★MotoGP2018イギリスGP レースディレクション プレスカンファレンス

中止となったイギリスGPに関して、レースディレクターのマイク・ウェッブ、レースディレクションのロリス・カピロッシ、FIMセーフティーオフィサーのフランコ・ウンチーニがプレスカンファレンスを行いました。こうした問題は前例がなく、2月のアスファルト再舗装直後はバンプの問題もなかった。F1開催時点でバンプの問題を認識していたが、MotoGP開催までに路面改修を十分に施すことが出来なかった。また再舗装後の排水性の確認に関しては、人工的な雨天テストは行わないまま、ホモロゲーション取得をしたということのようです。まずは今回の問題に関して6週間の調査を行い、対策を検討するとのこと。いずれにしても来年のMotoGP開催までに再舗装を行い、排水性のテストを行いたいという意向のようです。

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ドルナ進行役

「レースディレクターのマイク・ウェッブ、レースディレクションのロリス・カピロッシ、FIMセーフティーオフィサーのフランコ・ウンチーニです。それではマイク、この後今日の出来ごとに関して色々と伺うことになりますが、レースのキャンセルについてレースディレクションからの声明をお願いします。」

マイク・ウェッブ

「今日は残念ながらレースをキャンセルするということになりました。これはトラックコンディションによるものです。トラック上に水が溜まってしまい、こうした激しい雨の中ではトラックのある部分の水が排水されないことが原因でした。出来る限りの手立ては全て尽くしたつもりです。レースをキャンセルするというのは、誰にとっても最後の手段と言えるものでしたから。しかし安全に勝るものはありません。今日の出来事を簡単にご説明すると、レースを午前中にずらすことでレースを開催しようとし、その後の状況を整理するために協議を行いました。雨が少し弱まってきた時にもトラックコンディションが改善されないことが明確となりました。月曜日にレースを行う事も含めて検討をしたのですが、チーム、サーキット、プロモーター、オーガナイザーなどと共に協議を行い月曜にレースをするのは不可能だという結論に達しました。サーキット側の意向もあって了解した内容は、今日出来る限り開催を遅らせてトラックコンディションの回復を待ってみるというものでした。しかし雨が弱まってきた中でも、サーキットはレースを開催出来る状況にはないということが明らかとなりました。ですから、今回は非常に残念ながらレースをキャンセルするという決断をしたわけです。」

ドルナ進行役

「マイクありがとう。フロアからの質問はありますか?」
 

Q

「今日の決定はトラックの路面のせいだと言えるのでしょうか?というのも、過去に同様のコンディションでレースを行いましたが、大きな問題は発生しなかったと思うのですが。」

マイク・ウェッブ

「確かにここではウェットコンディションで何度かレースを行ったことがありますし、古い路面ではレースを開催することが可能でした。今回新しい路面においてここまでの雨が記録されたのは初めてのことです。サーキットスタッフの観点から話すと、今日だけではなく、彼らは皆今週末ずっと素晴らしい努力をしてきたんです。最後の最後までトラックコンディション改善のために全力を尽くしてきました。しかし残念ながら自然に勝つことは出来なかったということです。」

 

Q

「イギリスは風土からしても雨が多いことがわかっているわけですが、このような雨が来年も降った場合、シルバーストーンでMotoGPの開催は出来ないのではないでしょうか?」

マイク・ウェッブ

「同意見です。イギリスGPを開催したいと思っています。それにイギリスですから雨が降ることは予想していなければなりませんし、路面はそれを想定したものである必要があります。そして我々もレースを開催すべくあらゆる努力をしました。おそらくあなたの質問はフランコに対するものであるかと思います。トラックのホモロゲーションに関しての責任者は彼ですから。そして来年の開催に向けてどのような改善が必要なのであるかについて、意思決定をする必要があるでしょう。」

フランコ・ウンチーニ

「昨日路面の改善に関してのディスカッションを行いました。これから状況の調査を行うことになりますが、それにはおそらく6週間ほどかかる予定です。そして、その中からどのような内容が必要であるかということが明らかになるでしょう。ですから問題の把握はその調査を待ってということになります。しかし路面の再舗装を行うことになるでしょう。

