FIM CEV Repsol2017国際選手権がスペイン・アルバセテで開幕。NTS Sportscode T.Proは新たにスティーブン・オデンダール選手(南アフリカ)と尾野弘樹選手(日本)を迎えました。レースウィークの木曜日から残念なことに断続的な雨に見舞われており、自身の初カテゴリーへの参戦となる尾野弘樹選手にとっては特にチャレンジングなスタートとなりました。

NTSとGeoTechnologyは、ライダー達が最高のパッケージを得られるように共にマシン開発をオフシーズン中も実施しており、特に2年連続のCEV国際選手権チャンピオンを狙うスティーブン・オデンダー選手を中心に開発を進めてきました。チームの主眼はブレーキングスタビリティとリアトラクションを別次元に昇華させることで、そのためにシャーシ設計そのものの見直しに留まらず、風洞実験を含む幾多のエンジニアリング分析と試験を実施してきました。

予選1回目、セッション終了後にスティーブン・オデンダール選手はフロントサスペンション、尾野弘樹選手はリアサスペンションにマイナートラブルを抱えていたことが分かり、両ライダー共に不本意で不完全燃焼となりました。予選2回目に向けてチームは問題を修正し、ようやくマシンは本来の動きを取り戻すことが出来、ポジティブなフィーリングを確認することが出来た一方で、雨が酷くなってきた状況下では大幅にタイムを更新することが出来ず、結果スティーブン・オデンダール選手は8番手、尾野弘樹選手は14番手グリッドから決勝レースに挑みます。決勝レースでは表彰台を目指しプッシュしていきます。

#44 スティーブン・オデンダール選手コメント

「予選1回目では良い順位を目指せる意識と、それを実現する為の作戦を持って挑みましたが、セッション開始早々にリアにバイブレーションを感じ急遽ピットインをしました。チームが原因を特定するのに若干時間を要し、リアタイヤそのものの問題であると特定したことを受けて新品のリアタイヤに入れ替えピットアウトしました。トラックに戻り、ウェットコンディションではあったものの路面状況は安定していたのでアタックラップに向けてマシンをプッシュし始めたのですが、今度は特にフロントに良いグリップ感が得られませんでした。しかし、リアタイヤの交換でだいぶ時間を消費してしまったので、(再度ピットインをせず)出来る限りマシンをプッシュすることにしました。不本意な順位となった予選1回目が終わったのち、フロントサスペンションの機能に問題があったことが分かり、なぜ良いフィーリングと自信が特にフロントに得られなかったのかが理解できました。」

「予選2回目ではマシンは完全に修正され、雨はより酷い状況だったのにも関わらずフィーリングが戻り、ラップタイムも予選1回目より速く走ることが出来ました。こういうことは時に起こるので(あまり気にしていませんが)、決勝レースについては結果8番手グリッドからのスタートということに満足はしていませんが、それは自分自身に対してというよりは新しいチームに対して(良いグリッドをプレゼントすることが出来なかったから)です。しかし決勝レースに向けてはマシンが良い方向に向かっていることを知っていますし、良いフィーリングが得られているのでポジティブです。明日のウォームアップから、レース本戦まで晴天に恵まれることを祈っています。」

#76 尾野弘樹選手コメント


「予選1回目ではバイクから良いフィーリングを得ることができませんでした。グリップレベルも低く、難しいウェットコンディションの中で様々なことを試し、改善できないか試みました。ピットに入り(エンジニアと話し)、引き続き持っているものでどこまでプッシュできるかを継続することにしましたが、ネガティブなフィーリングは改善されないまま不本意な順位でセッションが終了してしまいました。そののち、すぐにチームはリアサスペンション事態に問題があったことを特定し、ようやく理由が分かりました。すべての問題を治してもらい、雨が強まる中で路面状況は悪化する一方のなかで予選2回目に挑みました。バイクの良いフィーリングは戻り、他のライダーも1秒から2秒程度はペースが上がらないようでしたが、自分も目標としていたタイムに届かせることが出来ずにいました。」

「セッションが終わりに近づくにつれ路面状況も少し良くなってきたので、プッシュし始めると、マシンの良い感触を得ることが出来たので明日の決勝レースに向けてはポジティブなことだと思っています。明日の決勝レースは14番手スタートですが、このマシンと自分に相応しい順位まで追い上げられるようにマシンをプッシュしていきたいと思います。個人的に、回り込むコーナーが続くこのアルバセテは大好きなコースとは言えないのですが、それでも初めてのCEVモト2クラスのレースを明日は楽しめるのではないかと思っています。」

生田目將弘、チームオーナーコメント

「予選2回目にマシンの挙動がポジティブであることが確認できて良かったです。チームは自信もあり、明日の決勝レースに向けて何をすべきかが明確ですので心配はありません。決勝レースでは良い成績を目指すにとどまらず、シャーシ開発に有効な良いデータを取れるようプッシュしていきたいと思います。また、シャーシマニュファクチャラーとして、この活動が本プロジェクトに関係するすべての人たちの更なるモチベーションの向上と楽しみの共有につながることを期待しています。」

<株式会社エヌ・ティー・エス プレスリリース>