オランダGPに関してのミシュランのプレビューをお届けします。オランダGPは「ダッチウェザー」と呼ばれる、全く読めない天候が特徴です。過去にはウェット、ウェットとドライが入り混じったレースで様々なドラマ、勝者が生まれました。今年も新たな優勝ライダーが生まれる可能性も高く、どうなるか楽しみな週末と言えます。

ミシュラン、伝統のダッチ TT へ

ミシュランと2017年MotoGPTM世界選手権は第8戦「The Netherlands for the Motul TT Assen」へ。舞台となるのはMotoGP最北の開催地、オランダのアッセンにあるTTサーキット・アッセンです。

全長4,542mのアッセンは、「カテドラル・オブ・スピード(※スピードの大聖堂)」としても知られ、ファンとレーサーの双方から好評のサーキットです。ヨーロッパ各地から集まる知識豊富で陽気なファンを前に、これまで数々の名レースが展開されて来ました。今年はダッチTTが87回目の開催を迎えます。このレースは1925年に初めて催されて以来、第二次世界大戦の影響で中止された1940年から1945年の間を除き、毎年開催されています。1949年にモーターサイクル世界選手権が創設された際、アッセンは最初の会場のひとつとなり、以来、毎年ここで選手権が開かれて来ました。今では選手権創設から開催を続ける唯一のサーキットとなっています。

コースは低速ターンから超高速ベンドまで様々なコーナーを有する、非常にテクニカルなレイアウトを見せています。6つの左コーナーと12の右コーナーを通し、リアタイヤには、特にバンク時のタイヤのサイド部分に高いグリップが要求されます。ここアッセン・サーキットの設計にはハードブレーキングゾーンがなく、コースはフロントタイヤへの要求は、(一部の新しいサーキットとは異なり)あまり高くはありません。これらの点を考慮して、フロント用のMICHELIN Power Slick にはすべて左右対称設計のソフト、ミディアム、そしてハードのコンパウンドが用意されます。

一方、リアタイヤはすべて左右非対称設計としています。右ターンが多いこのサーキットで耐久性を高め、最適なグリップを提供するため右側をよりハードなコンパウンドに、そして左側は素早く発熱し、右側のショルダー部分に負荷がかかった後もラバーに迅速に熱を与えられるようソフトなコンパウンドとしています。リアタイヤはソフト(ホワイトバンド)、ミディアム(バンドなし)、そしてハード(イエローバンド)が用意され、コンパウンドはコースに予想される中程度の摩耗の度合いをカバーするよう設計されています。昨年のアッセンはMotoGPシーズン全戦の中で最も雨量の多いレースとなりました。そのようなコンディションが繰り返されることは誰も望んではいませんが、ウエットコンディションとなった場合に備え、ソフトとミディアムの MICHELIN Power Rain タイヤが用意されます。

ダッチTTはこれまで伝統的に土曜日に開催されて来ましたが、昨年初めて日曜日にレースが行われました。今年もこの日程が継続されますが、レース開始時刻が見直されます。ミシュランとMotoGPのコンペティターは6月23日金曜日のプラクティス初日に走行を開始。翌土曜日にプラクティスと公式予選が行われます。26周で争われるレースは、いつもより早く、現地時間13時00分(日本時間20時00分)にスタートします。

2 輪モータースポーツグループ・マネージャー:ピエロ・タラマッソ

「アッセンは天候がまったく読めないので、常に難しい判断が強いられるレースです。すごく寒くなったことも、すごく暑くなったこともありましたし、昨年は激しい雨でレースを中断するほどでした。ですから私たちはあらゆる可能性に備えておかなければなりません。アッセンはモーターサイクルレースで最も伝統あるコースのひとつですし、常にビッグイベントですから。路面は一定ではなく、新しいアスファルトの部分と古いアスファルトの部分があり、そのことがグリップと摩耗のレベルに違いを生じさせています。新しい路面のセクションは滑りやすく、古いセクションは摩耗しやすいので、ライダーにとっては1周を通して一貫したフィーリングを得るのが難しく、さらにウエットコンディションになると非常にトリッキーなコースになります。」

「過去数年わたって変更が加えられているにもかかわらず、このコースはライダーに好まれていますが、そうした変更があっても独特のフィーリングは残っているのです。高速ベンドと低速コーナーが組み合わされているレイアウトで、タイヤはあらゆる種類のストレスへの対応を強いられます。また、ライダーがそれぞれ異なるラインどりをするコースでもあり、そのことがエキサイティングなレースにもつながるのです。私たちはドライコンディションでもウエットコンディションでも効果的なグリップと耐久性を提供するタイヤを用意しています。そして、エキサイティングな週末を期待しています」

(Photo courtesy of michelin)

<ミシュランタイヤ プレスリリース>