★MotoGP2018 ホルへ・ロレンソは2018年にMotoGPチャンピオンになれるか?

かなり回りくどい文章ではありますが、マット・オクスレイ氏のロレンソ選手の今シーズンに関する記事をご紹介します。全体的な内容から判断するにロレンソ選手を鼓舞し、もっと頑張って欲しいという期待を込めた記事なのだと思います。

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もちろん可能だろう。昨年Ducatiはロレンソに給料を払いすぎていると話していた人間は、2017年が単なる序曲だったことに気づかなかったのだろう。

昨年3月にアラブにある砂漠のサーキットにおいて、ホルへ・ロレンソがバレンティーノ・ロッシが2004年にアフリカGPで勝利した以来の驚きを提供してくれるものと私は思っていた。ロレンソとDucatiは2つのプレシーズンテストでタイムが振るわなかったが、ロサイルでテストをした際には彼らは最速ラップからは0.2秒以下だったのだ。

セパンとフィリップアイランドでロレンソとGP17を苦しめた問題は、特徴的な作りのロサイルでは消えていた。ロレンソはこのレイアウトを好んでおり、Ducatiもそうだった。であるからして、私は彼らがレースで優勝出来るものと信じていたのだ。しかしロレンソはグリッドの後方に取り残される結果となってしまった。

その後の2017年シーズンはアップダウンのシーズンだった。しかし全体的な傾向としては上り調子だったと言えよう。ヤマハからDucatiへの移籍は簡単ではない。この日本企業とイタリア企業は独自のレースバイクの作りをしており、特にDucatiのジジ・ダッリーニャはF1から多くの技術(ダウンフォース・エアロダイナミクス、マスダンパー、コンピュータータイヤモデリング)を採用している。

セパンで披露されたダッリーニャが作り上げたバイクは、最新のF1からの技術をそのカウルの膨らみに収納していた。(アッパートリプルクランプの先に)搭載されていた圧力変換器は、このバイクの急進的な形状のボディーワークの圧力を計測する役目を果たしており、これが空力レースにおいてデスモセディチをさらに有利に立たせていた。

2017年の最後の1/3に、ロレンソはいくつかのレースで序盤リードしたが、これは完走出来るようなペースではなかった。ロレンソは彼のライディングテクニックをDucatiに合わせる必要があったためだ。そして今、ダッリーニャはバイクをロレンソのテクニックに合わせてきた。セパンにおいてロレンソは驚くべきタイムを記録したが、これは素晴らしいスムーズさ、寸分の狂いもない正確なスピードを発揮。これはまるでジョン・コシンスキーやマックス・ビアッジのそれだった。

昨年、ロレンソはコーナーの進入と出口で強さを発揮したが、その中間で苦戦していた。いくつかのライダーはそれでも十分だが、ロレンソの強みはコーナーリングスピードだ。GP18はコーナーの中で強みを発揮するように作られており、恐らくこれはファインチューンされたシャーシの剛性と、ソフトになったボトムエンドのパワーによるものだろう。これでロレンソはタイヤのエッジを使いながらスロットルを開けることが出来る。

「バイクはよく曲がるようになり、スロットルを早めに開けることが出来るようになりました。」と、ロレンソはセパンで語った。「バイクは多くのエリアで改善しました。そのため自分の強みをさらに使えるようになったんです。でもセパンは特別なトラックですし、タイヤはサーキットごとに異なります。それに4、5メーカーが競争力が高い状態ですからね。あるメーカーが1つのトラックで速い時もあれば、別のメーカーが別のトラックで速いということもあるんです。今の段階でチャンピオンシップ優勝出来るかどうかを予想することは出来ません。チャンピオンシップ優勝するには多くの物事が必要です。ただ、ここと同じスピードが常にあればね。。」

私が最後にロレンソと1対1のインタビューを行ったのは、昨年10月の茂木だ。ヤマハのYZR-M1とDucatiの違いについて話し合ったのだ。

「全てのバイクが異なる事をするように要求してきます。ヤマハはブレーキを早めにかけ、スロットルを早めに開けることを要求してきます。ヤマハはこれでラップタイムが出るんです。Ducatiはこうした要求はしません。Ducatiはブレーキングが強烈ですから、ここでタイムを稼ぐ事が出来ます。加速はほぼ互角だと思いますが、ブレーキングで得た差をコーナリングスピードの違いによって失ってしまいます。」

2017年に、ロレンソはDucatiで成功を収めたドヴィツィオーゾとの成績の差について多くの批判を受けた。ドヴィツィオーゾの給料はロレンソのそれよりかなり低かったためだ。私はロレンソに、彼が周囲の批判によって影響を受けたかどうかを聞いた。

「それであなたは僕を批判した人達に何と言ったんですか?」と彼は聞いた。私は「ロレンソに時間を与える必要があるんじゃないかな?」と回答したと答えた。

「問題は期待だったんです。Ducatiは自分に大きな賭けをしました。自分は過去8年、9年間タイトル争いをしてきました。ですから、ある人達は自分が移籍後すぐにタイトル争いをするものと思ったわけです。ただ、そうはなりませんでした。自分が乗ったのは自分のライディングスタイルとは真逆のバイクだったんです。ヤマハで使っていたライディングスタイルを使うのは不可能だったんです。」

