★MotoGP2018 ジジ・ダッリーニャへのロングインタビュー 2018年シーズンを語る

Ducatiのジジ・ダッリーニャのロングインタビューをお届けします。既に同様の内容をお届けしていましたが、Manuel Pecinoさんのインタビューでは新しいバイク、2018年への期待、Ducati技術者の離反と興味深い構成になっています。Ducatiに関しては独自のデスモドローミック機構もそうですが、圧倒的なエンジンパワー、エアロダイナミクス、そして何よりもエレクトロニクス開発に関する他メーカーへの大きなアドバンテージが特徴です。弱点とされているコーナリングを克服することが出来れば、今シーズンのタイトル獲得がいよいよ見えてくるはずです。

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Ducatiはあと数日で開幕となるMotoGPの2018年シーズンのマレーシアテストに向けて初めて2018年の体制を発表した。ボローニャで行われたファクトリーのチームプレゼンテーションは満員であった。2017年のアンドレア・ドヴィツィオーゾの6勝、チャンピオンシップ2位の後にDucatiへの期待は大きかった。

こうした成功の後に、期待されるゴールは当然チャンピオンシップ優勝だ。そういう雰囲気が発表の場にあった。最も明確だったのはCEOのクラウディオ・ドメニカーリが2018年のデスモセディチに対して、このグラフィクスのどこが好きかと述べた言葉だった。

「私は優勝するバイクが好きです。バイクを最も美しく見せるのは勝利です。」

これはジジ・ダッリーニャにとってはこれ以上ないメッセージだったと言える。イタリア人エンジニアにとっての時間は刻一刻と少なくなっており、彼がホルへ・ロレンソにかけた数百万ユーロの期待は結果を出さねばならない時が来ている。

最初のチャレンジとなる開幕戦はカタールにおいて3月18日に行われる。しかしそれまでは開発が最も重要だ。プレシーズンテストはいかにボローニャでの冬季作業が上手くいったのかが明らかになる。2017年にファクトリーライダー達が指摘したバイクの欠点が修正されたかがわかるのだ。

マレーシアに発つ前にダッリーニャと私は2018年のバイクに関して、2018年シーズンの期待について話をした。そしてDucatiにとって難しい話題である、他のチームに関しての考えなどを聞いた。

 

新しいバイクについて

ボローニャでDucatiが披露したのは2018年型のデスモセディチではない。新型バイクはまだ開発が進んでおり、最初のバージョンが披露されるのがセパンテストとなる。最新型のエアロダイナミクスフェアリングはタイで開催される2回目のプレシーズンテストで披露されるだろう。

ジジ・ダッリーニャ

昨年型のバイクからどの程度開発が進んだのかということに関して語るのは時期尚早でしょう。ある程度のアイディアがありますし、シミュレーターでテストを行っています。しかしシミュレーションは常に現実を反映しているとは限りません。ブリーラムテストの後に明確なアイディアが見えてくるでしょう。私の考えでは、昨年はあらゆる部分でコンスタントに成長したと思います。オーストラリアで直面したように、未だに問題が発生してしまう箇所もあります。そしてシーズン中に良い結果を出していただけあって、こういったレースが目立ってしまいます。この分野の解決に集中していたと言えると思いますが、この問題を解決することが出来たかがわかるでしょう。

昨年2017年型のバイクが問題を生み出してしまった部分に関して、シャーシの改良に取り組んできました。明確なアイディアがあります。それもあってセパンとブリーラムにおけるテストが重要なのです。両ライダーともに同じシャーシを使用します。昨年はアンドレア・ドヴィツィオーゾが使用していたものとホルへ・ロレンソが使用していたものには僅かな違いがありました。ドヴィはシーズンに開発したものを使っていましたが、ホルヘはこれが好みではなかったんです。」

エアロダイナミクスに関しては大きな改良はないでしょう。トップチームから離されていた時ほどのリスクを冒す必要はありません。我々としては、新しいオプションに関して確認をしていくという形になります。ルールは変わりませんから、新しい事は無いと言えます。これは全ていかに解釈するかです。ヤマハは新しい解決策を提示しました。あれがホモロゲーションを取得しているかどうかは知りません。恐らくあのフェアリングをセパンでも見ることになるでしょう。それ以降に我々もどうするかを考えたいと思います。」

