★MotoGP2018オーストリアGP 決勝プレスカンファレンス

 

スティーブン・デイ

「過去7日間あなたがた3名が繰り広げた素晴らしいレースに関して感謝を述べると同時に、今日もまた素晴らしいバトルでした。ホルへ、今日はマルクが先行する難しい展開でしたが、外から見ていてもタイヤをセーブしながらのレースでした。本当に最高の勝利になったと思いますが、先週と同様に素晴らしいファイティングスピリットを発揮しましたね。」

ホルへ・ロレンソ

「ええ。ソフトリアタイヤを使用するという決断は素晴らしい決断でした。最初の10周はタイヤをオーバーヒートさせないようにコントロールする必要がありました。トラックも暑かったですし、タイヤのある部分が非常にソフトであったりしたんです。それに昨日の時点ではマルクとドヴィに対して、0.2秒ほど失っていたセクター3の改善も大きかったですね。午後にビデオを見て自分のボディポジションなどをどうすれば良いのかを研究したんです。これが非常に大きな効果を発揮して、レースの中ではどんどんこのセクターのタイムが上がっていき、昨年はタイムを失っていたこの区間でマルクに追いつく事が出来ました。」

タイヤのマネジメントに関してはマルクが序盤にハードリアでプッシュしていたので、ほとんどセーブ出来ず、セーブ出来たのは3%、5%といった程度でした。しかしこれでタイヤのライフを伸ばし、マルクがブレーキング、そして特に加速でパフォーマンスが落ちてきた時に追いつく事が出来ました。ですから、1.2秒の差から0秒にまで詰めることが出来たんです。問題は彼を抜いた後に、マルクは必ず後ろについてくるということで、彼を抜いた後に最後までバトルになるだろうと思っていました。最終コーナーまでのバトルになりましたね。」

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スティーブン・デイ

「ムジェロの勝利は感動的なものだったでしょうし、カタルーニャも同様のスタイルでの優勝でした。しかしDucatiで新しい勝利をするホルへ・ロレンソが見られています。この勝利はあなたの優勝の中でも価値ある勝利だったのでは?」

ホルへ・ロレンソ

「ええ。自分の勝利経験の中でもベストの1つですね。幸運にもMotoGP、それ以外のクラスでも素晴らしい勝利を重ねてきましたから、ベストと言えるかどうかはわかりません。マルクに勝つのは特別ですし、Ducatiで勝つのもまた特別です。ですからムジェロでのDucati初優勝を別にして、これは本当に素晴らしい優勝でした。特に最終ラップまでマルクというモンスターと戦ったんですから。最終ラップまでブレーキングという自分の強みを活かして戦ったわけです。」

 

スティーブン・デイ

「チャンピオンシップ3位になったというのは嬉しいでしょう。どうやら2位と3位とは接近戦になりそうですね。ル・マンを終えた時点ではランキング14位でしたから、随分と一気に順位を上げました。」

ホルへ・ロレンソ

「もしマルクが5位か6位で終えていれば、ポイント差はもう少し良かったでしょう。ただ彼は優勝出来ない時は2位であるとか、常に表彰台を獲得しています。彼に追いつくことは目標としてはいません。順位を大きく挽回出来ていることは素晴らしいですし、最後まで戦うことは出来るでしょうが、追いつくのは難しいでしょうね。現実的な目標としては、ポイント上は接近しているバレンティーノとチャンピオンシップ2位争いをするってことでしょうか。アンドレアも1ポイント差で抜いたわけですし。ですから目標としては、最後までこのバイクを楽しみ、学び、常に表彰台を争い、優勝争いをしていくということでしょう。」

 

スティーブン・デイ

「ホルヘおめでとう。それではマルク。今日のレースではチャンピオンシップを考えるのではなく、優勝を狙っているのだというのがはっきりとわかりました。今日も全力でしたね。」

マルク・マルケス

「ええ。今日は優勝を目指しました。ブルノでは優勝が難しそうだったので、あそこで優勝を争うのは労力の無駄だと感じたんです。今日は戦略を変えて序盤にプッシュしようとしました。今日の目標としては、レース終盤に1台のDucatiだけと戦うということだったんです。Ducati相手に戦うのは難しいとわかっていましたから。実際に1台だけのDucatiと戦うという目標を達成することは出来ましたね。最後にバトルになるのはドヴィかと思っていましたけど、今回はホルヘでした。いつもと同じように全力でしたけど、全てのショートストレートでホルヘは自分をオーバーテイク出来る状態でしたから、ディフェンスは非常に難しかったです。」

