★MotoGP2017チェコGP チーム代表プレスカンファレンス(チーム代表が語るMotoGP2017)

先週金曜日に行われた各メーカーのMotoGPプロジェクトを主導するチーム代表へのプレスカンファレンスの翻訳です。タイヤについて、ルール変更について、ウイングレット禁止は失敗だったと思うか?など色々興味深い質問がありました。日本メーカーの場合は英語で行われたプレスカンファレンスのためコメントが少なめです。スズキの場合はシーズン後半からプロジェクトリーダーが佐原さんに変更となったことで、昨年との比較などの質問には苦労している様子が見られました。佐原さんも「私も正直学習中なんです。」と答えており、選手のマシン適合の問題と合わせて、後半戦に若干不安が募ります。

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ニック・ハリス

「まずはこの素晴らしいシーズンになっていますが、このプレスカンファレンスは今回メディアがメーカーに質問をする絶好の機会となります。多くの質問があると思いますが、どうか自分の番が来るまで待ってください。今日ここに集まってもらったのは、HRCテクニカルディレクターの国分 信一氏、2017年のM1プロジェクトリーダーである津谷 晃司氏、Ducatiジェネラルマネージャーのジジ・ダッリーニャ、スズキレーシンググループのマナージャー佐原 伸一氏、アプリリアのレーシングマナージャーであるロマーノ・アルベシアーノ、KTMのテクニカルディレクターであるセバスチャン・リッセです。」

「それではまずは国分さんから伺いましょう。シーズン前半をチャンピオンをリードしていますが、新たな開発が多数あると思います。今日を例にとっても新たなエアロダイナミクスファリングを投入しました。新しいシャーシもありますし、オーストリアのレースの後はここブルノでテストもあります。こうした開発というのは非常に重要なのでしょうね。」

HRC 国分 信一

「シーズン中にすべての部分の開発を進めることが重要です。シーズンの中で改善を進め、同時に来年のバイクに関しても作業も続けて行く必要があります。」

 

ニック・ハリス

「パワーデリバリーというのはホンダにとって非常に重要な開発項目だと思います。物凄いパワーをある程度抑える必要というのはあったのでしょうか?」

HRC 国分 信一

「エンジン開発に関してはシーズン中に異なるアプローチをとっています。色々と異なる方法をとっているということだけですね。」

 

ニック・ハリス

「カル・クラッチローがHRCに加わりました。もちろんLCRのライダーではありますが、彼が加わったことは将来的に大きな助けとなるのでしょうか?」

HRC 国分 信一

「時にはレプソルライダーよりも先に彼がテストをすることがあります。ですから、彼はバイクの開発においては大きな助けとなっています。ですから来シーズンも同様に彼が助けとなってくれることを望んでいます。」

 

ニック・ハリス

「ありがとうございます。それでは津谷さんにお聞きします。2名のライダーがチャンピオンシップ争いに加わっているわけですが、どういったことが問題なのでしょうか?」

ヤマハ 津谷 晃司

「ヘレス、カタルーニャのような低グリップのコンディションで、新型バイクのパフォーマンスが出ないという問題がありました。そのためヤマハの強みであるコーナリングスピードを発揮出来なかったということがありました。そのためタイムが伸びないという問題があったんです。」

 

ニック・ハリス

「アッセンでは新しいシャーシが両ライダーに供給されました。ただ、2016年型でテック3ライダー達が良い結果を収めていたわけで、難しい決定だったのではないでしょうか?」

ヤマハ 津谷 晃司

「バルセロナではオフィシャルテストのあと1日残って合計2日テストをしました。そこで両ライダーに合計で4つのシャーシをテストしてもらいました。1つは今年のシャーシ、1つは2016年のテック3が使用しているものと同様のシャーシ、そして2種類の新しいシャーシも用意しました。そして最終的に両ライダーが同じシャーシを選択し、それが新しいシャーシのうち1つだったんです。ですから、現在は両ライダーが同じ新型シャーシを使用しています。」

 

ニック・ハリス

「グリップが低いサーキットで苦戦したということですが、これは改善されたのでしょうか?」

ヤマハ 津谷 晃司

「ええ。そう願っています(笑)」

 

