★MotoGP2018アルゼンチンGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

大波乱のアルゼンチンGPの決勝プレスカンファレンスをお届けします。今回はマルケス選手とロッシ選手の接触などもあり、色々とこの話題だけがどんどん大きくなっています。しかし、今回はクラッチロー選手がプレスカンファレンスの一番最初に、メディアに対してキツく「自分達のレース内容に関して十分なリスペクトをしていないメディアがある」と語ったことで、マルケス選手ロッシ選手に関する話題は一切ありませんでした。

ある程度ドルナからの要請もあったのかもしれませんが、クラッチロー選手の発言は全くもってその通りです。クラッチロー選手が機転を効かせてくれたこともあって、素晴らしい雰囲気のプレスカンファレンスとなりました。

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スティーブン・デイ

「凄まじいレースでした。今週は良いペースがあったと思います。今回のレースは色々と話すべき点がありますが、まずはレース開始前の混乱についてどう考えていましたか?また、どの段階で優勝出来ると感じたのでしょうか?」

カル・クラッチロー

「スティーブ、まず最初に言っておきたいことがある。幾つかのメディアは、自分達のレース内容に関して十分なリスペクトをしていないと思う。レースの勝敗以外の内容に関してヘッドラインとして報道している。このレースのヘッドラインはここにいる3名が表彰台を獲得したってことだ。こういったメディアは自分達の努力、このレースに関するリスペクトが足りない。こういったメディアに関しては、この先1年、自分は対応しないので宜しく(笑)」

「ここにいる3名、そしてジャックは今回の状況に上手に対応出来たと思います。今回はレース前にフラストレーションを貯めてしまいがちなレースでした。自分達もガレージの中でどうなるんだ?と思っていました。ルールによればピットレーンに行ってからグリッドに並ぶのかと思っていたんだけど、あまりにも多くのライダー達がどこにいこうかと悩んでいる感じだった。だから正しい判断はレース開始を遅らせることだったと思います。」

今週に関してはウェットでもドライでも優勝、もしくは2位が獲得出来るだろうと思っていたんです。自分は昨年同様のペース、カタールのような良いペースがありました。それはここにいる2人も同じです。彼らもレースの間ずっとトップにいたわけだからね。そこで自分はリスクを出来る限り取らないようにして、出来る限り長く4位ポジションで走行しました。今回はフロントタイヤが自分には柔らかすぎたんです。これは昨年のものよりも2段階は柔らかいものでした。レースの序盤ではフルタンクでのブレーキングでフロントがかなりよれていたんです。ですから4位ポジションで前との間隔を開けながら走っていました。」

それに今日は走行ラインも前のライダーと変えていました。誰かの転倒に巻き込まれるのはごめんですからね。非常に長いレースでしたから、彼らを抜いても抜けなくても、レースの最後でもトップで走行出来ると思っていました。それに今回は素晴らしい仕事をチームとしても出来ましたし、冬の間に彼らがやってくれた作業もまた素晴らしいものでした。それにホンダもエンジンに関して素晴らしい仕事をしてくれました。本当に彼らがやってくれた仕事、チームの仕事には頭が上がりません。」

「もし通常のレースであれば、マルケスが非常に強かっただろうと思います。ただ、今週に関しては、自分達はマルクの次に速かっただろうと思います。これは天候に関わらずね。練習走行の内容は酷いもんでしたけど、ここをこうして優勝で後にできるのは素晴らしいです。ここいる2人は本当に素晴らしいレースをしたと思いますし、賞賛に値すると思います。今日は出来る限りゆっくり走りたかったんです。チャンピオンシップにおいてはリスクを取る必要がありませんでしたからね。ただ、最終ラップのファステストは過去2年よりも速かったので、結局ペースは速かったんだと思います。快適に感じていますし自信を感じます。これでテキサスに向かうことになります。」

 

スティーブン・デイ

「これでホンダに750勝目をプレゼントし、チャンピオンシップにおいてリードを獲得しました。これでチャンピオンシップをリードしてオースティンに向かいますが、これはバリー・シーン以来イギリス人として初めてです。それとは別に最終ラップに関して教えて下さい。ターン13は濡れてトリッキーな状態だったと思います。そこで後ろからアタックされると思いましたか?」