「そういった中でもなんとかレースをリードしようとして、最終ラップはなんとか前に出ようとしました。彼にメインストレートで抜かれ、ターン3でオーバーテイクを仕掛けました。そこで両輪がスライドして転倒しそうになったんです。どうやって転倒せずに済んだのかわかりませんが(笑)その後また立ち上がりで抜かれてしまいました。彼のほうがスピードが載っていましたからね。そこで抜かれていなければ、ターン8かターン9でそういう場面が再びあったでしょう。いずれにしても素晴らしいバトルを楽しみましたし、チャンピオンシップでのリードを広げることが出来て嬉しいですね。」

 

スティーブン・デイ

「トップ3名が完全に異なるタイヤを選択するのは非常に珍しいですが、どの段階でタイヤを選択したのでしょうか?」

マルク・マルケス

「今日はタイヤを選ぶのは難しかったです。ミディアムとハードで迷っていたんです。でも今回はその中でも自分にとって安全な選択をしたんです。ハードは後半に良い形になるのはわかっていましたし、序盤からプッシュする戦略でした。出来る限り小さい集団を作って最後に1台のDucatiと戦う形にしたかったんです。リズムも良かったですし、ハードでプッシュすれば、付いてくる彼らもタイヤを使わなければついてこれませんから。今回ホルヘは本当にタイヤマネジメントが上手かったですね。勝利にふさわしいでしょう。最も重要なのは59ポイントまで2位との差を広げ、Ducatiとは71、72ポイント差がついているということです。」

 

スティーブン・デイ

「59ポイントの差という大差で、今後のレース戦略は変わりますか?」

マルク・マルケス

「この2人は本当に強いですから、ここまでの差があるのは嬉しいですし、チャンピオンシップをリードするのもまた嬉しいです。非常に長い戦いですから、自分達が苦戦するサーキットもあるでしょうし、逆に得意とするトラックもあるでしょうし、そういったところで25ポイントを獲っていきたいですね。」

 

スティーブン・デイ

「マルクありがとう。それではアンドレア・ドヴィツィオーゾ。残念そうな顔をしていますが、マルクも含め多くの人があなたが優勝争いに絡んでくると予想していました。タイヤチョイスが失敗だったのでしょうか?ホルヘを何度もオーバーテイクしようとしていましたが、最後まで抜けませんでしたね。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「良い位置で走ることが出来なかったですね。序盤はマルクが飛ばしていて、同じタイムで走行は出来たんですが、やはり最終的にはタイヤチョイスだったのかもしれません。それにホルヘを抜くことも出来ませんでした。彼を抜こうとして抜けず、その中でリアタイヤを使いすぎてしまったんでしょう。彼を追っていた時点では最速だったんですが、彼を抜くことがどうしても出来なかったんです。それが大きかったですし、そのせいで残り10周でスローダウンせざるを得ませんでした。確かにミスもありましたけど、その時点でリアタイヤの右側が終わってしまっていたんです。」

「もっとポイントを獲得出来るチャンスがあったのに非常に残念です。今回はドライの練習走行は2回だけでしたから。こういうこともあります。今回は選択を間違えたといことですが、時には完璧にいくこともあれば、時にはそうでないこともあるということですね。こうやって完璧な選択を出来なかった時は、次回のために学習することが出来るんです。こういった作業を昨年から続けていて効果が出ています。バレンティーノとの差は近づいていますし、ホルヘとも最後までバトルは続くでしょうから、チャンピオンシップは面白くなっていますね。」

 

スティーブン・デイ

「1周目はペースがさほど上がらず、リンスも横におり、ターン3でマルクと接近したことでホルヘが前に行き、かなりフラストレーションが溜まる展開だったのでは?」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「マルクの激しいオーバーテイクの後で、自分はターン4で6位になっていました、その後すぐに3人を抜いて3位に浮上しました。その時点でマルクがプッシュを始めたので、それでポジションが固まりました。そういう事もあるのがレースです。」
 

スティーブン・デイ

「ありがとう。それではフロアからの質問をどうぞ。」

 

Q

「ホルヘ、セクター3での改善もありましたが、シケインでのミスもありましたし、そういったミスでマルクに抜かれています。そしてドヴィ、なぜソフトタイヤを使用しなかったのでしょうか?」

