★MotoGP2018オランダGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

大接戦が繰り広げられたオランダGPの決勝プレスカンファレンスです。トップ集団でのレースが続いた背景には、とにかく強かった風の影響が大きかったようで、トップに立つと風の影響でペースが上がらず、オーバーテイクをしかけようとするとすぐさま後続の選手に仕掛けられるというレースだったとのこと。

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スティーブン・デイ

「今日は本当に素晴らしいバトルでした。こういったレースでこそ優勝したいのだというのが、あなたの感情が爆発している様子から伺えました。色々な事が起きた物凄いレースでした。楽しかったでしょうね。」

マルク・マルケス

「もちろんです。なんと表現したらいいのかわかりませんが、本当にクレイジーなレースでした。大きなグループで皆がバトルをし合っている状態でした。素晴らしいバトルでしたが、トラック上のコンディションは非常に難しく、風が非常に強かったのでバックストレート、高速コーナーでは誰かの後ろにいると楽で、ギャップを作るのが難しい状態でした。今日はとにかくロレンソが強くて、彼がトップで走り、彼を抜いてもすぐさま抜き返されてしまい、練習走行と同じようなリズムでの走行が難しかったんです。ですからまずは待つことにして、その中で様々なバトルがありました。リンス、マーべリック、そのほかの選手ともバトルがありました。ただ最後に自分はクレバーでしたね。最後に持てる力、残りのタイヤを全て使ってギャップを作ろうとしました。その中で2位と0.2秒差というのが見えた中で、ようやく自分のラインで走ることが出来るようになったんです。どういうことかと言うと、ここで速く走るために自分のラインで走行しようとすると、次のコーナーに向けてしっかりと準備をする必要があり、そうしていると後ろのライダーにオーバーテイクされてしまうということなんです。ただ、0.2秒の差が出来たことで、ようやく練習走行と同じラインで走行出来るようになったということなんです。」

 

スティーブン・デイ

「ターン5ではどうやってバイクの上に留まることが出来たのでしょうか?」

マルク・マルケス

自分でもわかりません(笑)後で写真を見ましたけどクレイジーですよね(笑)確かにリンスとの接触はありましたけど、結局は自分のミスなんです。あの時点で自分はアウト側にいましたから、イン側にいるバイクのほうがアドバンテージがあるのは明らかなんです。あそこで接触したことでバイクから落車した状態で、左側の手、足が完全にバイクから離れ、クラッチレバーすらも下を向いてしまいました。ですからその後のストレートでクラッチレバーの位置を調整する必要があったんです。クレイジーでした。その後はマーべリックとターン9でのバトルもありました。あそこで接触があったことで完全に右腕がバイクから離れてブレーキをリリースしてしまったんです。それでトラックの外に飛び出してしまいました。非常に難しいレースでしたけど、最終的にはクレバーで集中していました。正確な操作が出来たと思います。」

 

スティーブン・デイ

「これでチャンピオンシップにおいて大きなリードを広げることになりました。そして次はあなたが愛するザクセンリンクです。」

マルク・マルケス

「ここではバレンティーノとビニャーレスが非常に強いだろうと思っていました。確かに彼らも強かったですが、自分達はさらに強かったわけです。これが重要なことで、自分たちが通常苦戦するところで彼らより強かったわけです。フィニッシュラインを通過した時は本当にアドレナリンが爆発する感じでしたが、スクリーンを見るとリンスが2位だったのでさらに嬉しかったんです。これで自分のアドバンテージはさらに大きくなったわけですからね。」

 

スティーブン・デイ

「ありがとう。それではリンス、これでMotoGP最高の結果を得たわけですが、あなたの喜びはパルクフェルメで十分に伝わってきました。」

アレックス・リンス

「そうですね。今回は自分のMotoGPのキャリアの中でも最も難しい1戦でした。昨日の時点から多くのライダー達がフロントで争う厳しいレースになるだろうと思っていました。ただ良い形でコントロールが出来ました。レース中盤ではプッシュをしようとして、残り10周で4位か5位で、フロントグループは少し前にいる状態でしたが、自分は彼らに追いつこうと自分のリズムを守って走行しようと心がけていました。そして表彰台で完走することが出来たわけです。今日は多くのオーバーテイクがある素晴らしいレースで十分に楽しむことが出来ました。」

 

スティーブン・デイ

「今日はターン5でマルクとのバトルもありましたし、全体で多くのライダー達とのバトルがありました。」

アレックス・リンス

「自分がマルクをオーバーテイクする2周、3周前にマルクがあのコーナーで非常に強く、多くの選手をオーバーテイクしているのを見ていました。自分も良い感触があったので”よし自分もやってみよう”と思ったんです。ですからブレーキをリリースしてあそこでオーバーテイクしたんです。ただ、次の周に彼に同じ場所で抜かれ、”ワオ!”と思い、これは凄いレースになると思っていました。その後はマーベリックともバトルがありましたし、ドヴィツィオーゾを始め多くのライダーとバトルがありました。最高でしたね。」

