★MotoGP2017 マニュファクチャラーズプレスカンファレンス翻訳 モビスターヤマハ

最終戦バレンシアGPのレース前に行われたマニュファクチャラーズプレスカンファレンスから、ヤマハのリン・ジャービスのコメントをご紹介します。今年はヤマハにとってはマシン開発が間違った方向に進んでしまったと言える1年となり、そこからの修正も後手に回りました。来年に関してはファクトリー勢のシャーシは2016年ベースで開発して行くことが決まったようですが、テック3のザルコ選手は2017年型で良いフィーリングを得ています。こうした事がさらなる混乱へと繋がるのかどうなのか。。2018年シーズンに同じようなレース結果となることは社内的にも許されないでしょう。ヤマハがどう立て直していくのかに期待です。

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スティーブン・デイ

「チャンピオンシップがまだ決まっていない状況で、ヤマハがそれに絡んでいないというのは珍しい状況です。今シーズンがヤマハにとって最高のシーズンでは無かったということは明らかだと思いますが、現状に関して思うこと、そして次のステップとしてはどういったものになるのでしょうか?」

リン・ジャービス

「少なくともマーベリックがチャンピオンシップ3位という状況ですから、結果がまるで出ていないということではないんです。ですから大惨事だったというわけではないんです。マーベリックが3勝、バレンティーノが1勝で4勝していますからね。昨シーズンのテストでは最強という状況で、シーズン前半も前半5戦で3勝しました。そしてその後に難しい状況に直面することになり、これは正直予想していませんでした。そしてレインコンディションの路面でのローグリップという問題を解決する必要に迫られました。ですからシャーシを替えることで改善を目指していたんです。もてぎのように災難だったレースもありました。あれは本当にがっかりする結果のレースでした。そしてフィリップアイランドでは太陽が降り注ぎ、素晴らしいグリップを発揮出来、レースの最後まで優勝争いをすることが出来ました。」

「ですから状況は非常に極端なんです。今年は非常にタフな1年であることは間違いありません。それにバレンティーノに関しては、彼の2つのホームレースの前に怪我をしてしまいました。ムジェロではモトクロスで怪我をして、ミサノの前には足を骨折しています。ただ、そこから彼は力強く戻ってくることが出来ました。悪い1年だったとは言えませんが、もっと良い結果を出せたでしょう。トップ2の力はあると思っていますし、やるべきことがあります。またヨハン・ザルコについても触れておく必要があるでしょう。彼はルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得し、独立チームライダーとしてトップの座を獲得しました。これはヤマハのベースのレベルがいかに高いのかを示していると言えるでしょうね。ただ、ホンダ、Ducatiについていくには、ヤマハは成長が必要です。」

 

Q

「日曜にスズキが表彰台を獲得しなければコンセッション(優遇処置)が戻ってくるわけで、エンジンの開発の自由、テスト回数も増えるわけです。これに関してはフェアだと思っているのか、これが良い決定だと思いますか?」

リン・ジャービス

「KTMもこの素晴らしいレースに参加出来て嬉しいと話していましたが、これは皆にとってプラスになっています。もしスズキがコンセッションを利用して1ステップレベルを上げれば、それでレースのレベルが1つ上がるわけです。MotoGPレースが他のトップレベルのモータースポーツと比べて優れていることは、今年のレースのレベルが本当に高いということです。ドライコンディションでも素晴らしいレースがあり、ウェットコンディションでも今までに無いような素晴らしいレースを見ることが出来ました。ですから、全てのメーカーのレベルが上がるということは全てのメーカーにとってプラスになるんです。」

 