ロレンソがああいった乗り方をするにはわけがある。彼のライバルの多くはダートトラックを練習の為に走行するが、ロレンソはアスファルト上で低速でのテクニカルな走行練習をする。つまり彼の父であるチーチョが路面に描いたカーブを、何度も何度もトレースするという練習だ。

チーチョはスペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャ、メキシコ、コスタリカ、ベネズエラ、チリで、ロレンソが未だに使用しているテクニックを使用したスクール「ロレンソ・コンペティションスクール」を開いている。「テクニカルな練習を何度も行う」ことで、「エレガントで、正確で、安全」な走りが身につき、これは速さにも繋がる。

チーチョはモサド(イスラエル諜報特務庁)のトレーニング手法をも取り入れている。レースに参戦した人間ならわかるが、レースにはまさに戦場だ。モサドがベースのトレーニング手法は、カオスな状況の中で冷静さを保つ訓練でもある。「モサドは高いストレス下でのトレーニングをします。心拍数をモニタリングし、冷静な状況のまま限界で走るようにと教えています。落ち着いていればいるほど強くなれますから。」とチーチョは語る。

いかなる父と息子がそうであるように、チーチョとホルヘには異なる点があります。ロレンソは自らの自伝の中で、大変な子供時代を過ごしたと語り、チーチョもロレンソに厳しくし過ぎたと認めている。

「厳しく働いていく必要があるものに関して成長するには、たくさんの規律が必要です。ホルヘは成長するにあたって数多くの規律を必要としましたが、あそこまで多くの規律を守るのは大変だったでしょう。ただ、残りの人生を月に1000ユーロで過ごすような人生を送るより遥かにましでしょう。」ともチーチョは語っている。

私もロレンソとは異なる経験がある。しかし、他のライダー達とも異なる点がある。1989年にエディー・ローソンは、私が彼のヤマハからホンダへの移籍に関して書いた記事に関して弁護士を送ると脅してきたことがある。この記事は彼のチームオーナー、そしてチームの別のライダーから聞いた話を元に書いたものなので、信憑性には自信がある。ちなみに私は彼の弁護士から何かを言われたことはない。

この仕事は他の人を怒らせる危険がある。私がMotor Cycle Newsで働いていた時、伝説的なスポーツエディターであったノリー・ホワイトが”もしパドック内で好かれているのなら、それはちゃんとした仕事をしていないということだ”と教えてくれたことがある。少し過激な意見だが、彼が言いたいことはよく分かる。中間的な立ち位置も存在するが、必要としているのはプロフェショナルな関係だ。しかし、一番最悪なのはライダー達と友達であるかもように振る舞うジャーナリストだ。

私はロレンソが話した内容にいくつか合意出来ない点がある。そのほとんどは彼がライバルに関して危険な走行だと非難したことにある。彼はマルコ・シモンチェリに対して同様の批判を展開、2016年にミサノでのバレンティーノ・ロッシのオーバーテイクも厳しく批判しているし、昨年のセパンの1コーナーでのマルケスの動きに関しても同様に批判している。また、彼はドヴィツィオーゾが最終戦バレンシアで自らの運命を決める事を許さなかった。

中には私がロッシ贔屓だからロレンソを批判しているのだと言う人がいる。しかし少し前にロレンソが「バレンティーノはあなたが彼に敵対していると思っているみたいですよ。」と話していた。なぜロッシがそのように思っている可能性があるのか検討がつかないが、恐らくこれは最も物議を醸したシーズンに、私が「ロレンソは疑いの余地なく2015年に最も速かったライダーであり、黄色一色の数千人のファンのブーイングを受けながらも、1インチとずれない完璧なライディングにいたく関心した。彼を嫌うファンが彼の素晴らしさを認めることを拒むたびに、私は彼の事が好きになる。」と書いたからだろう。

つまり1人のライダーを賞賛してしまうと、他のライダーからは批判されるわけだ。これ自体は私にとっては取るに足らないことだ。私は誰が1位でゴールするかはあまり興味がない。私は良いレースを楽しみ、世界最高峰のライダー達の異世界の能力を見るのが楽しみで、彼らと話すのが好きなのだ。私はこれらを自分で見ているかのように書こうとする。これは上手く行かない時もあるし、当然ライダー達のようにミスもする。

ジャーナリストがそのレーサーについて書く内容を気にしないレーサーもいるし、多くの役者やミュージシャン同様、自分に関してネガティブな記事を読むのが嫌いなレーサーもいる。

私にも昔パンク・バンドをやっていた友人がいるが、彼はまた爬虫類愛好家でもある。彼は家に蛇を飼っているが、その殆どが毒蛇だ。数年前にイギリスの音楽誌のNMEが彼の悪いレビューを書いた。彼はパンクミュージシャンならではリベンジを考え、彼は自分のラウンジにビデオレコーダーを設置、NMEの上に寝転び、彼のお気に入りの毒蛇を集めこの雑誌の上に座った。彼は蛇に腕を噛ませ、トランス状態になって雑誌の上に糞をした。そして、翌日彼はこの模様を収めたビデオをNMEのオフィスに投函したのだ。

この頃はリベンジビデオはYoutubeにアップロードされるようだ。私もリベンジビデオが待ち遠しいものだ。

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