カル・クラッチロー

「まず最初に、ホンダのこの素晴らしい歴史の一部に名前を残すことが出来て嬉しいですね。それに今年も昨年もホンダからは素晴らしいサポートをしてもらっています。750勝目を自分が達成したというのは、本当に光栄なことです。レースではとにかく落ち着いていました。自分が他の選手を抜けることはわかっていましたしね。それに最終セクターは実際は1本のラインしかない状態でした。ここでアウトから抜けるかと思っていましたが、リスクが大き過ぎました。それに自分が4名の中では最速というのもわかっていました。ですからヨハンがあそこで自分を抜けるとしたら、あのセクターで自分よりも0.4秒は速いってことなんです。1つのセクターとしてはかなりのタイムです。ですからラインはタイトにして走っていました。ただ、もちろんバイクはブレーキングできっちりと止めるようにしていました。」

「あとはジャックの走りも賞賛ものです。昨日の彼の走りについては既にメディアに話しましたけど”彼は友人だから玉のサイズは知ってる”んですが、昨日は彼の玉はでかくなりましたよ。あれは本当に凄いラップだったし、今日のレースも凄く良い走りでした。ただ、今日のレースのコンディションでリードを保つのは簡単だったでしょう。ただ、彼も良い走りをしましたし、4位獲得も素晴らしいと思います。」

 

スティーブン・デイ

「カル、おめでとう。それではヨハン・ザルコ、今日はあなた、カル、リンス、ジャックの素晴らしい走行がありました。今日は序盤にダニとの接触がありました。これについて教えて下さい。」

ヨハン・ザルコ

「今日は難しいレースでスタートから完走まで100%でプッシュしました。そこで前方にマルク、ジャックが居て、ダニも3位ポジションにいました。あの時は2人についていくペースがあると感じており、彼らについていくチャンスを逃したくなかったんです。ターン13には1つのタイム重視のラインと、もう1つドライのラインがあったんです。そこでオーバーテイクをしかけたんですが、そこでバイクをスローダウンさせるのが難しかったんです。」

「皆が言うのはお互いに転倒の危険があったということですが、こういったコンディションではあそこで膨らんでもダニをオーバーテイクするという選択をしました。その後すぐにアレックスに抜かれたようにポジションを落とす事はわかっていたにしてもね。ダニが転倒したのは知りませんでした。ですから彼には申し訳ないと思います。ウェットパッチがアウトサイドにあったのは知っていましたが、オーバーテイクをする際は挑戦することが必要です。それにあそこで自分はダニに接触はしていなくて、2人ともにアウト側にはみ出しただけです。以上が自分の言い分です。」

 

スティーブン・デイ

「最終ラップに関してはどうでしょう?もちろん初優勝を狙っていたんでしょうが、ミスがあったのか、カルの隙きを付くことが出来なかったということでしょうか?」

ヨハン・ザルコ

「マルクがライドスルーを受けた時に優勝の可能性を考えました。ただ、その後アレックスとジャックを追うことが簡単に出来ない状態でした。自分は常にプッシュしていたんですが、カルのように余裕がある状態ではなかったんです。そこで最後にカルに抜かれましたが、彼のほうが良いペースでした。自分のほうが良いペースだと思ってプッシュしていたんですが、その中でいくつかの事に気が付きました。ただ、それを試すほど余力がない状態で、彼がミスをした場合に備えて接近していたんですが、ターン5、ターン7と何も出来ず、最後にターン13あたりで”2位でも仕方ないか”と思ったんです。」

 

スティーブン・デイ

「ヨハンおめでとう。それではアレックス・リンス、これでMotoGPでキャリア初の表彰台を獲得しました。本当に嬉しいでしょうし、今回はレースをリードもしました。ターン11ではリアタイヤからスモークが上がっていましたね。何度かワイドなラインにもなっていました。」

