★MotoGP2017 ペドロサ「今年はあらゆる面で最高の自分を見つけていきたい」

今年はMotoGP参戦12年目を迎えるペドロサ選手。MotoGPではロッシ選手に次ぐベテランでもありますが、今年はチーム体制をガラッと変えてチャンピオンシップに挑みます。本当にペドロサ選手には、1度チャンピオンシップ優勝をしてもらいたいですね。

(Photo courtesy of michelin)

マルク・マルケスに今シーズンに誰がメインライバルとなるかを尋ねたところ、我々が予想もしていなかった名前が飛び出した。マルケスがペドロサの名前を口に出したのには、マルケスがいかにこれを真剣に捉えているかということでもあるのだろう。「ダニは静かに素晴らしい準備をしていますよ。自分はボックスにいて、いかに彼が作業をしているのかを見ています。ダニには注意が必要ですね。」

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ペドロサはいつもどおり注目を浴びないというやり方で、2017年のプレシーズンを素晴らしい形で終えた。ペドロサはカタールのウインターテストを、素晴らしい走りを見せたマーヴェリック・ビニャーレス、常に安定しているアンドレア・ドヴィツィオーゾに次ぐ3位で終えた。他の選手が注目を集めるかもしれないが、ペドロサが今年のMotoGPにおけるダークホースとなるだろう。

今年はペドロサにとって12年目のMotoGPだ。彼は現在ヴァレンティーノ・ロッシに次ぐベテランライダーとなっている。彼はこの間、常にホンダ、HRCチームで走ってきた。そしてこれだけの間彼が一度もMotoGPチャンピオンを獲得していないという事実が、ペドロサのライダーとしての評価を下げてきた。しかし2017年には状況が変わるかもしれないという兆しがある。

ペドロサは長年ホンダファミリーの一員である中で、HRCのガレージ内での様々な状況を経験してきた。であるからして、2017年に使用するエンジンに関わる混乱は彼にとっては珍しいものではないだろうし、特に心配するようなものでもないだろう。実際レース開催まで2週間を切った段階で(※これはその時点で書かれた記事です。)、エンジンに関しては既に大きな問題ではなくなっているようだ。ペドロサはプレシーズン始めには良い状態では無かったという。しかし1月の終わりからホンダは特にエレクトロニクスに関してポジティブな方向へと進んだという。

ダニ・ペドロサ

「今となっては何か予定外の物事がない限りは解決したと言えるでしょう。ただこうして耐久性を考えるというのは非常にホンダらしい考えかたです。他のチームに供給することなどを考えるとね。何かが起きない限りは今のところ変更はないと思いますよ。セパンからオーストラリア、それからヘレスにかけて大きく前進したと言えるでしょうね。」

昨年ペドロサは、ホンダがマルケスの好みを受けて選んだエンジンを自分なら選ばなかったと答えていた。そのため我々は、ペドロサにどのようなエンジンが好みなのかを聞いてみた。

「いろいろなエンジンで走ってきました。125ccの頃はバイクはピーキーでしたし、非常にアグレッシブなものでしたね。ただ同時にそのバイクはパワーがまったくなくて、スロットルをずっと開けていられるくらい、スムーズとも言えるものでした。250ccでも同様でしたが、もっとトルクがあって楽しかったですし、ライディングが難しいバイクではありませんでした。それからMotoGPのV5エンジンですね。これは非常に重く、コーナーでコントロールしにくいバイクでした。」

「その次はコントロールが不可能なほどのスクリーマーエンジンですね。基本的には、自分はトラック上で集中出来てコンスタントにラップ出来るバイクが好きなんです。これはセッティングに関しても安定感が低いバイクよりも安定感が高いバイクのほうが好みです。ただ最近のホンダに関していうと、安定感のあるバイクにするのが難しいんですよ。そしていつも安定感を得るために作業を進めることになるんです。自分達にとって最もタフなライバルは常にヤマハです。そして彼らは自分達の正反対と言えるようなバイクなんです。ですから自分達はライバルに対して足りない部分を見て、バイクをいかに開発するかを考えているんです。」

ペドロサはsportrider.comで我々が記事にした、ホンダRCVの反応性について語る。これはライダーがバイクの挙動によって操作を変えるという事を要求するもので、ヤマハのM1がライダーに何をするかを決めさせるのとは違う。そのためHRCのバイクは、非常に攻撃的なライダーを求めるのだ。

「凝り固まった考えではなくて、非常に直感的であることが求められます。 例えば1周はあるコーナーを完璧にクリアして、次の周には3回ほどバイクが動いたとしても、そこでオープンマインドである必要があるんです。そしてそれを気にしないという事も必要です。例えばいつも安定しているバイクに乗っていてコーナーの中でバイクが動いたとすると、通常は同じ操作をしたら同じように動くだろうと思うわけですけど、ホンダは毎回そうなるとは限らないんです。あるラップではそうなるかもしれないけど、次のラップでもそうなるとは限らないわけです。そしてその都度バイクに合わせて反応する必要があるんです。」

MotoGPグリッドの中でも最もテクニカルなライダーであるペドロサは、当然安定したシャーシを好む。

「常により反応性の良いバイクと安定したバイクを選ぶ事が出来ます。これはリンクの変更、フロントのトレールの変更などによるものです。」

ペドロサはまた、ブレーキングよりも、加速時、コーナーの中でのほうが良い感触だというが、彼よりも上手くこれらの操作を行うライダーがいる事を認めている。

白紙の年

今シーズンはペドロサはその環境を大きく変えた。彼はレースへのアプローチを劇的に変えたと言えるだろう。新たなマネージャーを雇い、新しいクルーチーフを入れ、メカニック、アシスタント、そしてトラックコンサルタントとしてセテ・ジベルナウを迎え入れた。ペドロサは今までと大きく異る形でレースを使用としている事は明らかだ。