ホルへ・ロレンソ

「あの部分のブレーキングは苦手としていて、序盤もそうですが、リアが摩耗してきてから苦戦しました。バイクを寝かせていくとリアがロックしてしまい、最終的には毎回ブレーキングで少しワイドになってしまっていたんです。それもあってマルクが毎回あそこで自分に追いつき抜いていきました。それに彼は序盤素晴らしい加速がありましたからね。ですからあそこのコーナーでかなり失ってしまい(※ターン3のことかと)、ターン4でも同様にリアが同様にロックしていたんです。あれがエンジンブレーキなのか電子制御なのかセッティングなのかわかりませんが、その2つのコーナーでのブレーキングで強さを発揮出来ませんでした。他の部分では非常に良い走行が出来ましたから、文句は言えませんね。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「正しい選択をするのは難しいです。ミディアムを履いて素晴らしい予選走行が出来ました。それに今日は暑くなりましたから、良い選択だと思ったんです。自分はタイヤのせいにするライダーではありません。今回の結果はタイヤの選択だったのか、ホルヘを抜こうと無理した事が原因だったのかはわかりませんから。」

 

Q

「ホルヘと戦う中で、Ducatiに乗る彼のどこに最も感心しましたか?」

マルク・マルケス

「彼はブレーキングが非常に強力だったんですが、自分は今日は彼よりも深くブレーキングすることが出来ました。それにDucatiは強力な加速がありますから。幸運にも来年彼はDucatiではなく、自分と同じバイクに乗ります。そうすればお互い言い訳は出来なくなります。ホンダは自分達のバイクでも勝利出来る強力なライダーを獲得するという素晴らしい動きをしたと思います。彼は他のバイクでも勝利出来るわけですし、彼がホンダに乗るのは楽しみですね。間違いなく速いと思いますよ。

 

Q

「今日のマルクの先行逃げ切り型のスタイルには驚きましたか?今日のレース展開に関して心配していましたか?それとも彼のタイヤが摩耗してくると予想していました?」

ホルへ・ロレンソ

「マルクは通常この戦略は取りませんが、時にはこういった戦略を取ることもあります。今週末に彼が24秒2、24秒3で長距離を走行出来ることはわかっていました。Moto2のレースの後に路面グリップが少し落ち、彼は24秒2では走行出来なかったようです。それもあって0.2秒ほどタイムが落ちたんでしょう。それで彼から1秒〜1.2秒でついていくことが出来たんです。あまり快適ではなかったですけど、エネルギーとタイヤをセーブしながらついていくことが出来ていたんです。この距離が最後にアタックするために良い距離感だったんでしょうね。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「序盤はこの戦略は予想していなかったので心配でした。7周、8周の時点で、彼は自分達よりもスピードがあるわけではないことがわかりました。そしてその時点ではマルクではなくてホルヘに集中していました。ホルヘを抜いていればレース展開は少し変わっていたかもしれませんが、それはなんとも言えません。そのほうがタイヤをセーブ出来たかもわかりませんし、終盤にスピードを発揮出来たかもわかりません。」

 

Q

「今日のレースの後にシルバーストーンに向けていかがでしょう?」

ホルへ・ロレンソ

「イギリスの天気は信用出来ませんから、3日間で雨には降られるでしょう。日曜は晴れてフルポテンシャルでレースが出来ればと思います。」

マルク・マルケス

路面が新しいのは楽しみですし、タイヤがどうであるとかいった事はあります。重要なのは、今週レインコンディションで走行が出来たということで良い感触がありました。ミックスコンディションでも感触は良かったのでどうなるかですね。好きなサーキットですし、昨年は優勝争いに参加しました。再び表彰台を獲得したいですね。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「昨年は晴天の中でシルバーストーンを走行出来たのは良かったですね。最速ではありませんでしたが、良い戦略を取ることが出来ました。マルクも昨年強かったですし、終盤まで強いのは間違いないでしょう。自分達もどこでも速さを発揮出来ていますが、マルクも昨年よりも強くなっています。ですから同じような戦いになるんでしょう。」

 

Q

「毎回タイヤマネジメントについて語っていますが、先週は大きな集団だったのが、今週は小さな集団でのレースでした。これは今週のほうが戦略的に単純だったと言えるのでしょうか?」

