ソフトタイヤの選択の重要性、またバイクに施した3mmの変更で走りの内容が大きく変わったと語るダニロ・ペトルッチ。Ducatiファクトリー加入のオプションの期限は6月末までとのことで、今週末のムジェロの結果が何よりも重要になります。

ダニロ・ペトルッチ

「素晴らしいレースでした。昨日お話したように自分はスタートが苦手なので、スタートしていくつかコーナーを終えた段階で5位になっていました。しかもその後ミスをしたことでトラックの外に出てしまい、マルクとバレに抜かれてしまったんです。ただその後のコーナーでバレがミスをしたことでマルクについて行くことが出来ました。今日はドヴィのほうが速かったとは思うんですが、恐らくミディアムフロントを今日履くという選択は少し安全面で良くないチョイスだったんだと思います。というのも金曜の午後に自分も同様の形で転倒していたんです。ですからミディアムのほうが速いかもしれないと思っていましたが、転倒する可能性があるかもしれないと思っていました。そこで最後まで保たないかもしれないけど、ソフトを選択したんです。そして結果的にこれが良い選択でした。」

「マルクの後ろに楽についていけたとはとても言えませんが(笑)、なんとかギャップを維持して走行することが出来ました。そこまでリスクを冒さずについていけていたんです。ターン3で彼がフロントを失ったの見て”トラブっているのかもしれない。。”と思ったんですが、その後に彼がラップレコードを出していたので、”いや多分気のせいだ。。”と感じました(笑)ただ後ろからはバレンティーノが追ってきていたので、自分もプッシュをしていました。タイヤは良い形で機能していましたね。あと5周という段階で、バレンティーノが2秒後ろ、マルクが2秒前という状況で”今日は優勝を狙うには時間がかかりすぎた”と感じました。そこで”グラベルで終わるよりは2位で終わるほうがいい”と判断しました。今の段階での表彰台獲得は、自分には大きな助けになります。」


「自分でも驚いていますがバイクのフロントを3mm下げただけで大きな違いなんです。280馬力を発生するバイクでわずか3mmの変更で、そのレースウィークの内容が変わり、15位から1位を狙えるまでに変わるんですからね。ほんの少しですが実に大きな違いなんです。レースウィークの中であと1%何かが足りないという話をずっとしていて、見つけたのが3mmの違いだったんです。ただMotoGPの中での3mmというのはここまで大きな違いなんです。本当に嬉しい結果ですが、後は苦戦したオースティンの結果さえ良ければと思っています。その他のレースでは悪い形ではなかったですし、もう少しそこで挽回出来ていればチャンピオンシップにおいてもう少し良い位置だったのにと思います。」

「この結果がDucatiとの将来に影響するか?Ducatiとの将来に関して質問されるのは、これで今週187回目です(笑)これに関しては自分はなんともわかりません。Ducatiは自分のことをよく知っていますしね。Ducatiがライダーを選択する際に直近の4戦、5戦の戦績ではなく、過去2シーズンくらいで判断してくれることを願っています。確かに今回の結果は将来に関して約に立つでしょう。自分にも別の選択肢がありますが、Ducatiとのオプション契約が6月の終わりまであるんです。ですからDucatiが判断するまで6月の終わりまで待つ必要があります。そこでDucatiの回答がYesかNoかを知ってから、(※Noだった場合)周囲を見渡すことになるでしょう。ただ、現時点ではこの結果というのはDucatiとの将来には役立ったといえるでしょうね。」

「自分の目標は常にレースでベストを尽くすことです。ただ、ファクトリーDucatiに勝つというのは常に重要なことです。それにホルヘは何度もチャンピオンシップ優勝している素晴らしいライダーです。思うにDucatiのバイクというのはホルヘには100%合うということはないんじゃないでしょうか。自分はこのバイクについては少なくとも3年前から知っています。自分がPramacに初めて加入したときはGP14に乗りましたが、あれはホントに古いバイクでした。Ducatiが恐らく自分かジャックを選ぶかもという話は、冗談でもなんでもなく、自分たちの給料はホルヘに比べて(破格に)安いからというのは本当なんです。そうした理由からDucatiは自分たちを選ぶんじゃないかと思います。」

「昨年はいくつかのレースでヤマハやDucatiと比較してもう少し苦戦している場面がありました。ですからそれもあって優勝争いは最後まで続いたんです。今年はホンダのほうが一歩前に進んでいる印象があります。マルクはバイクに乗るのを非常に楽しんでいますし、他のホンダは今日は自分からはかなり離れたところを走っていました。ですから今年のホンダが確かに速いのかもしれませんが、現時点では彼のほうがバイクを上手に乗りこなしていると言えるでしょうね。ですから今マルクを誰かが止めることができるか?というのはなんとも言えません。それにわずか5戦の段階で36ポイントも彼はポイントをリードしているんですからね。今日のドヴィは彼と優勝争いが出来たのかもしれませんが、彼がレースをリードしていたのは序盤だけでしたからなんとも言えませんね。」

(Photo courtesy of michelin)