「こうした変化の一番の理由は、今までの経験、時間を減る中で物事が変わったことから、自分を改革しないといけないと気づいたからです。時間に対して、そしてライディング、外側の部分についても適当する方法を見つける必要があるんです。しっかりとトレーニングをし、フィジカル面での準備も重要ですが、その他の部分をしっかりとカバーしていないと、どこかで足りない部分が出てくるんです。ですから重要なことの1つに、そこまでカバー出来ていない部分を見つけること、そして今自分はそうした部分を改革しようとしているんです。これらの変化については嬉しく思っています。」

この変化の背景にはモチベーションを見つけるということもあったのかという問いに、ペドロサはこう答える。

「全てを見て、経験が自分があまり上手く出来ていない部分を教えてくれるんです。もしくはバランスが取れていない部分ですね。バイクの上でさらに集中するということ、さらに楽しむこと、そして他の事に惑わされないこと。明らかに今は若かった頃とは違います。今では注意を払わなければならない多くの物事を知っていますからね。でも、最終的には基本に立ち返って、バイクに乗りレースを走るんです。出来る限り集中している必要がありますからね。」

イタリア人の新しいクルーチーフ(ジャコモ・グイドッティ 前スコット・レディングのクルーチーフでPramac Ducatiにいた)を雇うということは、2人が乗り越える必要があるプロセスがあることを意味する。つまり2人にとっての表現が同じ意味であるかを理解するということだ。

「バイクが曲がらない」といホンダのペドロサのようなライダーの表現が、元Ducatiのエンジニアにとっても同じであるのかということだ。2人にとっての共通言語を作るということが必要不可欠だ。

「彼が自分に、自分が彼に何かを伝え、自分が彼をじっと見て、もし彼が意味することが自分が考えていることだったらと考え、”こういうことだったの?”と聞くんです。自分は少しイタリア語を話しますけど、そこまで流暢ではありません。あまり馴染みのない言葉もありますし。ただそこまで大きな問題ではありません。全てはわかりませんが過去にはそういう事もあったと言えます。そして今はそうした経験から”ちょっと待ってもう一回言ってくれないかい?互いに理解しているか確認したいんだ”と言いますね。」

モチベーションと経験

ペドロサのようなベテランライダーに質問する時、私が常に聞く質問がある。それは彼らのレースへの熱意だ。MotoGPのようなレベルでレースをするという事は非常に厳しいもので、最初は楽しみとしてレースに向かっていたものが、ある時点で”仕事”になってしまうと常々考えているのだ。

「確かにそれほど楽しめていない時期もありました。勝利出来るチームにいて、自分の子供の頃の夢を生きているような状態でも、幸せを探すのは常に簡単ではないんです。怪我もしますし、物事が上手く行かないときもあります。また個人的な事情もありますしね。そうした事を切り離して考える事は出来ませんよ。自分の夢を生きているにも関わらず、全ての瞬間が幸せであるということでもないんです。」

最後にある質問を用意していたが、これは意図的に最後に質問をすることにしたものだ。というのもこの質問は彼を不愉快にさせるかもしれないからだ。それは彼のファンやジャーナリストに対する態度に関してだった。昔、彼は私に理想的なGPというのは、観客とジャーナリストがいないものだと語っていた。今は彼のそうした考えは大きく変わっているように思える。今の彼は批判を笑顔で受け止めている。

「昔はベストを尽くす事が目標でした。そのために非常に高いレベルでの集中が必要だったんです。自分がシャイであること、その当時の年齢もあって、皆が自分に触れようとしたり、写真を撮ろうとしたりっていうのがね。自分は小さな町の出身で、自分が部屋に入ると皆が自分に注目するっていうのに慣れていなかったんです。あまり人の気を引こうという性格ではありませんしね。それに人々からそういう意図はないと言われても、そうした物事が自分に影響を与えるということから離れていたかったんですよね。」

「これは自分にとっては大きな驚きでした。そして快適でもありませんでした。今では経験もありますから、物事は違う形で見えます。自分が子供であったということに気づき、自分自身をサポートしてくれる人々にとっての自分の意味を理解し、TVで多くの人が自分を見て、自分と写真を撮るという事が彼らにとってどのような意味があるかわかったんです。こうした気付きが自分を変えました。これらの気付きが違う視点を与えてくれ、それらが自分を、自分にとっての安全地帯から引き離すものとは見えなくなったんです。」

2017年の期待

2017年をペドロサが異なる視点で迎えていることは明らかだ。経験が彼を落ち着かせており、ビッグワードも大げさなアナウンスもない。

「今年に対する期待としては、あらゆる面で最高の自分を見つけることです。自分の希望、モチベーションという意味で、そして経験やチームと共に、全てを合わせるということは最も難しいことになると思います。ただ、これに今取り組んでいるんです。これがゴールです。そして一度これらが実現したら、結果が数字で出て来るでしょう。」

このインタビューはペドロサのカタールテスト2日目にしたものだ。24時間後、彼は最後のプレシーズンテストを3位で終えた。この結果は彼のチームメイトがカタールテストの始まり前に予想していたものだ。

「主に自分のベストを探すという作業をしていました。この作業から得られる結果については、今はまだわかりませんが楽しみにしています。この作業をするのはワクワクします。というのも、これが自分に”今まで良い状態でここまで来た。ただ、別の面でも良い結果を出せるはずだ。そしてこれからそれを求めていく。これが自分にとってのモチベーションだ”と言わせるんです。」

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