ニック・ハリス

「それではDucatiのジジ・ダッリーニャ。昨年ここでウイングレットに関して話をしたかどうか覚えていませんが、今年はウイングがないわけですが、問題は解決したのでしょうか?現在も新しいフェアリングを使用していますが、ウイングレットに関しては今でも残念だと思っているのでしょうか?」

Ducati ジジ・ダッリーニャ

「もちろんウイングレットの禁止は残念だと思っていますが、今も作業を続けているところです。前半戦に関しては我々のバイクの全体的な結果には満足しています。ミサノでは2週間前にダニロ・ペトルッチと新しいフェアリングのテストをして非常に良い結果が得られました。ただ、今日と明日に関しては天候次第というところがあるでしょう。この新しいフェアリングは違うライダーで違うトラックでテストをしたわけですので、正直何を期待すべきがわかりません。前進出来ることを望んではいますけどね。」

 

ニック・ハリス

「2人のライダーがいるというのは大変なことだと思いますが、ホルへ・ロレンソがやってきて、アンドレア・ドヴィツィオーゾはすべての期待を超えてチャンピオンシップをリードもしましたし2勝しています。」

Ducati ジジ・ダッリーニャ

「ドヴィはムジェロとバルセロナで素晴らしいレースをしてくれました。ただアッセンにしても中盤は素晴らしい走りでしたよね。おそらくレースの中盤に関しては彼が最速だったでしょう。確かにロレンソに関してはもっと問題を抱えているわけですが、今日のウェットコンディションでは彼は非常に素晴らしいライディングを披露しました。ラップタイムも良くてコンスタントでした。これからのレースでロレンソのパフォーマンスも上がってくることを望んでいます。」

 

ニック・ハリス

「チャンピオンシップをしっかりとリードするには、何を改善すれば良いのでしょうか?」

Ducati ジジ・ダッリーニャ

「ストーナーが去って以来のチャンピオンシップをリードするという経験でした。ただ現在もトップから6ポイント差ですから、今までやってきた事を誇りに思います。ですからバイクも間違いなく弱点があり、強い点もあるわけです。そしてバイクのバランスに関しては非常に良いと思っています。改善すべき点はありますが、これに取り組んでいます。」

 

ニック・ハリス

「ありがとう。それではスズキの佐原さん。新しいライダーが2人やってきて、あまり良い状態ではないわけですが、何が問題なのでしょう?」

スズキ 佐原 伸一

「確かにイアンノーネは我々のバイクへの適応に時間がかかっていますし、我々もバイクのキャラクターをライダーに合わせるということに時間がかかっています。それにアレックス・リンスは残念ながら怪我が続いています。ようやく彼の怪我も治って良い状態にあります。ただ、2人とも今シーズンの残りに対してのモチベーションに溢れています。」

 

ニック・ハリス

「改善作業を続ける中で、イアンノーネのスタイルにバイクを合わせたり、イアンノーネもバイクに合わせるということもあり非常に大きな課題だと思うのですが。」

スズキ 佐原 伸一

「ただ、それはお互いに歩み寄りが必要な部分だと思います。確かに昨年と比較して今年はバイクに変更を加えた部分があります。そしてこの変更によって、特定のコンディションではこれが上手く機能しているんですが、あるコンディションでは変更によるネガティブなポイントが結果に影響を及ぼすことがあります。これが我々の想定した以上なんですね。そのせいで苦戦しているんでしょう。」

 

ニック・ハリス

「ありがとうございます。それではアプリリアのロマーノ・アルベシアーノ。同じく2人の新しいライダーを抱え、そして開発をしようとしているわけで、非常に難しい状況だと思います。」

アプリリア ロマーノ・アルベシアーノ

「確かに両ライダーを変更するリスクはあると思っていました。ただ、そのことによるチャンスのほうが大きいとも思っていました。ですからアレイシ・エスパルガロがバイクをしっかりと開発してくれているというのは嬉しいことなんです。我々の計画としては経験のあるライダーとルーキーライダーというものです。これに関して経験あるライダーの彼は非常に良い仕事をしてくれています。これはチャンピオンシップ順位ではなくて、日ごとにガレージ内で感じられる雰囲気という意味です。ですからこれは本当に嬉しいですし、サムに関しては彼のポテンシャルを発揮するにはまだまだ時間がかかりますね。」