 

スティーブン・デイ

「アレックスありがとう。マーべリック、今日は優勝出来ず残念でしょうが、素晴らしいレースでオースティン以来となる表彰台でした。トップグループに追いついてからはターン7、8、9で物凄いスピードでしたね。本当に凄いレースでした。」

マーべリック・ビニャーレス

「ええ、凄いレースでした。残念ながら最終ラップにコース外に出てしまい優勝争いは出来ませんでしたが、嬉しいですね。この週末で多くの自信を取り戻しました。まだ電子制御の改善は必要ですが、レースにおいて多くの改善が出来ました。今日はトップの選手達と走れて良かったですね。改善すべき点がわかりましたし。ただ、バイクはあまり良い状態ではありません。シャーシは素晴らしく高速コーナーにおけるフィーリングは素晴らしいんです。あとは電子制御ですね。いい方向に進んでいますが、まだまだ十分ではありません。まだバイクが最高の状態ではないにも関わらず、トップで走れたということは良いことです。

 

スティーブン・デイ

「今日はフルタンクの状態でも強い走りが出来ていました。自信が持てるようになってきたと言えますか?」

マーべリック・ビニャーレス

今日はフルタンクで良い感触で、最終ラップの時点より良い感触でしたね(笑)バイクをしっかりと1周目に合わせて作ってきたんです。序盤に強さを感じて多くのライダーをオーバーテイク出来るのは良い気分です。多くの接触がありましたけど、良い方向だと思います。次のレースが待ち遠しいですね。」
 

スティーブン・デイ

「ありがとう。それではフロアからの質問をどうぞ。」

 

Q

「まるでビデオゲームのようなバトルでした。今日はかなりフィジカルなレースに見えたのですが、実際はどうだったのでしょうか?」

マルク・マルケス

フィジカル面では実際そこまで難しいレースではなかったんです。今日難しかったのはアタックしながら同時にディフェンスをすることだったんです。というのも誰かを抜こうと準備をしていると、そこを狙われるような状態だったんですよ。ですから今日リンスに抜かれた時は、コーナーの後にロレンソのスリップストリームについて彼を抜くための準備をしていた時だったんです。アタックの準備をすると、他の誰かにオーバーテイクされるという状況でした。ですからアタックとディフェンスを同時にしなければならず、集中力を維持するのが非常に難しかったんです。ただ最後の5周は全てを出し切って走ったので、本当に難しかったですね。ですから最終ラップは少し疲れてしまいました。でも練習走行では常にコンスタントに走行出来ていましたから、大きな問題ではありませんでした。」

 

Q

「マルクあなたが今日ソフトタイヤを履いたのは、過去のレースから考えて驚きでしたし、マーベリックはヤマハが過去に苦戦したソフトを履いていました。アレックスはハードは最後になってあまり良いタイヤではないのかと思っていたのですが、良いレースをしていました。アスファルトとタイヤの関係というのはどういったものだったのでしょうか?」

マルク・マルケス

「確かに妙ですね。通常は自分達はハードを履いて皆がソフトですから。そして今日は皆がハードで自分達はソフトという状況でした。ただ今回のアロケーションを注意深く見ていくと、ソフトタイヤのほうが、あるポイントでハードタイヤよりもハードだったんです。理解が難しいと思いますがそういうことなんです。ですから、こういった理由で自分はソフトを選んだわけです。ソフトのほうがいくつかのコーナーで良い感触で、ハードでも良い走りが出来たんですが、ハードのほうがタイヤの摩耗が大きいと感じたわけです。」

アレックス・リンス

「自分の場合はハードのほうが良い感触で、昨日の予選では1周のタイムを出すため、早く暖まるほうのタイヤということでタイヤ選択をしていました。多くのライダー達がソフトタイヤ、ハードタイヤで走行していて妙な形でしたけど、自分はハードのほうがグリップとスピンをコントロールするのが容易だったんです。」

マーべリック・ビニャーレス

フィーリングが全てなんです。タイヤは今非常に良い性能です。特にミシュランのリアは素晴らしいグリップがあってコンスタントなんです。ですから後はフィーリングなんですよね。もう少し旋回性が欲しいのか安定性が欲しいのかということです。ハードもソフトも素晴らしいタイヤで、自分もFP2でハードを試しましたけど良い感触でしたしね。ですからタイヤ選択は今回は完全にフィーリングの問題でした。」

 

