤマハのようなものは、ホンダのように後付されたもので、簡単に取り外しが出来るものと言えるのでしょうか?」

ダニー・アルドリッジ

「今まで見てきたもの、そして思い出して欲しいのですが、彼らはカタールの木曜5時までは、どのカウルでレースを行うかを宣言する必要がありません。ですから物事は変わる可能性があるわけです。ヤマハのフェアリングはあれで完成したように見えますね。ヤマハがあのウイングレット内蔵部分を取り外せるとは思いません。しかし彼らは、内蔵ウイングの形や数というのは自由に変更出来ます。私がコントロールしているのは外部デザインだけですから。」

「スズキに関しては残りをどう仕上げるかでしょうね。もし彼らがワンピースでこれを作るのであれば、これは当然取り外しは出来ません。メーカーはカタールでサンプルのフェアリングか、デザインを提出する必要があります。そこで私も写真を取るでしょう。ですから、もしヤマハやスズキがカーボンファイバーの1ピースでフェアリングを作ったら、彼らはフェアリングにジョイントを付ける事が出来ず、いくつかのパーツが取り外し可能とはならないでしょう。もし外部デザインが全く同じであってもね。これはカタールではある部品が接着されていて、後にこれをボルトオンにしようというのも同様です。カタールで今シーズンについて”このパーツは取り外し可能で、これは違う”という内容が決定されるんです。」

Q

「来週木曜の夕方5時までは何もオフィシャルにはならないということは、今まで登場したフェアリングのどれが問題のないカウルだったのでしょうか?」

ダニー・アルドリッジ

「ヤマハとスズキに関しては目を通しました。残念ながらMoto2とMoto3のヘレスでのテストとMotoGPのカタールテストは重なってしまいました。チームから質問があるので、いつもそのクラスの最初のテストに顔を出すんですよ。Ducatiのフェアリングに関してはカタールで使用される前には実際に見ていません。Ducatiからコンタクトはずっとあって、ある程度の詳細は知らされていました。ただ、これが正式にOKであるかどうかは判断していません。ただ私が見た中では特に懸念は抱いていません。マイク・ウェッブにカタールで見るように頼んでいて、このフェアリングについてかなり話し合っています。」

「Ducatiのカウルは穴が開いた部分を満たすとなると、大きな丸く膨らんだ形状となります。フェアリングのトップにこうした膨らみがあるわけです。しかしフェアリングというのは、常にライダーの手のあたりはプロテクションのために膨らんでいるものですが、このフェアリングはそれがより正方形であるというわけです。ですから、Ducatiのフェアリングについてはそれほど心配していません。正直なところ特に問題ないと思っています。ただあれはあれで完成したデザインだと思います。ヤマハのようにすることは出来ないでしょうし、内部のウイングレットを変えるということもそうです。またホンダのようにしてエアロパーツを取りずして、好きな時に取り付けるということも出来ないでしょう。Ducatiのフェアリングはあれで完成した1つのフェアリングだと思います。」

Q

「一般的に新しいフェアリングの判断をする際には、それらに穴がなくプレーンな表面である事を想定するわけですか?」

ダニー・アルドリッジ

「ええ。ルール上はウインドスクリーンを除くフェアリングの外形だけをコントロールすると謳っていますからね。ですからテクニカルディレクターの立場からは、フェアリングに設けられたダクトや穴について何かいうことは出来ません。もしDucatiのフェアリングの写真を用意して、全ての穴を黒いマジックで塗りつぶすと、それほど過激なデザインには見えないでしょう。こうした点について私が判断する必要があるんです。」

MotoGPのテクニカルルール

ウインドスクリーンを除くフェアリングの外形がレギュレーションで定められる。そのため次のパーツはエアロボディの一部とは捉えられない。(ウインドスクリーン、クーリングダクト、フェアリングサプライ、ボディワークの内側にあるそれ以外のパーツ)

Q

「カタールでサテライトライダー達は、こうした2017年のフェアリングを使っていないライダーもいたようですが。」

ダニー・アルドリッジ

「グリッド上で最も多い台数のDucatiを例に出すと、彼らは2017年のフェアリングをファクトリーチームのためだけに認証を受けて、Pramacや他のサテライトチームは2016年型のフェアリングだけでスタートし、カタールの後に2017年のフェアリングを持ち込みたい場合、それは年間で許可されている1回のアップデートと見なされます。もしサテライトチームが開幕時点で2017年のカウルを持っていなくともね。」

「もし木曜の午後5時を1分でも過ぎ、その時点で2017年のフェアリングについて、このデザインを使用すると宣言していないチームはその機会を失い、彼らの選択肢は年1回のアップデートだけになります。ファクトリーチームに関しては、カタールで2016年のフェアリングデザインと、2017年のフェアリングデザインを持ちこむことが期待出来ます。実際これはメーカーごとではなくてライダーごとに決定されます。ですからペドロサは2017年のフェアリングデザインを持つことが出来ますし、マルケスはのフェアリングデザインはそれとは異なるということも可能です。クラッチローもまた別のデザインということも可能ですが、個人的にそういった事は無いと思います。」

Q

「ダニー、ありがとうございました。」

こうした内容を考えにいれると、シーズン中のアップデートで2016年のフェアリングを使用しなくなったとして、どのメーカーが2017年のフェアリングを2つ選択出来るということになるだろうか?恐らくチームはDucatiタイプの大きなダウンフォースを発生するタイプへと1種類のフェアリングを変更し、中から小程度のダウンフォースを発生する取り外し可能なエアロセクションを持ったホンダ、スズキ、ヤマハスタイルのフェアリングを持つことになるのだろう。

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