「基本的に我々のライダー達はバイクに関して同じコメントをしています。彼らは同じ問題について指摘しています。ですから、2人の為に異なる方向で開発をする必要はありません。我々が進めてきた開発が、両ライダーのパフォーマンス向上に役立つでしょう。最初の2つのテストで新しいバイクの確認作業を行います。お話したように、確認したいアイディアがあるんです。これらの2つのテストは2018年型のバイクで行う必要があります。最後のテストは2週間後のレースに向けたセットアップのために使うべきです。ミシュランのタイヤも2017年からは大きく変わらないでしょう。いくつかのトラックにおいて多少改良されたタイヤが投入されるような形でしょう。ですから、来シーズンにおいてタイヤが問題になってくるとは思いません。

 

2018年への期待

昨シーズンにチャンピオンシップ2位を獲得し、Ducatiにとってより良い結果はタイトル獲得のみだ。ジジ・ダッリーニャにとっては、ホルへ・ロレンソを獲得すべきと主張した自らの主張に正当性を持たせるためにも、今年のプレッシャーは2倍になっているだろう。ロレンソは勝たねばならない。これが昨年のドヴィツィオーゾとのチーム内での素晴らしい関係性に亀裂を入れるかもしれない。両ライダーがタイトル争いをするようになれば、両者の間に軋轢が生まれるのも時間の問題だ。

「ナーバスには感じていません。今の時点では何も言えません。長年我々は成長を続けてきて、技術面、体制面でミスがあったと思います。今までやってきたことを全てやり直したいとは言いません。ただ、いくつかの内容を変えたいと思っています。これによって将来を落ち着いた目で見渡すことが出来ます。何が起きるかはこれからわかるでしょう。」

「もちろん予算に制限がないほうがいいですよ。でも、今の段階ではハッピーです。そして我々の予算がタイトル獲得への挑戦をするにあたって十分だとも思っています。ドヴィとロレンソの間の問題?私は心から2人がタイトル争いをする事を願っています。2人のライダーがタイトル争いをして関係性が悪化するというのは、全てのチームマネージャーが抱えたいと考える問題でしょう。こういった種の問題は大歓迎です。」

「正直に言うと、2人競争力が高いライダーがDucatiのボックス内にいることが問題だとは思いません。2人のライダーが優勝争いをする中でのマネジメントのほうが大変ですが、それが私の仕事です。同じことを言いますが、こうした問題は世界中の全てのマネージャーが抱えたい種の問題ですよ。」

「昨シーズンの終わりに、ロレンソは既にDucatiへの適合という意味で大きな進化を遂げていました。もし彼が優勝しても誰も驚かなかったでしょう。確かに彼はまだ過去の強さに匹敵するには足りない部分があるかもしれません。もし我々が、彼が必要としているあと少しの自信を得るために必要なものを提供出来れば、彼は当時の強さを取り戻せるでしょう。

「ダニロ・ペトルッチは今年ファクトリーチームと同一の環境でシーズンをスタートします。彼のシーズンを通じた結果によって、彼とどのよな開発内容を進めていくかを決定します。もし彼が優勝出来る事を証明出来るなら、我々は彼が必要とするものを全て提供します。」

「今シーズンはライダーマーケットが重要になるでしょう。殆どの主要ライダーの契約が切れますから。そして過去のようにチャンピオンシップで優勝出来るメーカーが少なかった時代とは異なっています。今や6メーカー全てが優勝出来るライダーを欲しています。これが問題になるでしょうね。」

 

Ducati技術者の離反

エレクトロニクスエンジニアのFilippo TosiがHRCに昨年の始めに加わって以降、これはDucatiにとってはありがたくない話題だ。Ducatiにいる多くの人間が、ホンダはTosiなしに2017年のタイトルを獲得出来なかっただろうと考えている。しかし彼はあらゆるMotoGPガレージに散らばっている元Ducatiのエンジニアで、唯一所在が掴めている人間だ。直近の離反者は、この冬にKTMの元に去った。

「あるメーカーの技術者で目立った成果を上げた人間に、他のブランドがアプローチしてくるのは当然です。ヨーロッパのブランドでしっかりとした成果を上げているブランドはDucatiだけですから、全ての欧州ブランドが我々のエンジニアを欲しているのです。確かに日本メーカーも我々のエンジニアを雇ったことがあります。ただ、それもこのゲームの一部です。日本メーカーがDucatiの後を追う必要があるという状況を見ることが出来るのは喜びです。日本メーカーはエンジニアを我々のスタッフを雇っており、我々のエアロダイナミクスに関する開発を追っています。つまりある部分では我々はチャンピオンシップにおける指標になっているということです。

(Photo courtesy of Ducati)


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