★MotoGP2018 ホルへ・ロレンソのHRC移籍の背景にあったこと

マヌエル・ペシーノ氏のホルへ・ロレンソのレプソルホンダへの移籍の背後関係に関する記事をご紹介します。来年はマルケス/ロレンソという、ロッシ/ロレンソと同等クラスの超強力チームが生まれることとなります。

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「ホンダがホルへ・ロレンソと契約」というMotoGPにとって衝撃の発表があった時、ロレンソのレプソルがメインスポンサーを務めるファクトリーチームでこの先2年走るという決断に「なんて素晴らしい動きだ!」と感じた人が多かっただろう。皆がホルへ・ロレンソの将来はヤマハに出戻ることになるのかと思っていた矢先、彼はDucatiからホンダの移籍を実現させた。この素晴らしい動きはロレンソの決心によるもので、彼は自分が望まない方向性を受け入れなかった。そして彼は自らの将来を自らの意志でコントロールし、電話を取りHRCに連絡をしたわけだ。

過去1年半はロレンソにとって楽なものではなかった。十数億円に及ぶ彼の契約金と彼のDucatiへの移籍によるDucatiガレージ内の期待は全く満たされることなく、独特な特性を持ったDucatiへのロレンソの適応は進まず、実際問題として、時間がかかり過ぎた。チームメイトのアンドレア・ドヴィツィオーゾが成功を1つ、また1つと重ねる中、ロレンソは同じバイクで苦戦を続けた。

1200万ユーロを超える契約金のライダーと100万ユーロの契約金のライダーとが比較されるという事態は避けられず、それまでロレンソに注がれていたDucatiの関心と集中は、実際に勝利しチャンピオンシップ争いをするライダーであるドヴィツィオーゾに向かっていった。ホルへ・ロレンソの気難しい性格は、さらに彼を孤立させ、本来ロレンソに期待されていた役割についても、Ducatiは懐疑的に考えるようになった。

今シーズンの始まり方に関しても良い方向性にはならず、ロレンソのGP18への適応は逆方向に向かっているように思えた。そして契約更新の話が始まると、ロレンソがDucatiで継続して戦っていくということに関して疑問が囁かれるようになった。チームとライダーは6月末を将来を話し合うデッドラインと定めていたが、過去数週間にDucatiが発していたメッセージは、明らかに契約更新はないというものだった。

こうしたことから、ロレンソと彼のマネージャーは別の可能性を探し始める。最初に彼らが接触したのはホンダだったが、ロレンソはホンダはロレンソに関心は全く無いと聞かされた。次がスズキだ。ロレンソがスズキに加入するという話はかなりの関心を呼び交渉がスタートした。ただDucatiで素晴らしいパフォーマンスを残してDucatiに残るという可能性も残されていた。これはロレンソが「自分の価値を高めるためにも良い結果が必要」と話していた時期だ。しかし、こうした結果はなかなか得られなかった。

過去ロレンソが最も成功を収めているル・マンでの失態の後、ロレンソの評価は地に落ちた。彼の「競争力を発揮する」ための努力は実らず、彼のDucati残留の望みはほぼゼロとなった。そしてスズキへの移籍という可能性も薄くなりつつある中、フランスGPの後ロレンソは士気を落とし、シーズン末での引退も検討していた。しかし、ル・マンとムジェロの間の2週間で自体は好転する。

状況を把握したドルナがロレンソに連絡。マレーシアの大手石油会社ペトロナスがヤマハをサポートするという話が出てきた。これはロレンソがMotoGPデビュー以来走っていたファクトリーチームではないが、彼も良く知るバイクでの良いチームとなるはずだった。再びロレンソにも日が差したのだ。

しかし、これはロレンソにとっては不十分だった。サテライトチームでライディングするということに彼は納得がいかなかった。彼はホルへ・ロレンソで、5度の世界タイトル保持者、MotoGP3冠の選手だ。彼は今でも自分の才能、MotoGPバイクを乗りこなすという才能を信じていた。正しい道具があれば競争力を発揮出来るはずだと。「もう一度ホンダに聞いてみないか?」彼はマネージャーに尋ねた。

この時はイタリアGPの前で、ロレンソはHRCのチームマネージャーであるアルベルト・プーチに電話をした。ロレンソは状況の説明をしたが、結果が出ていない状況であり、ロレンソのモチベーションは最高潮に達していた。そしてロレンソはDucatiでは成し遂げていない目標をホンダで成し遂げるのだというコミットメントが本当であるとプーチを納得させた。

プーチはロレンソに日本のボスに聞いてみると約束した。その時点でプーチはダニ・ペドロサとの契約更新は無いと伝えられており、パドックの中でも最強のチームが生まれる余地が出来上がっていた。HRCのトップマネジメントは、プーチが伝えた革新的なプロジェクトにグリーンライトを灯した。そして最終的な交渉がイタリアGPの中で行われたのだ。

2日後にロレンソはDucatiで初となるMotoGPクラス優勝を達成。ホンダは31歳のスペイン人が今後2シーズンに渡りマルク・マルケスのチームメイトになると発表。ロレンソは困難な状況から最高の結果を手に入れたのだ。

(Source: cycleworld)

(Photo courtesy of michelin, Ducati)

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