★2018年型 DucatiパニガーレV4 についてわかった24のこと

Ducatiから登場したV型4気筒のスーパーバイク、パニガーレV4。今までDucatiが市販スーパーバイクの伝統として頑なに守ってきたL型2気筒を捨て、MotoGPの技術をダイレクトにフィードバックしたV型4気筒エンジンを搭載するこのバイクに対する注目は大きいわけですが、その試乗レビューをお届けします。

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Ducatiの2気筒スーパーバイクに別れを告げる形で、2018年型のDucatiパニガーレV4が登場した。Ducatiが作りあげたのは、恐ろしいパワープラントだ。低回転域ではサウンド、フィーリング面でVツインに似ているが、10,000回転をすぎるとパワージャンキーがずっとスロットルを開けていきたくなるようなフィーリングを持っている。オーリンズの電子制御サス、鍛造マルケジーニホイールを履くDucatiパニガーレV4Sで、バレンシア・サーキットで4つのセッションを終えた後でわかった点をご紹介する。

1. 1103ccのStradale V4は214馬力を13,000回転で発生。10,000回転で96 ft/lbsのトルクを発生する。今まで聞いたことが無いほどの官能的なサウンドだ。エンジンの馬力自体は1299パニガーレから13馬力アップ。一方トルクは15 ft/lbsダウンしている。エンジンは14,500回転のレッドラインまで驚くほど素早く吹け上がる。ギアを5速に入れてバレンシアのホームストレートを273km/h以上で走行するのに110%の集中を必要とする。

2. サーキットでのスイートスポットは8,000回転から12,000回転だ。トルクはコーナー立ち上がりの段階からすぐに使えるものだし、ホームストレートに戻る前の流れるような大きな左コーナーで速度を足すのに最適だ。もちろんトルクは全域に渡って出ているので、ストリートバイクとしてもパニガーレV4はオススメ出来る。

3. エンジンはツインパルスイグニッションを装備しており、これがVツインのような点火間隔を生み出している。これによってフィーリング、サウンド面で1299の2気筒エンジンに低回転で通ずるものがある。しかし10,000回転を超えると、全く新しい一面を感じる。Ducatiは同様にツインパルスイグニッションを僅か1500台しか製造されなかったデスモセディチRRにも採用している。実はこのバイクとパニガーレV4のボア径は81mmと共通になっている。Vツインのフィーリングを得るため左側の2気筒の爆発間隔はかなり近い。同様に右側の2気筒の爆発間隔も近くなっており、爆発間隔は0°、90°、290°、360°となる。

4. DucatiパニガーレV4は90°のエンジンデザインのためにバランスした設計となっている。(バランサーシャフトが不要)このエンジンは逆回転クランクシャフトを採用しており、これによってジャイロ効果が少なくなっている。これによってクイックなターンインを実現、左右の切り返しが軽やかだ。逆回転クランクシャフトは、急加速、急減速の際のウイリーの抑制、リアホイールの浮き上がりを減少させる効果もある。パニガーレV4がとてつもないパワーにも関わらず、600ccのような軽やかなハンドリングを持っているのはこのためだ。

5. 燃料システムが変更されたおかげで、DucatiパニガーレV4は恐ろしくレスポンスが良く、スムースなスロットルレスポンスを実現する。コーナー立ち上がりの際にスロットルを開けても、まったくラグなく加速するし、フルバンクの状態でコーナリングスピードを変更するのも容易だ。

6. パニガーレV4の電子制御システムは1299と比較して驚くほど良くなっており、特にトラクションコントロール、BoschのコーナリングABS、ウイリーコントロールの動きが素晴らしい。レースモードでは私はトラクションコントロールを7段階の2、ABSを3段階の1、ウイリーコントロールを7段階の2に設定した。ウイリーコントロールの1の設定ではかなりの量のウイリーが発生するし、慎重なスロットルコントロールが必要だ。私はチャズ・デイビスではないので、2のセッティングで走行を続けた。トラクションコントロールとの組み合わせでは、このセッティングはかなり深いリーン状態からワイドにスロットルを開けることが出来た。まさに魔法だと言える。

7. その他の電子制御はDucati エンジンブレーキコントロール(EBC)がある。また、クラッチ不要のシフトチェンジが可能なクイックシフターも搭載される。EBCが1の状態では、スロットルを話した時のエンブレにかなりの違いを感じる。クイックシフターはピットを出る際に使用したが、それだけだった。システムは完璧に作動し、シフトの失敗は皆無だった。さらにクイックスタートの為に、パワーローンチシステムも内蔵している。

8. 最新のDucatiのエレクトロニクスはスライドコントロールだ。これはリアタイヤをスライドさせる時に役立つものだ。これは私のライディングスタイルではないのだが、何度か試してみた。ABSがレベル2だと、コーナー進入前にリアブレーキを強く踏み込みだけで良い。エレクトロニクスと6軸のIMUがスライドコントロールを実現するようにリアホイールの速度を落とす。これは楽しいが私にとっては意味がない。もちろん写真映りは良いだろうが。

9. 私がテストしたのはパニガーレV4Sだ。これはベースモデルと比較してDucati電子制御サスペンションEvoを装備する。これは1299Sについていたのと同様のオーリンズサスペンションがついている。しかしこれはバージョンSmart EC 2.0のものた。2つ目のセッションのあとにサスペンションについて聞かれたが、実際私はサスペンションを意識しなかった。つまりシステムがいかに自然に機能していたのかということだろう。いくつかのカスタムセッティングをテストの終わりに晴れたスペインのトラックで試したわけだが、フルオートマチックダイナミックモードのほうが速く感じた。

