常に安定した速さを発揮するものの、なかなかレースで結果に結びつかないドヴィツィオーゾ選手がホームグランプリとなるムジェロで優勝しました。ムジェロではイタリア人ライダーが優勝するのは2008年のロッシ選手以来初めて、Ducatiがムジェロで優勝したのは2009年のストーナー選手以来初めてのことですが、スタンドがほぼ全て黄色、黄色い発煙筒でコースが良く見えないほどのムジェロですので、表彰台に送られる声援はやや冷やかでした。ドヴィツィオーゾ選手はレース前の体調不良を感じさせない走りでしたが、クールダウンラップ中にDucatiスタンドの前でマシンを止め、お尻を押さえるパフォーマンスをしています。(※食中毒で下痢だったという意味でしょう)

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「全てのイタリア人ライダーにとってムジェロで勝つこと、表彰台を獲得することは最高の栄誉なんです。MotoGPクラスでDucatiでムジェロで優勝するなんて、これ以上の事は望めません。今回は最初の練習走行でスピードがあることはわかっていましたが、23周をヤマハについていくのは難しいだろうと思っていました。ただ自分のバイクは完璧に昨日しましたし、自分も完璧な戦略で走る事が出来ました。ライバルほどのスピードはありませんでしたが、毎回必要な時に必要なスピードを発揮出来たと思います。」

「レース前に多くのエネルギーを持ってレースに挑む事は本当に重要なことで、自分にはそのエネルギーがありませんでしたから、本当に心配だったんです。ただスタートライトが消えると気分良く走る事が出来ました。エネルギーに溢れていたわけではありませんが、必要な時に必要な事をするエネルギーがありました。」

「最終ラップのブレーキングまでマーベリックが後ろにいるかどうかはわかりませんでした。エンジンは聞こえなかったのでブレーキもかなりイン側のラインで行う形になりました。その後”誰も俺をオーバーテイクすることは出来ない。俺が勝つんだ!”と思ってスロットルを全開にしました。チェッカーを受けた後もターン1までスロットルを緩めませんでしたね(笑)ここでDucatiで勝つというのは特別ですね。」

「今週の自分達のスピードは素晴らしいものがありました。まるでチャンピオンシップ争いが出来るようなスピードですね。ここまでこうしたチャンスがありませんでした。バルセロナのテストでもスピードがあったわけではありませんからね。毎週末がそれぞれ別で、小さな事が大きな違いを生み出します。ただ、まだチャンピオンシップ争いをするパッケージではないと思います。でも自分は常に安定したレースが出来るライダーですから、常にランキングのトップ5にいるんです。そうはいってもまだまだスピードは足りませんね。」

「今回はニッキーの69番という番号と一緒にレースをしました。これが自分達に出来る全てのことですが、ニッキーは皆の心の中に常にいるというのは確かなことですよ。」

(Photo courtesy of michelin)