アレックス・リンス

「この表彰台獲得は本当に嬉しいです。このプレシーズンは本当にハードに作業をしてきました。スズキもファクトリーで、チーム、そして自分も努力を重ねてきたんです。ですから本当に嬉しいです。カタールではミスをして転倒してしまいましたが、トップ5かトップ6で完走出来ると思っていたんです。ただ、ここで金曜から作業を始めて楽観的に考えていたんです。レースではスタート前に多くのドラマがありました。グリッドで”落ち着こう”と考えていましたが、スタートが遅くなりナーバスになっていました。」

「レースが始まると序盤は落ち着いて走っていて、ジャックの後ろにほぼずっとついていました。ジャックが1位で自分が2位ポジションだったので、彼をオーバーテイクして少しのギャップを作ることが出来るかもしれないと思っていたんです。彼の後ろには楽について行けましたからね。彼を3回か4回抜こうとしたんですが、トラックコンディションが非常に悪く、ラインの外側には多くのウェットパッチがありました。その後、レース中盤で1位で走っていた時、ミスをしてしまいました。自分に”落ち着いて走れ”と言い聞かせ、彼らについていって表彰台争いをしました。ただ、この結果には満足です。また、ここにいる選手たちには祝福を述べたいと思います。今回のレースは簡単ではなかったですからね。」

スティーブン・デイ

「それでは私からは以上です。フロアからの質問をどうぞ。」

Q

「今の感触としてスズキはいつ勝てるでしょうか?」

カル・クラッチロー

 
「あと2.501秒だよな(笑)」
(※横でぼそっと リンス選手とクラッチロー選手のレース終了時のタイム差が2.501秒だったため。)

アレックス・リンス

「(笑)確かに。今シーズンは本当に懸命にプレシーズンの努力を重ねてきました。自分達は大きく向上しましたし、自分も経験を積みました。昨年は怪我もあって本当に苦戦したんです。ただ、こうして良い形で作業が出来たことを嬉しく思っています。勝利はどこで達成出来るかわかりません。ただ、間違いなく近くだと言えるでしょう。

 

Q

「今は契約の話が色々と出ていますが、今日のような日があるとスズキに残りたいと思いますか?」

アレックス・リンス

「そうですね。スズキにとっても昨年自分は多くのレースに出場出来ませんでしたし、スズキの皆の事は家族のように感じています。今回レースを終えて契約の話もスタート出来るでしょう。何が起きるかはわかりませんが、もしスズキで走ることが出来れば非常に嬉しいですね。

 

Q

「今週は始めからかなり自信があったと話していました。ストレートでヨハンのバイクも簡単にオーバーテイクしていました。これは今年のホンダのバイクが非常に良いからなのでしょうか?それでこうした走りが出来ているのですか?」

カル・クラッチロー

「皆さんも知ってのとおりホンダは素晴らしいバイクです。ただ昨年のエンジンは今年のものほど速くはありませんでした。ホンダにはもう少しパワーを出してくれとずっと言っていたんです。エンジンが強力になったことで、競争力の高い走りをしやすくなりました。昨年は自分達がいかにコーナーで無理をしていたか知っているでしょう。コーナーでホンダのライダー達は他のメーカーの選手達よりもずっと激しくプッシュしていたんです。」

「ただエンジンが強力になったことで、今年ホンダのライダー達はリスクをそこまで冒さずに競争力の高い走りが出来ています。ただ、そのせいでバイクをよりしっかりと操ってやるという必要が出てきました。さらにパワフルになれば、よりこういった問題が増幅されます。コーナーの中ではリスクをそこまで取らないことが必要だと思いますが、向きを変えたり、コーナー間の加速に関しては昨年よりも難しくなっているんです。ストレートに関しては明らかに昨年よりパワーが出ています。その必要があればヨハンのバイクを簡単にオーバーテイクすることが出来るんです。ただ、エンジンパワーはあくまでツールの1つです。ストレートに関しては、ホンダは最速のバイクだとは思っていません。メーカーとして作業を続けることが必要です。ライダーそしてチームとして作業をして、エンジンやバイクを強力にしていくことが必要です。」

 

