★2018年のMotoGPの見どころ(その5) ドヴィツィオーゾは2018年もタイトル争いが出来るか?

2018年シーズンの開幕前に、今シーズンのMotoGPの見どころを解説しています。その5としては、2017年シーズンに最終戦までマルケス選手とタイトル争いを繰り広げたDucatiのアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手に関してお届けします。

ドヴィツィオーゾ選手は今年もチャンピオンシップ争いに参加出来るのか?

2017年の開幕の時点で、ドヴィツィオーゾ選手が最終戦までタイトル争いをすると考えていた人はほとんどいないでしょう。ドヴィツィオーゾ選手は今まで開幕戦となるカタールでは、Ducatiとの相性も良いこともあり良い成績を収めることが多かったわけですが、その後のヨーロッパラウンドでは失速するのが例年の流れで、ストレートスピード、強力なブレーキングを活かすことが出来るオーストリア、日本、マレーシア以外では目立った成績を残す事が出来ないでいました。

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また今までの優勝経験からしても、MotoGPクラスに昇格した2008年以降でドヴィツィオーゾ選手が優勝したのは2009年に1回、2016年に1回しかなく、2013年からDucatiに移籍してから、1シーズンで最も多く表彰台を獲得した回数は最大で5回となっており、今シーズンのように年間6勝、合計して8つの表彰台を獲得するとは誰も思っていなかったでしょう。実際ドヴィツィオーゾ選手自身も、今シーズンは何度も「タイトル争いは難しい」「タイトル争いよりもマシン開発が優先」と語っており、本人もシーズン最終戦までマルケス選手とタイトル争いが出来るとは思っていなかったはずです。

しかしドヴィツィオーゾ選手はDucatiで長年走り続けたことで、マシンの強みと弱みを誰よりも理解し、バイクのネガティブなポイントについて単純に文句を言うのではなく、そのネガティブな部分をライダーの走り方でカバーして走るという走りが出来るようになっていました。ドヴィツィオーゾ選手は元々冷静で落ち着いたライダーとして知られていますが、極限の場面でも熱くなりすぎず冷静な判断が下せる素晴らしいライダーであるということは、マルケス選手が最終ラップの最終コーナーで仕掛けたオーストリア、そして日本でも、改めて明らかになりました。

また、ドヴィツィオーゾ選手は2016年シーズン中盤に、人生に関して何らかの気付きがあったという話をしており、人生においてもスポーツにおいても、今までと異なる方法でアプローチすることが出来ていると語っています。ある意味、禅問答のような話ですが、2017年に入ってからも「昨年とは小さな違いを感じていますが、それが今年大きな違いを生み出しているんです。間違いなく優勝したことは助けになりました。人というのは異なる物事を、異なる瞬間に理解して成熟して行くことが出来ると思うんです。小さなことですけど、これが大きな違いを生み出すんです。」と話しています。

2018年もドヴィツィオーゾ選手がタイトル争いに参加出来るだろうか?という見方をすると、デスモセディチの戦闘力が上がっていること、ドヴィツィオーゾ選手のバイクに対する理解がさらに深まっていること、そして何よりも2017年に6勝、最終戦まで最強のライバルであるマルケス選手とタイトル争いをしたという自信をもってシーズン開幕を迎える事が出来るため、引き続きタイトル争いにドヴィツィオーゾ選手が絡んでくるはずです。

課題となるのは、苦手なトラックでも表彰台を狙える位置で走行していることが多かったマルケス選手と異なり、バイクの特性が合わない、自身が苦手としているトラックではポイントを大きく失う事が多かったレースをいかに減らすことが出来るか、どのような路面コンディションになるかの判断が難しいフラッグtoフラッグのレースで、ポイントをいかに多く獲得出来るかでしょう。2017年はこうしたマシン交換の戦略で準備、判断が遅れたブルノ、バイクの旋回性の面で苦戦したオーストラリアなどでポイントをもう少し獲得出来ていれば、後半戦にもう少し余裕が出来たとも言えます。

この部分はドヴィツィオーゾ選手本人の走りだけではなく、チームがいかにフラッグtoフラッグのレースのコンディションを予想するか、どのような戦略が有効なのかレース前にライダーとじっくりと議論すること、週末の天気を考えてFP1からどのタイヤを使用してデータを取得しておくべきかなどの戦略を綿密に立てること、またデスモセディチの強力なエンジンとブレーキングという強みは残しつつ、バイク自体の旋回性を開幕までに少しでも上げるなど、Ducatiチーム全体での努力が不可欠です。

(Photo courtesy of michelin)

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