Q

「リン、既にどのタイプのM1をテック3に提供するかどうかというのは決まっているのでしょうか?」

リン・ジャービス

「いい質問ですね。ただ、率直に言って、現時点では彼らにどういったスペックのバイクを供給するのかについてはわかっていません。自分達のポリシーとしては例年と同じです。今年のテック3とファクトリーチームのバイクを比べると、その戦闘力は非常に接近していたと言えるでしょう。それにこれは議論の余地はありますが、サテライトチームとしては最も戦闘力が高かったかもしれません。ですから、重要なのは来年まずはどういったスペックのバイクを使用するのかを決めるということです。通常はテック3には1年落ちのバイクを提供しています。来年に関しては多くの開発バージョンがあります。ですから、まずはベースの仕様がどうなるのかを決めることです。テック3は非常に高いレベルのバイクからの恩恵を受ける事が出来ますが、これはテック3がバレンティーノとマーベリックと同一スペックのバイクを使用出来るということを意味するわけではありません。」

 

Q

「リン・ジャービスに伺いたいのは、このレースでDucatiとヤマハがコンストラクターズチャンピオンシップの2位争いをすることになるということなんですが、この状況に関してどう思っていますか?そもそも今年はホンダとヤマハがコンストラクターズ争いを始めたわけですが、Ducatiがここに加わってきたわけです。これはDucatiが成長したのか、ヤマハが後退しているんでしょうか?」

リン・ジャービス

「実際はDucatiと2007年にもコンストラクターズチャンピオンシップを争っていました。もちろん2007年はDucatiが全てを席巻していた年です。ですから、私はDucatiがMotoGPの最高のレベルに再び戻ってきたのだと考えます。確かにヤマハは今年、最終戦の時点でトップ争いに参加していません。ですから今年のヤマハには問題があり、Ducatiに関しては今期6勝もしているわけです。特にシーズン後半に関しては、彼らは素晴らしい活躍を見せていると言えます。ですから、どちらかと言うと、ヤマハのレベルが下がったというよりは、Ducatiのレベルが上がったということでしょうね。」


 

Q

「来年に備えてヨーロッパベースのテストチームを持つのではと噂されていますが、これに関して何かしら確定化に近いということはありますか?」

リン・ジャービス

「現時点では特にプランはありません。こうした噂は誰かが実際に考えているからなんでしょうが、それはヤマハではありません。一般的な話としてコスト削減のためにテストを減らすというアイディアがあります。ヤマハに関してはホンダ同様にテストチームが日本にいます。ですから、ヨーロッパに新たなテストチームを持つとなると、とんでもない額の資金がまた必要となります。そして新たなテストに関するレギュレーションは、皆にとってよりフェアなものになると感じています。願わくば、こうした余計に時間と資金がかかる方法を取る必要がないことを願っています。」

 

Q

「2018年と2019年のテストルールに関してですが、まずは新しいレギュレーションに関しては満足していますか?また、カレンダーはあと2年で年間20戦になる可能性があります。多くのライダーが年間20戦は多すぎと感じているようです。そしてもし20戦となるのであれば、7基以上のエンジンが必要ですか?」

リン・ジャービス

「テストに関してはリヴィオに賛成ですね。年間20戦というのは確かに多いですし、ライダー達にだけでなく、皆さんジャーナリストにとっても全てのスタッフにとっても多いと感じるでしょう。日本からの3連戦は常に消耗戦ですし、この1つ目のレースとなるのはヨーロッパの外です。ですから20戦以上というのは無理でしょうし、20戦となった段階でテストを減らさないといけないでしょう。それにウインターテストを1つ減らすという話があるのも事実です。エンジンに関しては今は18戦で7基ですから、年間20戦となると理屈で考えると8基必要になるでしょう。ただ、これはそこまで大きな問題ではありません。」

 

Q

「ワールドスーパーバイクからはアレックス・ロウズ、マイケル・ファン・デル・マルクが今年はワイルドカード参戦をしましたが、スーパーバイクは今でも新たな才能を発掘出来る場所と言えますか?それともこのパドックの中から新たなライダーを探そうと考えているのでしょうか?」