Q

「今日は本当に素晴らしいレースでしたが、なぜ今回ここまで接近した戦いになったのでしょうか?これはレイアウトの問題なのか、タイヤなのか、風なのか、コンディションなのでしょうか?」

マルク・マルケス

コンディション、特に風ですね。チームとレース前に話していたんですが、自分は今回データ上は他の誰よりも良いペースでしたが、今日ギャップを作るのは難しいと思うと話していました。このトラックでは誰かの後ろにいたほうが楽で、しかも今回は風が強かったのもあって、高速コーナーなどでは目一杯開けていてもスピードは変わらない状態だったんです。ですからギャップを作るのが難しく、ロレンソがレースをリードしていましたが難しい状態でした。ですからやはり風の要因が大きかったですね。」

アレックス・リンス

「自分はやはり今回は高速コーナーが多いトラックの作り、そして風によるものだと思います。これが多くの先頭で走るライダーにとっての問題だったんです。ただ、こういうレースのほうが面白いですよね。フフッ(※不敵な笑み)」

マーべリック・ビニャーレス

「ここは高速コースですから、前にライダーがいるとラップタイムを出しやすいんです。そしてこの強い風がこうした接近したレースを生み出した原因の1つでしょう。誰かの後ろにいると楽ですからね。トップで走るとあちこちでワイドになってしまったり、バイクが動き回ってしまって大変だったんです。この風がグループを接近させていたんでしょう。

 

Q

「マルク、これから2戦得意とするトラックに大きなポイントのリードを持って挑むわけですが、これで少し一息つけるということなのでしょうか?またマーべリック、ここでは過去にヤマハが強い走りをしていましたが、トラックレイアウトがこうした良いレースを生み出すことの助けになっていた部分はあるのでしょうか?それによってヤマハが抱える問題を隠していたとも言えますか?」

マルク・マルケス

「今日はレースの前にはここで少しポイントを失うことになるかもしれないと思っていました。ただ逆にここでポイントをさらに獲得出来たわけです。ということはこれは安心できるかというと全く逆で、引き続きアタックを続ける必要があるんです。大きな差がある状況ですが、まだ十分ではありません。こうしたメンタルを持って同じレベルで戦っていく必要があります。ここは過去にヤマハが強かったサーキットで自分は苦戦していました。ただ今回はトップで走行出来、そしてレースよりもむしろ練習走行で良い形で走行することが出来ました。そしてレースの中でも最後にリードを築いた後は1’34秒台後半で走行が出来ました。これがもっとも重要なことだと思います。」

マーべリック・ビニャーレス

トラックに助けられた面は大きかったでしょう。ここアッセンではどうやったら速く走ることが出来るかという事がわかっています。いずれにしても問題が解決されることを望んでいます。まだ電子制御の面では改善が必要なんです。ライバルと比較するとまだ離されていますから。ただ良い方向に進んでいますし、今週の作業内容は正しい方向性だったと思います。1周のタイムではなくレースペースを意識して作業を行ったんです。通常は自分達は予選でレースよりも良いペースで走行しているんですが、今回はそれが全く逆でした。ですからこうした形で作業を続けてステップ・バイ・ステップで前に進んでいく必要があります。夏休みの間にヤマハが大きく改善を進めてくれることを願っています。それでタイトル争いが出来るようになればと思っています。」

 

Q

「レースをリードしている中で、これは勝てると思った瞬間があったのでしょうか?またロレンソとロッシの接触の背景に何があったのかわかりますか?」

マルク・マルケス

「ロッシとロレンソの接触に関しては見ていないのでなんとも言えません。ここでの問題は、序盤に自分もレースをリードしようとしたんですが、ここでは新品タイヤでは皆が速かったんです。これは練習走行や予選でもわかっていたことです。そしてギャップを作ることが難しかったんです。もし理想的な走行ラインを走ろうとすれば、すぐさま他の選手に抜かれてしまうという状況だったんです。残り4周の時点で0.2秒の差が出来たということが非常に重要で、そこで”よし、これで自分のラインで走行出来る”と思い、コーナーの出口を重視したラインで走行して、練習走行と同じラップタイムで走行出来たんです。これが最も重要なことでした。こうやって走行したほうが楽なんですけど、そのほうが速く走れたということで、これが勝利の鍵でした。」(※コーナー出口〜立ち上がりを意識した走行ラインのほうがアクセルを長く開けていられるため、結果的にタイム短縮が出来るということ)

アレックス・リンス

「自分も自分のポジションを維持するのが精一杯で、2人の接触についてはわかりません。」

マーべリック・ビニャーレス

「とにかく出来る限り早めに前に行こうとしていたんです。ですから何が起きたのかは見ていません。ただ、誰かのオーバーテイクを利用して前にいくことばかり考えていました。

