今回のホルへ・ロレンソのカタルーニャGPにおけるラップタイムは、24周のレース全体を通して1周目、最終ラップ以外は1’40秒台という、驚異のコンスタントさでしたが、実際に表彰台を獲得した上位3選手のタイムを比較すると何が言えるか?ということで簡単な比較データを作成しました。(※ロレンソがレッド、マルケスはオレンジ、ロッシはブルーで表示、ロレンソのみデータラベルを入れています。)


これを見ると、ロレンソが序盤からマルケス、ロッシを引き離す展開であったことが伺えますが、マルケスも序盤7周目ほどはロレンソに匹敵するタイムで走行していたことがわかります。しかし、その後8周目以降もコンスタントに1’40フラットに近いタイムで走行を続けるロレンソが、徐々に集団から抜け出してレースをリードしていったことがわかります。

ロレンソは14周目から1’40秒フラット近くから1’40.5付近に一旦ペースを落とし、勝利を確信した22周目以降はさらにペースを落としており、トップスピードで逃げ切る前半、1段階ギアを落とした中盤、勝利を確信した終盤と3段階にペースを調整して走っているようです。

マルケスは10周目付近からロレンソの中盤以降のペースである1’40.5付近のタイムで20周目まで走行しており、プレスカンファレンスでも語っていたように、レース終盤は追いつくことよりも20ポイント獲得を優先してペースを落としています。

コンスタントさということでいうと、実はレース序盤から終盤までタイムの振れ幅が小さかったのはロッシだということがわかり、プレスカンファレンスでも語っていたとおり、ロレンソ、マルケスほどのペースでは走行出来ていないことも伺えます。

なお、全24周の平均ラップタイムはそれぞれ、ロレンソ1’40.565、マルケス1’40.751、ロッシ1’40.819となっています。

なお、実際には1’40秒台で24周のほぼすべてを走行していたのはロレンソだけではなく、上位3選手に共通して言えることです。こうした長丁場のレースでスタートとゴール以外のラップをほぼすべて1秒以内に収め、なおかつその中でも0.1秒単位でタイムを調整しているGPライダーというのは、本当に凄いと感じさせるデータです。

(Photo courtesy of michelin)