★MotoGP2018 スズキがロレンソを獲得するにあたっての3つの大きな問題

情報の真偽は定かではありませんが、スズキは既にアレックス・リンスと2019年以降の契約を交わしたとされています。実際にリンスも決勝プレスカンファレンスの場において、「こういった結果が出てくると、スズキで走っていきたいと思うか?」という質問に対し「スズキの皆の事は家族のように感じています。今回レースを終えて契約の話もスタート出来るでしょう。何が起きるかはわかりませんが、もしスズキで走ることが出来れば非常に嬉しい。」と語っています。

Sponsored Link

一方のイアンノーネに関しては、残念ながら2017年にDucatiからエースライダーとして加入して以来、目立った結果を残すことが出来ていません。また、昨年にはケヴィン・シュワンツ御大から名指しで「手抜きをしている」と批判をされる始末。昨年はランキング13位に終わり、アルゼンチンGPではリンスが初の表彰台を獲得する中、8位となっています。

現段階でスズキとイアンノーネの契約更新が噂レベルでも出てこないことから考えて、スズキはイアンノーネの代わりに、リンスのチームメイトとして経験豊富なライダーを迎えいれたいと考えていることでしょう。このライダーが誰なのか?という事ですが、スズキがイアンノーネの後釜として2019年からエースライダーに迎えたいと考えているのは、Ducatiで苦戦が続くホルへ・ロレンソ、テック3で素晴らしいパフォーマンスを発揮し、来季はファクトリーシートを獲得したいと考えているヨハン・ザルコの2名と言われています。

両ライダーの特徴は「ウルトラスムーズ」と形容される滑らかな走り、コーナリングスピードの高さですが、スズキのGSX-RRもスズキがMotoGPに復帰をした2015年の段階からコーナリングスピードには定評がありました。また、スズキからヤマハに乗り換えたビニャーレスが乗り換えにさほど苦労していなかった点からも、ヤマハで圧倒的な強さを誇ったロレンソにとってもGSX-RRは乗りやすいバイクであると言えるでしょうし、現在サテライト機のM1でファクトリーの2人を優雅する走りを披露しているザルコも、乗り換え直後からの活躍が期待されます。また、もう1つバイクの特徴として、スズキのGSX-RRもヤマハのM1と同様にクロスプレーンクランクシャフトを使用していることは有名な話です。

スズキのGSX-RRにライディングスタイルが合うと考えられているロレンソ、ザルコですが、ザルコに関しては来年からテック3が使用する事になるKTMとの契約がまとまりかけているという噂もありますし、ペドロサの代わりにレプソルホンダに加入するのでは?という噂も出ています。一方のロレンソは2017年にDucatiに移籍。しかし、Ducatiがワールドタイトルを獲得するために大枚をはたいて契約に漕ぎ着けたものの、Ducatiへの適合に予想以上に苦戦、現在もレースでは満足のいく結果が出せていません。

以上を踏まえた上で、2019年シーズンにスズキがロレンソを獲得するにあたって問題となるのは大きく3つであると言えます。

ロレンソがどの程度の契約金カットに納得するか

1つはロレンソがスズキに移籍する場合は、その契約金は間違いなく今までDucatiで得ていたほどのものではなくなるということ。ロレンソがDucatiに加入した際の契約では、その契約金額は年俸1200万ユーロ(※約15億8700万円)だったと言われています。しかしDucatiで結果を残せておらず、Ducatiにとってのエースライダーがアンドレア・ドヴィツィオーゾになっている現状を踏まえると、ロレンソがDucatiと再契約を結ぶ場合でも、その年俸は大幅にカットされる事が予想されています。

しかし、メーカーとしても倹約体質で知られるスズキが、ロレンソとの契約の際に、Ducatiから年俸の大幅カットということで提示された条件以上の金額を出せるのか?というと疑問が残るところでしょう。もちろんライダーも契約金を得るためではなく、レースで勝利しMotoGPチャンピオンになるために走っているわけですが、その生活がかかっているということも事実。スズキにとってもロレンソほどの有力選手を獲得出来るチャンスは今回を逃すと当分訪れないと言えますので、厳しい台所事情の中でどこまでの金額を提示出来るのかというのは大きなポイントです。

 

世界タイトルを獲得出来るポテンシャルのバイクだと思えるか

MotoGPに参戦している全てのライダーにとっての目標はMotoGPクラスで世界チャンピオンになるということです。その中ですべてのライダーがマシンの戦闘力、マシン特性と自身のライディングスタイルの一致度、チーム体制、契約金など様々な要素を考えながら、各チームと契約交渉を行っていきますが、スズキのGSX-RRの場合は問題となるのがその戦闘力。ホンダ、ヤマハ、そしてDucatiと比較した場合には明らかにストレートスピードに劣り、ここ一発の速さも無いように見えてしまいます。

しかしポジティブな話題としては、アルゼンチンGPではリンスが表彰台を獲得しており、そのレース内容もほとんどレプソルホンダのファクトリーバイクと変わらないとされるLCRのクラッチロー、1年落ちながら高い戦闘力を誇るテック3のザルコのM1と互角のバトルを展開しました。今後のリンスの成長にも依る部分は大きいですが、アメリカGP、そしてヨーロッパラウンドの序盤戦でスズキが良い結果を残せるか否か、前述の通りDucatiほどの契約金額を提示出来ないであろうスズキにとっては、マシンの戦闘力が契約金の魅力を上回っていることは、ロレンソに限らず、有力選手を獲得するにあたって非常に重要です。

 

ロレンソの「Ducatiで結果を残す」という信念に変化が訪れるか

スズキがロレンソを獲得するにあたって、契約金、バイクの戦闘力よりも難しい問題はロレンソの心の持ちようでしょう。ロレンソはアルゼンチンGPの後にも”Ducatiとロレンソというカップルが上手くいくように全力を尽くす”と語っています。また、ヤマハからDucatiへの移籍時も多くの懐疑的な意見をものともせずに”ロッシに出来なかったことを成し遂げる”という決意とともにDucatiへ移籍をしたわけで、ここで諦めるのはロレンソの性格からして考えにくいでしょう。

しかしそうは言っても、結果を出さないことにはDucatiではセカンドライダー待遇が続くでしょうし、(※Ducatiは公式会見としてファースト、セカンドライダーは存在しないとしていますが。。)いつまでたっても勝てない、表彰台に乗れないのでは、Ducatiとしても高い契約金を用意する必要がありません。Ducatiは両ライダーとの契約更新の優先度が高いと繰り返し語っていますが、スズキのイアンノーネと同様に、ロレンソとDucatiの契約交渉も特に動きはないようです。

いずれにせよ、ライダーとチームの契約交渉はその時期がどんどん早まっていることを考えても、次戦のアメリカGPを終えて、スペインGP、ル・マンGPを終える頃には、殆どのファクトリーシートが埋まっていくことが予想されます。果たしてスズキはホルへ・ロレンソ獲得の千載一遇の好機を掴むことが出来るのでしょうか。。

(Photo courtesy of michelin)

この記事が約に立ったら
「いいね!」お願いします!

Twitter で
Sponsored Link