 

Q

「こうしてトップ争いをするために、バイク、あなた自身について何を見つけたのでしょうか?また、どのトラックで同じような結果を繰り返すことが出来ると思いますか?」

アレックス・リンス

「実際はカタールから非常に良い走行が出来ているんです。もちろん1位では走行出来ていませんが、フロントグループでは走行が出来ています。ただ小さなミスをして転倒してしまっていたんです。今回は特にですけど、落ち着いて走行するようにしているんです。それにスズキもトップエンドで少しパワーが増したエンジンを投入してくれました。ですから今後のレースではどこでも良い走りが出来るんじゃないかと思っています。金曜は少し苦戦していましたが、全てのレースでベストを尽くそうと思っていましたし、今後のレースでも最大限の力で頑張りたいと思っています。」

 

Q

「ホンダ、ヤマハ、スズキが表彰台を獲得しましたが、今回Ducatiはどうしたのでしょうか?何か言えることはありますか?」

マルク・マルケス

「おそらくここではDucatiはその強みを活かすことが出来なかったのではないでしょうか?彼らのバイクは加速が強烈で、ブレーキングの安定感があります。ここにはあまり強烈なブレーキングポイントがなく、加速に関しても流れるような作りのトラックですからね。ただ、そうしたなかでも今日はロレンソが物凄く強く、トラックのある部分では本当に凄い走りをしていました。ドヴィにしたって強かったと思います。最後にドヴィに何が起きたのかはわかりません。常にレース中はトップにいたわけですから。確かにロレンソが後半少し苦戦していたのはわかりましたけど。でもドヴィのポテンシャルが高いのはわかっていました。正直最後にドヴィが速いだろうということで心配していたんです。そしてスズキ、ヤマハもいました。恐らくこのトラックにおいてはバイクの性能はそこまで重要ではないと思います。ここではいかにレースをコントロールするかということが重要なんだと思います。今回のレース自体はペースが遅く、1’35秒台のレース展開でしたからね。つまり本当に良いペースからは1秒落ちだったわけです。」

 

Q

「今日のようなレースにおいて、マシンとテクニック、またメンタルの部分について教えて下さい。」

マルク・マルケス

「もちろん全てはバランスなんです。もちろんトラックによってはマシンが重要になることもあり、時にはマシンの問題点をライダーがなんとかしてやる必要もあります。ただ、今日のように風が強くスローなレース展開で、皆が異なるタイヤを履いてタイヤマネジメントをしていて、バトルが繰り広げられている状況では、ライダーが違いを生み出すんです。つまりどのようにアタックするか、いつアタックするかといった部分に関して正確である必要があるんです。そしてどこでオーバーテイクするか、いつポジションを守るかを考える必要があります。もちろんバイクの重要性は高いんですけど。。ただMotoGPであってもライダーのほうがマシンよりも重要性が高いんです。

 

Q

「今回本来はDucatiが苦手とするトラックで彼らがここまで強かったということは、今後彼らが強いトラックにおいてはさらに強さを発揮することが予想されるわけですが、これは少しあなたを心配にさせることではありませんか?」

マルク・マルケス

「確かに昨シーズン後半からは彼らはどのトラックでも強いですよね。バレンシアでもそうでしたけど、今や常にフロントグループにDucatiがいます。ただ、同時に自分達の結果を振り返った時に、自分たちの今年の最悪の結果は2位だということです。苦戦しているトラックでも表彰台を獲得出来ているんです。ただ後半戦はDucatiは非常に速いでしょうね。後半戦は彼らが得意としているトラックが数多くあるわけですから。ただ、現時点ではアンドレアは61ポイント差ですからね。良い形でこのポイント差をマネジメントしたいと思います。」

 

Q

「今回良い走りが出来ていましたが、これで18戦、つまり1シーズンヤマハにとって優勝が無い状態となりました。これは恐らくヤマハにとっては2002年から2003年以来となる優勝の無いシーズンになっていると思うのですが、こうした結果はヤマハに大きなアップデートが必要だと思わせるのに十分な結果だと思いますか?」

マーべリック・ビニャーレス

「もしろん自分達もベストを尽くしていてハードに作業をしているんです。そしてレースの中でしっかりと機能するバイクを作ろうと努力をしているんです。昨年は本当に楽に走れました。ただ、今年は特にレースに関してはセットアップが難しいんです。もちろんヤマハも懸命に作業をしてくれるでしょう。ヤマハも自分達も優勝したいと思っているわけですから。ベストを尽くしていきますよ。」

 

スティーブン・デイ

「ありがとうございました。ザクセンリンクで会いましょう。」

(Photo courtesy of michelin)

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