 

Q

「1980年にシルバーストーンでこうした激しい雨でレースを行いましたよね。今回と比較していかがでしょうか?」

フランコ・ウンチーニ

「その当時はセーフティーコミッションはありませんでしたから、運営側が判断しました。今はセーフティーコミッションがありますから、彼らが状況に関して説明をしてくれるわけです。」

 

Q

「ええと、聞きたかったのは1980年には非常に危険なコンディションであるにも関わらず。。」

フランコ・ウンチーニ

「今日の状況を1980年当時と比較は出来ませんよ。1980年は問題は天候だけでなく、サーキット、その他あらゆることが問題だったんです。その当時と状況は全くことなりますから、単純な比較は出来ません。」

 

Q

「チームとサーキットが月曜にレースを行うのは不可能だと決定したということですが、理由はなんだったのでしょうか?」

マイク・ウェッブ

「自分が関わっているのはレースオペレーションに関する内容だけです。その判断はトラック上のレースコントロールの中で決定されたものですし、私は商業的な話合いにも参加していません。私のサイドで話していたのはオペレーションに関するもので、輸送面では問題はおそらくなさそうだが、商業的な判断などで月曜開催は難しいということになったわけです。」

 

Q

「今回MotoGPを開催することは出来ませんでしたが、Moto2やMoto3なら開催出来たと思いますか?それともそれも不可能だったのでしょうか?」

マイク・ウェッブ

「セーフティーコミッションがトラックコンディションが安全ではないという判断をした場合、トラックコンディションは誰にとっても危険なんです。ですからMotoGPを開催しない代わりにMoto3を開催しようというのは無責任だと思います。

 

Q

「こうした判断についてMoto3チームとも話あったのでしょうか?」

マイク・ウェッブ

「チームがまずこの判断に関して話し合いを行いましたが、Moto2とMoto3のライダー達とこうした話し合いを行ったかはわかりません。」

ロリス・カピロッシ

「今日はMoto2、Moto3のライダー達と話をしていませんが、チームのマネージャー達と話し合いを行いました。そして今回の中止という大きな決断は、何よりも選手達の安全を考えてしたことです。それはMoto2もMoto3も変わりません。」

 

Q

「あなたがこのサーキットのホモロゲーション取得を確認したわけで、ここには2度訪れていますよね。それはいつだったのか?また路面は完全なドライのみで、ウェットコンディションでの確認は行わなかったのですか?」

フランコ・ウンチーニ

「2月終わりに路面の再舗装を行った後に確認にやってきました。その時検査を行いましたが、路面は非常に良好に思えました。これはバンプ、グリップなどに関してもです。実際には1ヶ月後にカル・クラッチローにバイクでテストしてもらい、その際にトラックに問題がないことを確認してもらったというわけです。その際は少しバンプがあったので、サーキット側がこのバンプを調整してくれたわけです。実際にはその時点では完璧な路面だったわけです。しかしF1を開催する時になってサーキットがバンピーであることがわかったんです。ですから3月から7月までの間に路面が変化してしまったんです。何が起きたのかわかりませんが、今後6週間で何が起きてしまったのかがわかるでしょう。というのも、2月、3月の時点で路面のコンディションは良かったんです。」

 

Q

「土曜日の段階で日曜の状況が厳しそうだとわかったわけですが、それでウォームアップ、レースを午前中の早い時間に開催するということを考えたのでしょうか?しかしチームはウォームアップが必要であるため、非常に早い時間のレースという案を拒んだということでしょうか?」

マイク・ウェッブ

「あらゆる可能性を考え、天候からもレースは早いほうが良いということがわかっていました。チームとも早めにレースをスタートするという事を話し合いました。しかし、チーム、そして何よりオーガナイザー側としては、ある程度の観客がサーキットに入場するのを待つ必要があったんです。それにプロモーターのニーズもありましたし。そして最終的なレース中断に関しては、全てのチームとプロモーターとの合意によるものです。」

 