 

ニック・ハリス

「開発に関しては今週新しいエキゾーストの投入であったり、色々と続いているのだと思います。」

アプリリア ロマーノ・アルベシアーノ

「確かに開発がメインの仕事ですからね。それにバイクバランスやエレクトロニクスも良い形で動作しています。弱点はエンジンパフォーマンスで悪いということではないんですが、エンジンパフォーマンスの改善は今のところ最も力を入れている部分なんです。」

 

ニック・ハリス

「エンジン開発ということでは、信頼性に関する問題もありますね。バランスを見つけるのは難しいのだと思いますが。」

アプリリア ロマーノ・アルベシアーノ

「確かに常に限界ですからね。確かに限界でプッシュし過ぎた際に(故障によって)手痛いレッスンとなりましたが、そこから学んでいければと思います。」

 

ニック・ハリス

「ありがとう。それでは最後にKTMのセバスチャン・リッセ。昨年はここにいなかったわけですが、今シーズン前半に関しては非常に満足しているのではないでしょうか?」

KTM セバスチャン・リッセ

「ええ。もちろんです。ただ、常に次のステップというのは考えています。シーズン中に既にかなりの改善が進みました。結果、そしてライダー達からのコメントを聞くとかなりの改善をしていることは明らかでしたし、非常に満足して夏休みを迎えることが出来ました。」

 

ニック・ハリス

「レースと開発をすべて同じ週に行っているという意味で、あなた達は他のメーカー達とは異なると言えますね。」

KTM セバスチャン・リッセ

「そうですね。確かに大きな挑戦です。いつトラック走行があるかなどタイムフレームを管理すること、そしてタイヤ、トラックコンディション、トラックの性格などに合わせてどういった事をするのかを判断すること。また、あるトラックに関して進めた開発内容が他のトラックでも通用するのかなど。確かに大変ですが、今はそうでもありません。」

 

ニック・ハリス

「エンジン、フレーム、フェアリングなど色々な開発があるのだと思いますが。」

KTM セバスチャン・リッセ

「ええ。すべてのエリアで大きな前進が出来たと思っています。エンジンに関してはヘレスで全く新しいスペックのエンジンを投入しました。エアロダイナミクスに関しては1年目のアドバンテージ(※変更回数に制限なし)が大きいので、このメリットを存分に活用しようと思っています。エアロダイナミクスに関してはいくつかの案があって、ダウンフォースの発生が非常に大きなポイントとなります。今のものはほとんどどのトラックでも使用することが出来るので、かなりいい形で開発が出来ていると思います。シャーシに関してはスチールフレームとWPサスペンションというのは大きな大きなチャレンジです。これは通常の方法に比べても学ぶべき内容が多いということからです。セッティング、シャーシ、その他のパーツなど色々と作業を続けている中です。ザクセンリンク、アラゴンなど色々と面白い内容がありました。今はドライコンディションでテストするのが待ち遠しいというところです。(※プレスカンファレンスは金曜に行われました。)

 

ニック・ハリス

「3名ライダーがいるというのは、3つ異なる意見があるということだと思うのですが。」

KTM セバスチャン・リッセ

「ええ。異なるキャラクターのライダー達ですが、ザクセンリンクを例に出すと最終的な結果は非常に近いんです。異なるパーツを試して、レース中に異なる問題を抱えているんですが、最終的な核となる問題は同じなんです。これは我々にとっても役立ちますし、どの部分に集中すれば良いのかがわかりやすいんです。もちろん詳細な部分は別の話ですがね。」

ニック・ハリス

「ありがとうございます。それでは私からは以上です。フロアからの質問をどうぞ。」

 

Q

「今年はタイヤのパフォーマンスがトラックごとにコロコロ変わるという不満がライダー達から出ています。これによってタイヤ、そしてバイクのパフォーマンスを理解するのが難しいという話が出ています。開発を手動する立場として、こういうタイヤであるとあなた方にとっても非常に厳しい状況なのでしょうか?」