リン・ジャービス

「おそらく新たな才能を探すとしたら、この世界選手権の中でしょう。Moto2、Moto3を見ると、本当に多くの若い才能が参戦しています。それにドルナが主催しているヤングカップもあります。それにヤマハはVR46ライディングアカデミーもあります。ですからあくまでもこのパドックの中だけに集中しているわけではなくて、時には違うカテゴリーから参戦してくるライダーというのもいるわけです。ただ、スーパーバイクで若い才能を引っ張ってくるというのは例外的な話でしょう。それよりは、若いライダー達は既に世界選手権に参戦してきているわけですから、そこから新たな才能を引っ張ってくるほうが自然でしょうね。」

 

Q

「コストを削減する必要があると話していましたが、技術開発、テストに制限が入り、ライダーとテクニカルスタッフの重要性が高まるわけですが、そうなるとライダーの給料も上がるわけで、これに付いて行くことが出来るのでしょうか?また、新しいライダーを将来に向けて探していくわけですが、それに関してはいかがでしょう?」

リン・ジャービス

「これは恐らくこの場にいる全員が心配していることでしょう。過去を見返せば強いのはだいたい3メーカーでした。ですから、どのメーカーもプロジェクトの中で最高の結果を発揮してくれるトップライダーを確保することが必要だったんです。昔は3メーカーで競いあっていたものが、今は6メーカーがオークションに参加しているわけです。ですから、互いに敵対しているとはいえ、ライダーマーケットが高沸しないように注意をしないと行けないでしょう。技術開発ということに関しては、自分達には多くの経験あるエンジニアが沢山います。最終的にバイクを開発するのはエンジニアですからね。技術詳細に関してはそうでもないでしょうが、ライダーマーケットということに関しては将来苦戦しそうです。」

 

Q

「2019年には電動バイクのチャンピオンシップの噂がありますが、いつの日か、MotoGPも電動バイクになる時が来ると思いますか?であればいつ?」

リン・ジャービス

「現実的にはヤマハは車に比べてバイク業界は遅れていると思っています。ただ、フォーミュラーEにどの程度のメーカーがスイッチするのかどうかというのは、興味深いですね。これは私の予想を超えています。レース自体をみれば、エンジンノイズ、そして生々しいパワーから得られる感動というのは、石油燃料のエンジンだからこそです。ただ、こういったフォーミュラーEのような流れは注目が必要です。それに多くのスポーツで、電動カテゴリに参戦するために既存のレースを止めるなどしています。それに業界的に見ても電動が今後は大きな役割を果たすようになっていくでしょう。ですから、今はドルナにとってこうしたカテゴリを始めるのは最適なタイミングだと言えるでしょう。ただ長い時間がかかるでしょうし、MotoGPクラスが電動になることはけして無いかもしれません。ただ他のクラスが電動になり可能性はあるかもしれません。ただ他のエンデューロ、モトクロスといったカテゴリーでは、騒音がより問題になる可能性があります。こういった車両はより市街地に近いところで使用される可能性がありますからね。」


 

Q

「ホルヘの事を懐かしく思いますか?彼がいたらこんなシーズンにはならなかったと思いますか?」

リン・ジャービス

「確かに彼とは9年と長い関係がありましたが、そこまで懐かしいということはありません。彼はヤマハに3度ヤマハでタイトルを獲得しましたし、多くの思い出があります。パドックで未だに出会っても良い関係です。パフォーマンスという事に関しては、彼がいても同じような問題に直面していたと思います。ホルヘ自体も今年はがっかりしているでしょう。新しいバイクに慣れるのにだいぶ苦戦している様子ですよね。社交的な意味では彼がいないことは残念ですが、ホルヘの代わりにヤマハに加入したマーベリックはチャンピオンシップ3位とうことで、本当に素晴らしいシーズンを送っています。彼は昨年4位でしたから成長しているわけです。それに優れたツールを与えれば、彼はさらに良い結果を出してくれる可能性があります。ホルヘと共に成し遂げたことは素晴らしかったですが、今は互いに違う道を進んでいるんです。そしてこれに関してはこれでいいんじゃないですか。」

(Photo courtesy of michelin)

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