シルバーストーンでのイギリスGPキャンセルの背景については、サーキットの排水性に問題があった事が明らかになっていますが、サーキットのホモロゲーション取得については「トラックをウェット環境ではチェックしておらず、ウェットでもレース開催は問題ないだろうと思っていた」というFIMセーフティーオフィサーのフランコ・ウンチーニの驚きの発言が飛び出ました。プレスカンファレンスの中から、このウンチーニの発言をピックアップしてご紹介します。

FIMセーフティーオフィサー フランコ・ウンチーニ

「昨日路面の改善に関してのディスカッションを行いました。これから状況の調査を行うことになりますが、それにはおそらく6週間ほどかかる予定です。そして、その中からどのような内容が必要であるかということが明らかになるでしょう。ですから問題の把握はその調査を待ってということになります。しかし路面の再舗装を行うことになるでしょう。」

「2月終わりに路面の再舗装を行った後に確認にやってきました。その時検査を行いましたが、路面は非常に良好に思えました。これはバンプ、グリップなどに関してもです。実際には1ヶ月後にカル・クラッチローにバイクでテストしてもらい、その際にトラックに問題がないことを確認してもらったというわけです。その際は少しバンプがあったので、サーキット側がこのバンプを調整してくれたわけです。」

「その時点では完璧な路面だったわけです。しかしF1を開催する時になってサーキットがバンピーであることがわかったんです。ですから3月から7月までの間に路面が変化してしまったんです。何が起きたのかわかりませんが、今後6週間で何が起きてしまったのかがわかるでしょう。というのも、2月、3月の時点で路面のコンディションは良かったんです。」

アスファルトの施工会社がしっかりとしたアスファルトを施工する必要性があるんです。我々が依頼したのは、素晴らしいアスファルトを素晴らしい形で施工するということです。そしてこれはサーキットの責任です。そしてこうした問題が発生したのは今回が初めてなんです。」

「トラックをウェット環境でチェックするシステムはありません。テストはドライコンディションで行っており、ウェットでもレース開催は問題ないだろうと思っていました。路面の排水性、トラックサイドの排水性、トラックの傾斜も、サーキット全周で問題ないと思っていたんです。」

我々はアスファルトを施工した会社を信用していましたし、サーキットを信用していました。我々はバンプがないこと、グリップが良いことなどを確認しました。縁石とトラックの間にギャップがないかなどのチェックを行いましたが、ウェット状態でのチェックは出来ないんです。ウェット状況に関しては、じゃあどれだけウェットの状況下でチェックを行うのか?という話になってしまいます。完璧な調査をするのであれば、完全なウェットコンディションでMotoGPバイクでテストを行うというものです。これは不可能ですよ。

(Photo courtesy of michelin)