チェコGPの木曜プレスカンファレンスからロッシ選手のコメントを抜粋してご紹介します。チャンピオンシップのレベルに関してはエレクトロニクス、タイヤ、若いライダーのステップアップなどで高いレベルになっているとロッシ選手は語ります。また、過去のライバルと今のライバルとでは、ファイティングスピリットは変わらないとしています。

ニック・ハリス

「現在チャンピオンシップ4位ですが、ここでは1996年に初めて優勝しています。あと9戦で10ポイントですが、チャンピオンシップ争いにしっかりと加わっています。」

バレンティーノ・ロッシ

「ええ。こうしてチャンピオンシップ争いに加わっているというのが本当に嬉しいです。このチャンピオンシップは本当に興味深いですからね。1週間で色々な結果が出ていきますし、5名のライダー達がチャンピオンシップ争いでバトルを繰り広げています。こうして後半戦が始まりましたけど、毎週末何が起こるかわかりませんから本当に驚きの連続です。昨年はブルノで練習走行の中、ドライで高い競争力がありました。ただ日曜日にレインコンディションとなり、そこでハードタイヤを選択したことでポイントを獲得出来たのはラッキーでした。今週の日曜も表彰台を獲得したいと思います。」

 

ニック・ハリス

「多くのライダーが優勝する可能性がある中では、コンスタントさが何よりも大事ですね。」

バレンティーノ・ロッシ

「バイクとタイヤに関して良いフィーリングがある時は強い走りが出来ないといけませんし、そこまでスピードが無い時であってもあまり苦戦するわけにはいきません。ただ、時には日ごとに物事が大きく変わってしまうことがありますから、見方を変えるとこうして1週間ごとに物事が変わっていくという事はまだ穏やかと言えるのかもしれません。いかなる状況にも準備をして臨みたいと思います。」

 

Q

「ケビン・シュワンツが今のMotoGPは今までにない最高のレベルにあると話していましたが、それに対してどう思いますか?そして技術的にMotoGPを非常にエキサイティングにしているものは何だと思いますか?というのも7年前は5位のライダーはトップから40秒も離されていたわけですが。」

バレンティーノ・ロッシ

「そういうコメントをケビンがしてくれたのは嬉しいですね。彼もまたGP500の時は素晴らしいレースをしていましたね。そして確かにパフォーマンスのレベルは素晴らしいものがあると思います。今はトップ10、12位の選手が金曜から日曜の午後まで非常に接近している状態です。他のライダーも話したようにエレクトロニクスが共通化されたというのもありますし、ミシュランタイヤがフロントとリアに3つの選択肢を用意しているというのもあるでしょう。ですから、様々なライダーの様々なスタイルに合うタイヤが供給されているということなんだと思います。それにテクニカルルールも同様になりましたし、多くのバイクが非常に近いレベルで戦える状態になったんでしょう。そしてMoto2から沢山の才能ある若いライダーがやってきているのもあります。こういう状況で続いていくと良いですね。」

 

Q

「2019年にフィンランドでレースが行われるという発表がありました。来年はおそらく20戦になりそうですが、20戦というのは多すぎですか?それともテストの数を減らし、1ヶ月も夏休みを取らないということであればそうでもないと言えるのでしょうか?」

バレンティーノ・ロッシ

「もう少しF1のやり方を参考にする必要があるでしょう。今はF1は20戦ですか?マルクに同意ですね。確かに自分はテストよりレースのほうが好きです。楽しいですしね。18戦の時点でかなり多いですから、20戦が限界でしょう。ただなんとか出来るとは思います。重要なことはレースが興味深いトラック、MotoGPレベルのトラックで行われるということでしょう。良い施設、良いアスファルトなどがあることで、チャンピオンシップのレベルを高い状態に保つことが出来るわけです。」

 

Q

「バレンティーノ、このカテゴリーで21年間走っているのはあなただけです。そして毎年勝利をしている。あなたのライバルであったセテ・ジベルナウ、マックス・ビアッジなどと、今横に座っている3人のライダー達のファイティングスピリッツについての違いを語ってもらえますか?昔のライバルのほうが強かったのか、それとも現在のライバルのほうがあなたを苦しませているのか?どうでしょうか。」

バレンティーノ・ロッシ

ファイティングスピリットということに関しては、ジベルナウ、ビアッジ、カピロッシといったライダー達と、今のライバル達はかわらないと思いますよ。ただ若いライダーというのは年月を重ねるごとにどんどんレベルアップしていきます。それに技術的な違いもあります。昨年の時点で、レースはスタートの1コーナーから最終ラップの最終コーナーまで100%で走る必要がありました。これが15年前、10年前との最大の違いだと思います。昔は色々と戦略もありましたし、タイヤも温まるまで2周半ほどかかりましたし、最終ラップ付近のタイムは1秒か1秒半は遅い状態でした。現在のレースでは初めから終わりまでさらに集中している必要があります。それにフィジカル面での準備というのも重要になっています。ですから、今のライバル達のほうが強いと言えるでしょう。ただ、ファイティングスピリットという面では互角だと思います。」

(Photo courtesy of michelin)