Q

「誰がサーキットの調査を行うのですか?サーキットなのか?完全に関係のない企業なのでしょうか?」

マイク・ウェッブ

「それはフランコが回答する質問ですね。」

フランコ・ウンチーニ

「こちらとしては特に詳細な調査というのは行っていません。我々がテストを行い、カルがバイクでテストを行いました。そしてアスファルトが良いコンディションかそうでないかを確認したんです。こうした詳細な調査はサーキット次第なので、私達では難しいんです。それにアスファルトの施工会社がしっかりとしたアスファルトを施工する必要性があるんです。我々が依頼したのは、素晴らしいアスファルトを素晴らしい形で施工するということです。そしてこれはサーキットの責任です。そしてこうした問題が発生したのは今回が初めてなんです。」

 

Q

「私の英語が完璧でなくてすいません。私が聞きたかったのは誰が調査を行うのか?何が起きたのかを誰が調査するのか?ということなんです。これは独立した会社なのか、サーキットなのか?ということです。」

フランコ・ウンチーニ

「調査を行うのはサーキットです。サーキットがアスファルトの施工会社側に適切なテストを依頼するわけです。そしてこれはサーキット次第です。

 

Q

「独立した企業が調査を行ったほうが良いとは思いませんか?」

フランコ・ウンチーニ

「そういった内容は、今回の経験と学びを元に検討していくことになるでしょう。こうして経験を積んでレースを行わないという決定もしました。これは過去20シーズン中で初めてのケースですから。ですから、どういった形が良いのかについては、今後話し合っていきます。」

 

Q

「30日前にルイス・ハミルトンがサーキットの状態がいかに酷いかと話していましたが、サーキット側から何かしら連絡は?」

フランコ・ウンチーニ

「サーキット側は軽微な問題を解決しようと努力しましたが、全部の問題を解決するのは不可能でした。理想的なのは再舗装を行うということでしたが、F1からMotoGPまでの間にそんな時間はなかったというわけです。

 

Q

「レース中止の決定にMotoGPライダー達は関わったのでしょうか?彼らは投票などしたんですか?」

マイク・ウェッブ

「私はセーフティーコミッションには出席していませんので、それはロリスへの質問ですね。ただ最終的にロリス、フランコと共にセーフティーコミッションとしての決定だったわけです。」

ロリス・カピロッシ

「ライダー達の考えを知るためにミーティングを開きました。ライダー達は当初レースをスタートしようとした時間に、水がかなり溜まっていることに気づきました。ですからレース開催を延期したんです。そして私とフランコで30分ごとにトラックコンディションを確認しました。しかし、状況としてはほんの少しの雨でもトラックのコンディションは改善しなかったんです。そして全員ではありませんが、ライダー達と話し合いをして、ほんの少しの雨であってもトラックコンディションが非常に危険であることが確認出来たので、レースは開催しないということになりました。特にアクアプレーニングが酷く、トラック上にとどまっている水の量も多かったためです。ただ、これは基本的にはライダー達の決定です。」

 

Q

「マイクかフランコにお聞きしたいのですが、次回シルバーストーンでレースを開催するとしたら、カタールで行ったように人工的にレインコンディションを再現したテストを必須とするなどの考えはありますか?」

マイク・ウェッブ

「それに関しては昨日話し合いを行いました。今回の問題は今日のように普通の雨量ながら降り続く雨、そして土曜のような短時間での豪雨によって、トラック上に多くの水が残ってしまうというものです。そしてここで再びレースを行う際には、そういったテストを行いたいと思います。問題はそういったテスト、環境を再現するのが難しいということです。ですから回答としてはYESですし、技術的に方法を見つける必要があります。カタールで行ったテストでは、信頼出来るデータを取得するのはかなりの困難を要することがわかりました。ですから、そういったテストは行いたいのですが、その方法を見つける必要があります。」

 