KTM セバスチャン・リッセ

「うちに取ってはそうですね。やはり今年が1年目ですから。難しい1年目になるとは予想していましたが、こういう形でタイヤのパフォーマンスが変わるということがノーマルな状況なのかどうなのかの判断は私には付きません。ただトリッキーな状況であることは予想していました。それに最終的に適切な妥協を行うというのは、エンジニアリングにおける正しい妥協点であると感じています。」

スズキ 佐原 伸一

「我々にとって厳しい難しい問題です。タイヤが期待していたように機能しない時は確かに辛いものがあります。ただ、我々にとってバイクの開発というのは常にコンスタントなものです。ですから、直接的にタイヤパフォーマンスとは関係ないと思っています。今までのところはね。」

ヤマハ 津谷 晃司

「確かに難しい質問ですね。ミシュランは良い仕事をしていると思います。ただ時にうちバイクがタイヤの性能を引き出せない時があります。またタイヤが機能する温度域が狭いと感じることはあります。ですからこの部分に関してヤマハは改善が必要ですし、今も作業を続けているところです。こうした問題が解決出来ることを願っています。」

HRC 国分 信一

「タイヤはこうしたレース活動においては非常に重要な要素だと思います。ミシュランは3種類のタイヤを各ライダー達に用意していますから、メーカーもイベントごとにそれに対応する必要があるわけです。時には良い時もあり、悪い時もある。これは人生においてもレースにおいてもそうだと思います。ですから理解しようとすること。バイクの側でバイクをより理解しようとすることでしょうね。」

Ducati ジジ・ダッリーニャ

「当然タイヤはバイクにおいて最も重要なパーツです。バイクのパフォーマンスを上げたければ、タイヤをバイクに対してちゃんと機能させることを考えないといけません。Ducatiはこれを過去2年間で学んだんです。タイヤの消耗、そしていかにバイクのセットアップを行うかということ。異なるコンディションでパフォーマンスを出すためにどうするかということなどです。ですから過去にこうした事をミシュランと共に学んだことに関して非常に嬉しく思っています。皆がタイヤへの不平を口にしますが、時にはグリップの不足はタイヤからによるものでは無いことがあります。トラックコンディションが非常に悪い時などがそうです。ですからトラックのグリップレベルの改善、バンプの改善なども必要となってくるでしょう。」

アプリリア ロマーノ・アルベシアーノ

「オースティンのレースを除いてシーズン中のパフォーマンスは安定していたように思います。ですからタイヤの問題はうちは感じていません。バイクがタイヤに適応していくべきであって、我々にとっては特別な問題というわけではありません。」

 

Q

「カタルーニャにおいて、来年サム・ロウズに変わる可能性がある他のライダーと話をしていると話していました。サムのアプリリアでのポジションは、その後安定したと言えるでしょうか?」

アプリリア ロマーノ・アルベシアーノ

「現状彼のポジションは安定していると言えるでしょう。彼にはもう少しチャンスを与えようと思っています。今シーズンは他のルーキーライダーが目覚ましい活躍を遂げています。通常は非常にレベルの高いライダーであっても、ああいった結果を得るには時間がかかるものです。彼のパフォーマンスは良い方向に向かっていますが、この後の2戦で彼がさらにしっかりとした結果を見せてくれることを期待しています。その結果をみて最終的な判断を下したいと思います。」

 

Q

「テクニカルルールに関して変更して欲しいと思う点はありますでしょうか?重量、エンジンなど、ルールは完璧ではないと思うのですが、どのような点が改善されれば良いかなど、聞かせて下さい。」

KTM セバスチャン・リッセ

「KTMは新参メーカーですから、そこにあるルールに従ってバイクを作っていくというのはスタッフにとっては大きなチャレンジとなります。現時点で言えば、特にこれといって変更をして欲しいと思うような部分はありません。」

スズキ 佐原 伸一

「昨年スズキは良い結果を出しましたが、それによってエンジン開発の制限を受けるようになってしまいました。ただ実際はエンジン内部以外の開発は進んでいますので、特に大きな問題にはなっていないんです。シャーシやフェアリングだとかですね。ですからそうした開発は続けているというのが、我々の状況です。」

ヤマハ 津谷 晃司

「ヤマハに関しても特に大きな問題はないというのが実情です。特にこれといったリクエストもありません。しかし、正直なところウイングレットの禁止、エアロダイナミクスに関する開発の禁止という内容に関しては残念に思っています。開発出来る幅というのが年々小さくなっていて、これも残念だと思っていることですね。」

