Ducatiの公式プレスリリースにおいて、今週末のマレーシアGPへの出場の意思表示をしたホルへ・ロレンソは、タイGPのFP2でマシントラブルによって激しいハイサイドから転倒。左手首を骨折、また靭帯を痛めていました。

骨折自体は日本GP前になって再度検査した際に明らかになったものですが、この時点でロレンソは日本GPへの出場を考えておりFP1に出走。しかしあまりにも激しい痛みから出場を断念。続くオーストラリアGPも欠場し、代役としてAngel Nieto Teamからアルヴァロ・バウティスタが出走しました。

ロレンソは日本GPの後にスペインのバルセロナで左手首靭帯の損傷を修復する手術を受け、リハビリを続けてきました。しかし本人が語るように怪我の影響で十分なトレーニングは出来ていない様子です。

思えばタイGPの後もプールなどで精力的にリハビリとトレーニングを続ける姿がSNSにアップされていましたが、実際はリハビリどころか怪我を悪化させていた可能性もあるわけで、本人も慎重になっているのでしょう。

実際のところのコンディションは今日の段階で出走の許可が出るか、また許可が出たとして金曜日に行われるFP1で走ってみてどうかというところでしょう。理想的なコンディションでレースを行うには11/16〜の最終戦バレンシアまで回復を待ち、その後の2019年のプレシーズンテストに挑むほうが良いはずですが、やはり本人として走りたい気持ちが強いのでしょう。

チャンピオンシップ順位に関してはロレンソは既に9位となっていますが、コンストラクターズタイトル争いに関してはホンダが339ポイント、Ducatiが300ポイントですので、このタイトルを意識している可能性、Ducatiからの要請がある可能性はあります。

いずれにしても、本人にとって最も重要なのは2019年を最高のコンディションで迎えることですが、常に「今」を考え「前進」することを考えているロレンソのことですから、そこまで打算的に将来のことを考えず、「少なくとも出走出来る状態であれば、その状況でベストを尽くす」ことを選択したのでしょう。

しかし今週末の舞台となるセパン・インターナショナル・サーキットは長いストレート、強烈な加速、減速ポイントがあるトラックで、路面温度は50℃に達する厳しいコンディションで知られます。また常に雨が降る可能性がある土地柄だけに、再び転倒してさらに怪我を悪化させることだけは避けたいところです。

(Source: Ducati)

(Photo courtesy of michelin, Ducati)