Q

「このトラックのホモロゲーションを取得した際、このトラックで雨が降ったことがあったのか?それとも常にドライだったんでしょうか?」

フランコ・ウンチーニ

トラックをウェット環境でチェックするシステムはありません。テストはドライコンディションで行っており、ウェットでもレース開催は問題ないだろうと思っていました。路面の排水性、トラックサイドの排水性、トラックの傾斜も、サーキット全周で問題ないと思っていたんです。我々はアスファルトを施工した会社を信用していましたし、サーキットを信用していました。我々はバンプがないこと、グリップが良いことなどを確認しました。縁石とトラックの間にギャップがないかなどのチェックを行いましたが、ウェット状態でのチェックは出来ないんです。ウェット状況に関しては、じゃあどれだけウェットの状況下でチェックを行うのか?という話になってしまいます。完璧な調査をするのであれば、完全なウェットコンディションでMotoGPバイクでテストを行うというものです。これは不可能ですよ。」

 

Q

「2月にアスファルトが新しくなってから、何度か雨が降ったと思います。少なくとも1日以上は雨が降った日があったでしょう。そしてサーキット側はこうした問題を把握していたと思うんです。雨が降った際に何が起こるかについて知らされていなかったということでしょうか?」

フランコ・ウンチーニ

まったくわかりません。2月から現在までに、サーキット側がこうした問題があるか確認していたかについてはわかりません。特に何もサーキットから連絡はもらっていません。

マイク・ウェッブ

「補足すると、地元のオフィシャル達が他のレースイベントをここで過去に開催していますし、Moto2のセッションは通常のレインセッションでした。この問題は雨がどの程度降り続くのか、どの程度の雨量なのかに関係すると思います。ですから今回こうした問題がわかったということです。ですからあまりにも長い時間雨が降り続くと、サーキットから水が引かなくなるということのようなんです。というのも最初の2時間は問題がありませんでしたから。その後から問題が悪化していったんです。こういったことでレースをキャンセルするというのは初めてのケースです。」

 

Q

「MotoGPライダー全員がセーフティーコミッションに参加したんですか?それとも数名ですか?」

ロリス・カピロッシ

「ほぼ全員ですが、何人かの選手たちは参加しませんでした。しかし意思決定に関しては全会一致でした。ただ、我々としては皆に参加するように伝えました。数名は来ませんでしたが、彼らは結論を出せずにいたわけです。そしてその場にいた4名のライダー達の意見を聞き、ほぼ全員が中止するという意見でした。」

 

Q

ドヴィと話をしたんですが、彼はこのミーティングの事を聞かされていなかったと話していました。そしてドヴィは怒ってはいないにせよ、どのように運営がされているのかに関して疑問を持っているということでした。」

ロリス・カピロッシ

我々はチームマネージャーに伝えましたから、全員に伝わったはずですよ。ロレンソは出席していましたからね。私が個人的に選手に伝えにいったわけではありませんから、なぜアンドレアがいなかったのはわかりません。それに関しては申し訳なく思いますが、意図としては全てのライダー達からの意見を聞きたかったんです。というのも、我々からするとライダー達の安全こそが最も重要なことですから、今日のようにレース開始を延期したわけです。しかし適切な環境でレースを行える状況にならなかったということなんです。そしてレースを行わないという決断を出したのはライダー達ということです。」

 

Q

「ほとんど全員のライダーがレース中止を支持したということですが、レースをしたがったライダーはいなかったのでしょうか?」

ロリス・カピロッシ

「ほぼ全員と言いましたが、そこまで危険なコンディションではないんじゃないか?というライダーもいましたが、基本的には多数派の意見に従うことになります。大多数がこの路面で270馬力以上のバイクで走行するのは危険だと判断したわけです。特にストレートでかなりのスピニングが発生しており、非常に危険な状況だったんです。」

 

Q

Ducatiのダヴィデ・タルドッツィはミーティングがあった事を聞いていないということですが?

ロリス・カピロッシ

「ではなんでホルへがセーフティーコミッションにいたんでしょうね?先程お話したように、チームのライダー達にミーティング開催を伝えるのは私の仕事ではありません。誰かが彼に伝えたということでしょう。

ドルナ進行役

「ありがとうございます。それでは以上です。」

(Photo courtesy of michelin)

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