ミシュランは今年に入って3つ目のメーカー、3人目の優勝ライダーであるスズキ、アレックス・リンスの勝利を見届けました。アレックス・リンスにとってはこれがMotoGPクラスにおける初優勝となります。

オースティンの週末は様々な天候によって彩られました。金曜は暖かく晴天に恵まれ、いくつかの高速ラップが生まれました。その後勢力の強い雷雨となり、土曜日朝には大雨によってFP3がキャンセルとなり、レースが開催された日曜日には気温が下がり強い風が吹き荒れました。これらの気象条件の中でミシュランのタイヤは大いに試されることとなり、FP4ではミシュランのパワーレインタイヤがCOTAにおいて使用されました。

しかし5,513mのトラックにおいてレインタイヤがどのように機能するかは、トラックが十分に濡れていなかったこと、濡れた路面で走行出来た時間が短かったことなどから、十分なデータを得ることは出来ていません。

加えてCOTAのトラックが非常にバンピーであることからミシュランにとっては大きなチャレンジとなりましたが、ミシュランのタイヤは素晴らしい結果を残しています。

気温が低く土曜の天候によってトラックでの走行時間が短かったことなどから、タイヤの選択は20周のレース前の大きな課題でした。その中で選択されたタイヤの組み合わせは、6種類の組み合わせのうち4種類が使用され、ライダー達はそれぞれ異なるタイヤを前後に履いてレースに挑みました。

レースがスタートすると、ポールセッターのマルク・マルケスがオースティンでの7勝目達成すべくレースをリードしますが、9周目に転倒しています。これによってバレンティーノ・ロッシがレースをリード。ロッシはトップ順位で8周を走行。しかしリンスがミシュランのタイヤのグリップを発揮してロッシをインサイドからオーバーテイク。

ロッシはすぐさまこれを抜き返そうとしますが、リンスはトップを守ってMotoGPクラス初優勝を飾りました。これは2016年にMotoGPクラスに参戦して以来リンスにとって初となります。リンス、ロッシに続いて表彰台を獲得したのはジャック・ミラー。これによってミラーは独立チームトップとなり、表彰台には異なる3つのメーカーが並ぶこととなりました。リンスの優勝タイムである41,45.499はまた、レースタイムとしても最速となり、昨年のタイムを7秒以上更新しています。

アンドレア・ドヴィツィオーゾが5位、これによって彼はチャンピオンシップ1位となりました。フランコ・モルビデッリが5位、ダニロ・ペトルッチが6位、ファビオ・クアルタラロが7位、8位にはポル・エスパルガロ、9フランセスコ・バグナイアが9位、中上 貴晶が10位を獲得しています。これで異なる5メーカーがトップ10に並んだこととなります。

この後ミシュランは11のレースが予定されているヨーロッパへと向かう前に本拠地フランスに戻りますヘレスで開催されるスペインGPは5月11日、ミシュランとライダー達は昨シーズンのレースから再舗装が施されているヘレスで新たなる挑戦に挑むこととなります。

アレックス・リンス

「ここオースティンで優勝出来て本当に嬉しいですね。これでこのサーキットではMoto3、Moto2、MotoGPで優勝したことになりました。今回は信じられないようなレースで、ミスもなく、タイヤも最後までしっかりと保ってくれました。少しバンプに苦戦しましたけど良い形でマネジメント出来ました。自分とスズキにとって非常に重要な1日でした。」“

2輪モータースポーツグループ・マネージャー:ピエロ・タラマッソ

「ミシュランにとって需要な週末でした。金曜にはタイヤは素晴らしい高速タイムを記録してくれました。しかし土曜は天候によって貴重なトラックタイムを失いました。もちろんこの中で少しだけではありますが、初のオースティンにおける雨天時のデータも得られています。今日のレースでは6種類の組み合わせのうち4種類が使用されました。さらに表彰台に3つの異なるメーカーが登り、新たなレースレコードも記録されています。今週末のパフォーマンスに関しては本当に満足です。ここでは事前テストを行っておらず、非常に攻略が難しいトラックなんです。非常にバンピーであるということが、皆にとって大きな課題でした。すべてのコンディションにおいてタイヤは素晴らしい性能を発揮し、レース開始前の段階でも6種類の組み合わせすべてに可能性がありました。この後は3つのチャレンジングなレースを終えてホームであるフランスに戻ります。この後に待ち受けるヨーロッパでのレースを楽しみにしています。」

(Source: michelin)

(Photo courtesy of michelin)