10. サウペンションとエレクトロニクスのセッティング変更は今までになく簡単だ。セッティングはメニューの中に埋もれておらず、左のコントロールパッドでシンプルに調整が可能だ。全てのセッティング、ABSなどは移動中に変更出来る。

11. パニガーレはこのモデルでもモノコックフレームを採用する。しかしこれは完全にV4エンジン向けに改られている。私はこのシャーシに関しては何の不満もない。バイクをコントロールするのに必要な柔軟性があり、特にコーナーの中でこれを感じる。デスモドローミックエンジンをストレスメンバーとするフレームは僅か4.17kgしかなく、MotoGPで使用されているものがベースで、曲がり・捻り剛性が最適化されている。片持ちスイングアームは1299と比較して11mm伸びている。しかし重量は同様に5.08kgとなる。

12. 軽量のフレームとスイングアームが、パニガーレV4Sの195kgという乾燥重量に一役買っている。これは1299パニガーレRファイナルエディションより4.9kg重いに過ぎない。パニガーレV4はマグネシウム製のヘッドライト、ミラーサポートなどで軽量化されており、1299よりも気軽に振り回せる。

13. 2018年型のパニガーレV4の警戒なハンドリングに貢献しているもう1つの内容は、45.5/54/5という重量配分だ。これは1299パニガーレ(47/53)、1098/1198(50/50)から大きな変化となる、V4の逆回転クランクシャフトと組み合わせて、この重量配分が小さいバイクであるという印象を与える。

14. パニガーレV4はブレンボの新型Stylemaブレーキキャリパーを採用する。これらの新型キャリパーはM50から大きなアップデートとなる。Stylemaはハードブレーキングの際、レバーにより優れたフィーリングを提供する。Ducatiはブレンボとの関係が深いが、Stylemaは2018年モデルとしてはパニガーレV4にのみ採用される。Stylemaが他のメーカーに採用されるのはこの後だろう。

15. パニガーレV4Sと上級モデルのSpecialeは、マルケジーニ製のアルミニウム鍛造ホイールを履く。タイヤはピレリのDiablo Supercorsa SPで、サイズはリアが200/60、フロントが120/70だ。このタイヤはパニガーレV4のためにデザインされたもので、バレンシアのテストではどこまでも続くグリップを提供してくれた。タイヤウォーマーなしにピットレーンに停車した後などでも、冷えによる問題が出たり、トラクション不足が発生することはなかった。

16. パニガーレV4のフェアリングはエアロダイナミクスを考えて完全に新しくなっている。テスト中もフロントがよじれるようなことはなかった。フェアリングはスリムな1299と比較して少し大柄に思える。が、これもより良いパフォーマンスのためだ。視覚上の大きなポイントはLEDヘッドライトの下にある大きなインテーク、そして鋭角的なラインだろう。

17. 新型のV4はMotoGPからの技術も取り入れている。この中にはライダーのシート下まで伸びる燃料タンクなどがあり、これは重量配分に役立っており、バイクの軽快さに一役買っているわけだ。

18. 200馬力以上を発生するエンジンにとって熱は大きな問題だ。しかしレーストラックで乗る分には、V4は臀部、太ももがジリジリとロースとされる感じはない。ピットでアイドリング状態で座っていても熱は最小限だ。これは足をジリジリと焼かれる1299とは異なる。

19. V4はシートに座ってライディングしても、ハングオフで乗っても快適だ。これは少し以外だった。私は1299のエルゴノミクスは気に入らなかったし、V4は1299と似ており32.5インチというシート高も同様だったからだ。一番の違いは、V4のフットペグが10mm高い位置にあるということだ。エルゴノミクスは良い感じで、私の足がしびれることはなかった。私は大腿骨にプレートが入っているので、こういった市場ではしびれが出ることがあるのだ。

20. また、パニガーレはシンプルなダッシュボードを搭載している。V4の5インチフルカラーTFT液晶は、ハイレゾのスクリーンが特徴だ。情報が読みやすく、個人的に好きなのがアナログスタイルの回転系が付けられている。新しい左コントロールモジュールを使ってスクロールしていると、全てのデータは簡単に呼び出すことが可能だこれは本当に嬉しい。

21. このバイクに関して言いたいことは少ないが、キックスタンドは不満だ。私はこのスタンドをアルパインスターズのSupertech Rブールを履いたまま出すことが出来ず、毎回手を使って出していた。

22. 私が乗ったのはアクセサリーなどがフル装備の状態のバイクだった。これには最高の音が楽しめるアクラポビッチ製エキゾーストが装着されており、これが226馬力の発生に力を貸していた。バレンシアのフロントストレートを加速して行く時など、パワーの差は明らかだった。アクセサリー無しのSの場合はストレートではそこそこだ。アクラポビッチを装着していないバイクを何度か試したが、ほとんどレスポンスが無かった。

23. 2018年型のDucatiパニガーレV4Sは間違い無くトラック上で楽しく遊べるバイクだ。しかし快適性、熱の少なさ、安全性の為のエレクトロニクスなどからも、ストリートバイクとしても最高だ。低速では苦戦するシチュエーションもあった1299と比較すると、街乗りでも十分なミッドレンジのトルクがある。その気になれば、素早くスロットルを当て、高回転を使い、V4はワインディングでも底なしの楽しみを提供してくれるだろう。

24. もし1299を検討しているとすると、パニガーレV4はかなりの追加投資が必要だ。確かに1299、1299Sモデルの希少価値は高まっているが、新型V4は1299をすぐさま過去のものとするだろう。

(Photo courtesy of Ducati)

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