アルゼンチンGPはやはり大波乱のレースとなり、スリックを履いてギャンブルに出たミラー選手以外の23名の選手が、レインタイヤからスリックタイヤに履き替えるためにピットに戻るという前代未聞の展開になります。

これは本来であれば、フォーメーションラップ後のスタートとなるためピットレーンからのスタートとなるはずでしたが、ミラー選手以外の全員がタイヤを変更するということになり、ピットレーンから23名の選手がスタートするのは無理という判断が下されたようで、ミラー選手はグリッド位置変わらず、タイヤを履き替えた23名のライダー達はミラー選手から遥か後方からスタートするという前代未聞のスタートとなりました。

なお、この後のウォームアップラップでマルケス選手がグリッドに着く手前でエンジンストール。本来はピットレーンスタートであるところ、その場で押しがけ、この際に「レーススタート時に逆走」をしたということで、この後ライドスルーペナルティを受けます。

レースは当然ミラー選手がホールショットを奪いますが、マルケス選手は1周目でミラー選手に追いつき、そのままトップを独走。しかしこの後のライドスルーペナルティによって19番手まで順位を落とします。また1周目にはザルコ選手がペドロサ選手に接触。これで押し出されたペドロサ選手はハイサイドによって転倒。

その後、他のライダー達が止まっているかのような追い上げを見せたマルケス選手はアレイシ・エスパルガロ選手に激突。これによってさらに「ポジション降格」という形でペナルティーを受けます。

トップ争いはミラー選手、リンス選手、ザルコ選手、クラッチロー選手に絞られ、この4名が激しく順位を入れ替えながらレースが進んでいきます。しかしミラー選手がターン13であわや転倒という状態になりクラッチロー選手が残り6周の時点でトップに立ちます。

その後追い上げを続けるマルケス選手は残り5周の時点で、6番手を走るロッシ選手に接触。ロッシ選手を押し出し、ロッシ選手は転倒。ロッシ選手は再スタート出来たものの、19番手まで順位を落とします。マルケス選手はこの後5位で完走しますが、レース終了後に「危険走行」によってライドスルーペナルティーの+30秒を受けます。なお、マルケス選手はレース後にロッシ選手のボックスまで謝罪に行っていますが、アレッシオ・サルッチに追い返されています。

マルケス選手はこのレースで合計で3度のペナルティーを受け、大きく順位を落とす結果となりました。なお、ロッシ選手との間にはいくつもの負の歴史がありますので、今後の関係の悪化が心配されるところです。

レースは激しいトップ争いを制したクラッチロー選手が優勝。ザルコ選手が2位、リンス選手が3位を獲得しました。ポールポジションからスタートしたミラー選手は4位、ビニャーレス選手5位、ドヴィツィオーゾ選手が6位、ラバト選手7位、イアンノーネ選手が8位、ハフィズ・シャーリン選手はMotoGP2戦目にして9位ペトルッチ選手は10位となりました。

中上選手は13位、ロレンソ選手15位、マルケス選手は+30秒のペナルティーによって18位、ロッシ選手はマルケス選手に押し出されて転倒した後に再スタートしたものの19位となりました。