日曜午後12時20分(日本時間午後7時20分)にスタートした決勝レースで、NTS RW RACING GP のジョー・ロバーツとスティーヴン・オデンダールは、ポイント獲得圏内にあともう少しで迫るスリルに満ちたレースを展開しました。今回も惜しくもチャンピオンシップポイントを逃しましたが、このフランスGPは両選手の気迫に満ちた走りが印象に残る一戦になりました。

6列目17番グリッドからスタートしたロバーツは、レース序盤からポイント圏内を走行し、力強いライディングで経験豊富なライバル選手たちと激しいバトルを繰り広げました。グランプリ参戦初年度のライダーがグランプリ参戦初年度のNTSシャシーを駆ってトップ15を争う姿は、ライダーとマシン双方の高いポテンシャルを充分にアピールしましたが、惜しくも19周目の8コーナーで、些細なミスからフロントを切れ込ませ、転倒を喫してしまいました。ロバーツは即座にレースへ復帰し、19位で完走を果たしました。

一方、9列目25番手の決勝グリッドについたオデンダールは、序盤から安定したペースで走行し、着実にポジションを上げてゆきました。しかし、トップ15の位置にはわずかに及ばず、17位でチェッカーフラッグを受けました。第6戦イタリアGPは、6月1日(金)午前にフリー走行1回目がスタートします。

スティーヴン・オデンダール

(17位完走)
「厳しいレースで、ポイントを獲得できなかったのは残念だけど、最後まで完走して貴重なデータを収集できたのは、NTSプロジェクトの今後のためにも非常に有意義だと思う。あと0.3秒速いラップを刻めていればポイント圏内に届いていただけに、今日のリザルトはとても悔しい。レースでは、無理をしすぎて転倒しないように気をつけながら可能な限り攻め続け、がんばってくれるチームのためにもバイクを無事にチェッカーフラッグまで届けることに専念していたんだ。明日の月曜は、ここで一日テストを実施する予定だ。全員で力を合わせていい内容のテストにし、次戦に向けていい流れを作っていくよ」

ジョー・ロバーツ

(19位完走:転倒後再スタート)
「今日のレースではスタートで少し失敗してしまったけど、そこから着実に挽回し、さらにどんどんポジションを上げて14番手まで浮上できたんだ。その先も、ずっと上位ライダーと同様の1分37秒台で安定して周回することができた。トップテンが目の前に見えてきて、サム・ロウズ選手やエクトル・バルベラ選手などの経験豊富なライダーたちとバトルをしているときの気分は最高だったよ。でも、その最中にバックストレート手前の8コーナーでフロントが切れ込んで転倒してしまった。前にいる選手たちを追いかけようとして、少し気持ちが急いてしまったのかもしれない。軽はずみな失敗をせずにしっかり安定したペースで走ろうと自分に言い聞かせていただけに、本当に悔しく、残念だ。でも、全力を尽くして走ったことで、僕たちのポテンシャルを示すことはできたと思う。これからもNTSとチームのスタッフ全員で力を合わせ、いい結果を目指してがんばり続けるよ」

ヤルノ・ヤンセン(チームマネージャー)

「今日のレースで、ジョーは序盤からポジションを3つも上げて、素晴らしい走りを披露してくれました。ポイント獲得圏内でずっと争い続けてくれたので、彼のバトルをわくわくしながら見ていました。転倒がなければ、トップテンに迫る12位あたりで終えることもできていたでしょう。この結果は残念ですが、些細なミスが命取りになる世界選手権のレベルの高さをまたしても痛感したことで、我々はさらにモチベーションが高まりました。ジョーはデビューイヤーで、今はたくさん学び、吸収することが大切な時期です。今回の失敗にくじけず、これからもどんどん挑戦を続けてほしいと思います。この経験が、彼をさらに強いライダーにすることは間違いないのですから。スティーヴンは、安定感の高い走りを披露してくれましたが、ポイント獲得まではあと0.3~0.4秒ほどペースが足りませんでした。しかし、今回の17位は決して悪い結果ではないと思います。スティーヴンも、今後のレースでどんどん強さを発揮してくれるでしょう」

(Source: NTS)

(Photo courtesy of NTS)