今年スズキからMotoGPクラスにデビューするジョアン・ミルはMotoGPバイクに関して、Moto2バイクとの違い、そして最高峰クラスにステップアップしたことは正しい判断であったと語っています。

ジョアン・ミル

「テストの際に考えていたのは、まずは楽に考えてGSX-RRのことをよく理解するというものでした。MotoGPバイクはものすごい加速とストッピングパワーがあります。Moto2マシンとは大きな違いですから、ストレートは短く狭く感じます。そして逆にブレーキングは長く感じるんです。まず一番重要なことはしっかりと集中してライディングをするということで、0.1秒集中が途切れただけでワイドになってしまうんです。」

「MotoGPバイクはとにかくスムーズにライディングすることが重要です。良いラインを使って全てのコーナーを繋いで走るということが必要です。コーナー脱出が非常に重要になってきて、しっかりと準備をしてコーナリングスピードを維持する必要があって、次のコーナーに備えて行く必要があります。これはMoto2時代に失っていたライディングスタイルなので、こうしてMotoGPマシンでこのライディングが出来ることが嬉しいですよ。自分なりの流れをしっかりと掴んでいきたいですし、これこそが正しいライディングなのだと思います。」

「最初のライディングではウイリーに苦しみましたし、フロントタイヤが着地してあらぬ方向に向いてしまうのにも苦戦しました。それでフロントが切れ込むことで何度も恐ろしい思いをして、これで数年寿命が縮まったと思いますね!ですからウイリーに対してしっかりと対処するだけでなく、フロントが着地する際もしっかりと方向修正が必要で、これをもの凄いスピードで学習しなきゃいけないと思いました。」

「それにブレーキングに関しても多くの時間を割いて学習をしました。このマシンのスピードは信じられないほどです。ブレーキングはハードに、正確に行う必要があります。カーボンブレーキはものすごく特殊で、冷えていると全くと言っていいほど効かないんです。どんなに握り込んでいっても全く効かないんですよ。ただ一度温まると、望んだだけ強力にブレーキングが効くんです。ものすごく独特なフィーリングですけど、使用には本当に注意が必要ですね。

「スズキチームとGSX-RRにはものすごくポジティブなフィーリングを感じています。1年目の目標はしっかりと学び、フロントとのギャップを縮めていくということです。MotoGPバイクはものすごく快適に感じていますから、わずか1年でMoto2クラスから最高峰クラスへとステップアップするというのは正しい決断だったと言えるでしょう。これからはこの環境を楽しんで、そして学んでいきたいですね。」

(Source: suzuki-racing)

(Photo courtesy of michelin)