ホルへ・ロレンソ

ミシュランタイヤのほうがリアタイヤを特に、時にはフロントもマネジメントしてやる必要があります。ですから4年前のタイヤのようにはプッシュ出来ません。ですから自分の通常の走り方である、1周目の1コーナーからレース終了まで高い集中とスピードで走るというスタイルには理想的な状況ではないんです。こういうやり方に合わせていく必要がありますし、自分もそうした中で競争力を発揮出来ています。それに4年前よりもレース後半にエネルギーをセーブしている状態ですね。ブルノのように序盤から集中は変わらずに必要ですけどね。」

マルク・マルケス

「どういう見方をするかによりますね。ブルノでは自分は良いフィーリングが無く彼らの後ろにいました。今週は良い感触があったので序盤からプッシュしました。これは最初に言ったように、終盤に1台のDucatiとレースをする事が目標だったからです。それでもし負けても失うポイントは9ポイントではなく5ポイントで済みますから。ですから今回はハードリアを履いていたこともあって気にせず攻めました。戦略は良かったですね。予想していたのはもう1台のDucatiとバトルになることでした。チャンピオンシップ上のアドバンテージを広げることが出来ました。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「今回は序盤にかなりのペースで走行していましたから、ブルノよりは間違いなく速いペースのレースでしたね。今回はマルクが序盤からプッシュする戦略を取りましたからね。ミシュランの場合は常にこうなんです。タイヤをマネジメントする必要があるんですよ。序盤にプッシュは出来ますけど、最終的にはタイヤをマネジメントする必要が出てきます。レースのどこかでタイヤをセーブする必要があり、時にはそれが前半で、時にはそれが後半なんです。それにスピードがあるのであれば、常に序盤に少しセーブして後半にプッシュしたほうが良いんですよ。ミシュランの場合はこんな形ですね。」

 

Q

「このところホンダに合ったサーキットがいずれやってくると話しています。今後のトラックの中では実際にどのトラックがホンダに合ったトラックで、実際にどのトラックでは苦戦しそうなのでしょうか?」

マルク・マルケス

「それはわかりません。今年はル・マンやヘレスなど苦戦を予想したトラックで勝利しましたから。毎週末勝つつもりで挑んでいます。Ducatiが強いサーキットもありますが、アラゴンやフィリップアイランドも好きなトラックです。ここでアタックすると決めているわけじゃないんです。今年はポイントのアドバンテージがあるので、日曜にリラックスしてアプローチ出来ることが出来ているんです。昨年はドヴィとの接戦でしたから、どこでアタックするかをある程度決めていました。でも、今年は落ち着いています。どこかで5ポイント失うのは構いません。シーズンの終わりに優勝して祝うということが重要であって、どこかで負けるのは問題ではないんです。

 

Q

「ホルヘとマルクがバトルしている間、彼らに加わることが出来ると思っていましたか?」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「ミスをしてトラック外に出てしまった時にかなりタイムを失いました。リアタイヤの摩耗度合いが激しく、コーナーから良い形で脱出することが出来なかったんです。それにその後は良いラップタイムを記録することも出来ませんでした。やはり問題は、グリップをあまりも早く失ってしまったことでしょう。彼らに接近して最後の2周でアタックすることが出来ませんでした。」

 

Q

「ホルヘとマルクの最後のオーバーテイクについてどう思いますか?2人が転倒して芝の上でレースを終える可能性もあったと思いますか?」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「(笑)激しいバトルを予想していました。今回はマルクが優勝を狙っているのがわかりましたが、トラックのある部分ではホルヘのほうが速かったりもしました。ですから最終コーナーまでバトルが続くのはわかっていました。最終ラップのターン4でマルクは差をつけられ過ぎてしまいましたね。最後のコーナー2つまで彼は追いすがっていましたが、ホルヘのほうがトラック中盤のスピードがあったんですよね。特にターン8の立ち上がりは彼のほうが速かった。マルクは最終コーナーに仕掛けようとしていましたが、ブレーキングが遅すぎました。それで少しワイドになってしまい、アタック出来なかったというわけです。」
(※横でマルク、笑顔でサムズアップして ”完璧な解説だった” という笑顔)
 

スティーブン・デイ

「それでは以上です(笑)過去7日間の素晴らしいバトル、ありがとうございました。シルバーストーンで会いましょう。」


(Photo courtesy of michelin)

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