Q

「素晴らしいレースをありがとうございました。今日はかなり後ろからのスタートだったと思いますが、これは勝てると感じた瞬間はあったのでしょうか?」

カル・クラッチロー

正直言うとそれはグリッドでバイクに跨った時ですね。もしレースに勝てないと思っていたら、ガレージから出てこなかったでしょう。というのも、そういったメンタリティーが必要であって、そういう気持ち無しには勝てませんし、レースを追えることも出来ないでしょう。アルゼンチンに来た時点で、表彰台獲得、もしくは優勝も可能性があると思っていました。ですからグリッドでも同じ事を考えていました。」

「確かにマルクがいたら難しいレースになったでしょう。彼はあらゆるコンディションで速かったわけですから。ただ、最後に勝ったのは自分です。優勝出来ると自分で信じることが必要なんです。そうでなければ優勝は出来ません。もちろんここにいる他の選手達も優勝を信じていたでしょう。良いスタートの後に4位から6位の中で走行し、バトルをする中で”今日は絶対に勝つことが出来る”と思いました。ですから、後は自分の手の内を必要な時に見せるだけでした。」

 

Q

「レースディレクションがレース開始を15分程度遅らせ、ジャックが5列前からスタートしたのは正しい判断だったと思いますか?」

カル・クラッチロー

まぁ、自分は優勝したわけですから、最高の判断だったと思いますよ(笑)(※会場爆笑)正直どうでもいいですね。結局はね。。(※自分が優勝したので)ただジャックはあれだけ差があったんだから優勝出来るはずでしたよね。ただ。あれだけのライダーが一斉にグリッドからいなくなると、流石に一人ではレースは出来ませんからね(笑)今回のように何かの手段を取る必要があったでしょう、ただ、彼は彼のカードを切ったわけです。(※最初からスリックを履いたということ)もしかしたら彼が先にスタートして皆が待つべきだったのかもしれません。自分もルールを完全に理解してませんし、単純にあの状況に腹を立てていました。自分は今夜7時の飛行機に乗りたかったんですが、レースが遅れたことで間に合わなくなってしまいましたからね。」(※カルのことですから、ジョークでしょう。)

ヨハン・ザルコ

「スリックでスタートする準備が出来ていたのは彼だけでした。彼はその決断をすぐにしました。通常のスタートの5分後に雨があったわけですが、すぐに路面が乾いていきました。(ほぼ)すべてのライダーがピットレーンに戻ったわけですから、レース開始を遅らせたのは正しい判断だったでしょう。ただ、今回はこの判断で優勝争いが出来てラッキーでした。(※レース開始が遅れたこと)そうでなければ、全員がピットレーンからのスタートとなり、転倒も多かったでしょうし。ジャックは優勝出来ていたかもしれませんが、結果的には自分達にとっては良い決断でした。あれも安全上の問題があったということですから、まぁ自分達にとっては良い1日だったということでしょう。」

アレックス・リンス

「レースディレクションは正しい決断をしたと思いますね。SNSでもあのグリッドの状態について、いろいろなジョークが飛び交っていました。とても素晴らしい仕事をしたんじゃないでしょうか。」

 

Q

「ダニとの間には何があったのか、もう少し詳しく教えて下さい。」

ヨハン・ザルコ

「ジャックとマルクがレースをリードしているのが見えましたが、彼らはダニよりも良いペースでした。ダニはレース序盤は安全運転であることがありますが、自分はトップ2人についていくチャンスを逃したくなかったんです。ですからターン13で彼をオーバーテイクするという決断をすぐにしました。そこにはレーシングラインと、内側にドライのラインがあり、自分はその内側のドライのラインを使用してオーバーテイクをしました。その状態でコーナーに進入すると立ち上がりでは少しワイドになってしまうんです。

問題はワイドになった先の路面がウェットだということで、そこで自分は転倒を避けるためにバイクを少し起こしたんです。もし自分があそこで転倒したら、ダニも巻き沿いにしてしまいますからね。自分はウェットパッチで転倒しなかったんですが、彼があそこで転倒したのは知りませんでした。自分が考えていたのはそこでアレックスに抜かれたということで、ダニは後ろにいると思っていたんです。彼があそこでウェットパッチに乗ってしまったのは残念でした。」

スティーブン・デイ

「それでは皆さんありがとうございました。」



(Photo courtesy of michelin, Pramac Racing)

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