マーべリック・ビニャーレスがヤマハでスタートを苦手とし、燃料満載の状態のレース序盤で苦戦していることに異論の余地はありません。レース前の水曜、木曜には「今回は対策を施して改善が出来るはず。自信がある。」というコメントを何度目にしたでしょうか。アメリカGPでは気持ちが焦るあまりかジャンプスタート、さらにペナルティーの伝達の問題からか、ライドスルーペナルティをロングラップペナルティーと勘違いするという失態もありました。

ヤマハでのキャリア最終期にはポールtoウィンの代名詞のような存在であったホルへ・ロレンソも、実はかつて同様の問題で、ヤマハ移籍当初に苦戦していました。ロレンソはMotoGPでの練習走行以外の時間を利用して、YZF-R6で何度も何度もクラッチを焼きながらスタート練習に励み、この問題を克服したと言われています。ビニャーレスは未来を期待されているライダーとして、同様の変化をすることが出来るでしょうか?

ホルへ・ロレンソ

「マーべリックがクラッチをうまく繋いでスタートすることに問題を抱えているのは見てわかりますね。1列目であるかどうかといったことは全く関係ないんですよ。自分もMotoGPキャリアをスタートした時に同じ問題を抱えていました。ポールポジションを獲得しても、スタートが下手だったので1列分順位を下げてしまっていたんです。自分の場合は走行ラインが他のライダーと大きく異なっているので、誰かの後ろで走行すると接触しない範囲での走行になり、走行ラインを制限されてしまうんです。」

誰かの後ろで走行しているとブレーキングも遅くする必要がありますし、タイムも失います。恐らくマーべリックも同様の問題を抱えていると思います。彼はリードしてレースをするほうが好きなはずですから。」

(Source: HRC)

(Photo courtesy of michelin)