苦しみながらも#44オデンダル選手のダブル表彰台獲得と、#76 尾野選手のシングルフィニッシュで有意義なポルトガル大会が終了。

2017年7月24日 (日曜日)、FIM CEV Repsol国際選手権Moto2の決勝レース1と決勝レース2が土曜日の予選に続き、風がとても強い晴天のもと行われました。44号車のスティーブン・オデンダール選手(南アフリカ)は表彰台を掛けて戦えるマシンを仕上げることに成功していました。南アフリカ人のライダーにとってだけでなく、チームNTS Sportscode TProにとってもレース1、レース2において今シーズン最初の勝利を目指していました。

レース1では、スティーブンはRカルダス選手とサイドバイサイドのトップ争いを展開。9周目に後続のE.グラナード選手の追い上げがあり、スティーブンとカルダスと3名で1秒以内のトップグループを形成しました。残り2周のところで、グラナード選手がスティーブンをカルダスを引き離しにかかり、0.7秒の差をつけると、2位争いを展開するスティーブンとカルダスの大接戦がレース1のハイライトとなりました。スティーブンはマシンの限界まで攻めたものの、ゴールラインを割る時に僅かに0.013秒カルダスに及ばず、18周のレースを3位表彰台で終えることとなりました。

レース2では、レース1のデータ分析を元にサスペンションに微調整を行うことをチームが決めましたが、2周目、3周目とスティーブンがトップを走行したものの、セッティング変更の優位性が出ていないことは明らかで、1分42秒台で周回することが非常に難しい状況で、1分43秒台中盤から後半のタイムでラップを重ねることとなりました。

そのような苦しい中で、スティーブンは自分のポジションを守るために懸命に走りましたが、タイヤが摩耗するにつれて状況はより苦しくなり、他の選手に先行を許す結果となりました。しかし、最後まで諦めずに攻め続けたことにより、レース2のゴールラインを通過した時には2位表彰台を獲得することとなり、週末の締めくくりとしては納得できる内容となりました。

76号車の尾野弘樹選手(日本)、レース1では、モト2ルーキーは3周目に自身の予選タイムを上回る1分43秒6を叩き出したことからも、より自信を持ってきていることは明らかでした。12番手スタートから徐々に順位を上げ、この日本人は安定して1分44秒台のラップを重ねたことで9ポイント獲得の8位、シングルフィニッシュを達成しました。レース2の尾野選手は、レース1の分析からタイヤの内圧を少し下げることにし、レース終盤においてグリップが確保出来るようにセッティング変更を行いました。

合計18周の10周目で順位を9位に上げ、カルデラス選手との接近戦を展開。しかしエンジンの失火によるトラブルに苦しむ中で上の順位を目指していくことが非常に難しい状況となってしまいました。レース2の終盤、安定した1分44秒台をそれでも刻みながら、集中力を保ち結果として粘りの走りで7位完走を果たしました。チームはシングルフィニッシュを目標とした尾野選手の成果を嬉しく思いますし、これで尾野選手の目標が今シーズン中の表彰台獲得にシフトしたと感じています。

#44 スティーブン ・ オデンダール選手コメント (予選4位、 トップとの差 : 0.079 秒)

「自分にとってもNTSにとっても良い週末でした。2つの表彰台を獲得することが出来ました。レース1では優勝出来る可能性があったのですが、レース終盤で残念ながら一歩及ばないことろがありましたが、レースの組み立てという点では多くのポジティブが見えました。レース2ではレース1ほど上手くいきませんでしたが、今週末は総じて有意義な内容でしたので、次のレースではもっと強くなって帰ってきたいと思います。」

#76 尾野弘樹選手コメント : (予選12位、 トップとの差 : 1.714 秒)

「予定通りファイナルレシオを短くしたものを採用し、それが良かったのでレース1もレース2もそれを維持してレースに挑みました。レース1では特に使い切ってしまったフロントタイヤの特に右側に苦しみ、プッシュすることが出来ませんでした。レース2では、ペースは悪くなかったものの先行するライダーを抜くのに時間が掛かってしまい、もっと上の集団でレースをしたかったのですがそれが出来ず悔しいです。理由はいくつかあるのですが、ひとつは強い風に自分自身がうまく対処できなかったことと、途中からエンジンの失火に見舞われてしまったことです。とはいえ、より自信と安定感を以てバイクを操ることが出来てきているので、残りのレースではもっと上の順位を争えるように頑張りたいと思います。」

生田目將弘、 チームオーナーコメント :

「マシンの明らかな進化を確認することが出来て非常に良い週末でした。特にスティーブンの為に用意したスイングアームです。まだ足りていないピースがありますが、この選手権の夏休み期間中も引き続き強化していきたいと思っています。スティーブンのダブル表彰台獲得と、尾野の進化は嬉しく思う一方で、日本でこの活動を支えるNTSの社員を含むこのチームに必要なものは勝利なので、シーズン後半はそれを目指して頑張って行きたいと思っています。」

<NTS プレスリリース>