HRC 国分 信一

「今のところ特にこれといったリクエストはありません。ですが競争力を発揮すること、安全性、そして開発に関してもう少し考える必要があるように思います。ですが、今のところはこれといったアイディアというのはありません。」

Ducati ジジ・ダッリーニャ

「我々が思うに、ルールはある程度の年月変わらないどっしりとしたものであるべきだと思います。私は昨年のルールのほうが好きでしたから、今年のルールに関してはハッピーとは言えません(笑)とは言え、特にこれといったリクエストはありませんね。」

アプリリア ロマーノ・アルベシアーノ

「ジジに賛成ですね。ルールが安定していること、これを一番に望みます。これは皆もそうだと思います。また、ルールは(市販車に役立つ)開発に対して紐付いているべきで、市販車で許可されていることがMotoGPでは禁止されているというのはナンセンスだと思っています。ただ、いくつかのルールは開発費の上昇を抑えるためとも言うことも出来ますね。ただ、ルールが安定していることが一番ですね。」

 

Q

「明らかにウイングレットの禁止はエアロダイナミクスの開発を止めることには繋がりませんでした。昨年と比較した場合、コスト面ではどちらのほうがかかっているのでしょうか?」

アプリリア ロマーノ・アルベシアーノ

「技術的には今年のほうがより複雑になっています。昨年はバイクのフェアリングの鼻先にウイングを付けるだけで良かったんです。これで簡単にダンフォースを得ることが出来ました。今年に関してはどのようにすれば同じような効果が得られるのかを、かなり考える必要性が出てきました。ですから、理屈でいうと今年のほうが開発コストはかかるわけですが、新しいルールによってフェアリングの数には制限があります。とは言え、今年のほうが高額になっていると思います。」

Ducati ジジ・ダッリーニャ

「Ducatiは今年明らかに多くの資金を開発に使用しています。最初に登場させたカウルに関しては冬季のテストなど多くの時間を使い、テクニカルオフィスも完全に異なるフェアリングに関する計算を行ってきました。2つ目のカウルに関してもほとんど同様の資金を使っていると思います。これも冬季にかけた時間はほぼ同様でしたから。」

HRC 国分 信一

「ホンダに関しては昨年よりも少ない予算ですね(笑)」

Ducati ジジ・ダッリーニャ

「それは良かったですね。(笑)」

ヤマハ 津谷 晃司

「ヤマハはコストという面では昨年とほとんど同じです。」

スズキ 佐原 伸一

「スズキの場合はファクトリーで行っている作業はほぼ変わりません。エアロダイナミクスの開発に関する禁止があって、年に1回だけ?(※隣の津谷さんに確認する)の変更という状況でも作業は同じです。良い結果が得られた時に、年に1回の変更を行うということです。」

KTM セバスチャン・リッセ

「KTMは参戦初年度ですので比較対象がないのですし、今年はニューカマーということでルールも特殊です。ですから、今年と来年を比べるしかないのだと思いますが、来年関しては費用は同じでしょう。実際に開発に必要な内容は減るわけですが、現状はエアロダイナミクスに関するパーツが5つあって、それぞれにコストがかかります。あとはこの方向で行こうということを確認するためにトラック上のテストがより重要になるでしょう。さらにシミュレーションが必要でそうし、最終的にはこれがその分余計な資金を必要とするわけです。あまり大きな差が生まれるとは思いませんね。」

 

Q

「市販のプロダクションバイクの重要はMotoGPマシンに近い状態です。MotoGPマシンはもっと軽いほうが良いと思いますか?」

Ducati ジジ・ダッリーニャ

「正直、一番の問題はコストで、さらに重量を軽くするとなるとさらに資金が必要になりますす。これは特別な材料を使用し、デザインやパーツなどすべてのものをやり直す必要があるからです。ですからアイディアとして考えることは出来ますが、パフォーマンス面での向上は粗ないと思います。ですから先程もお話したとおりに、ルールはある程度安定感があるものが良いということなんです。今のところは問題ありませんね。」

 

Q

「スチールフレームに関してなんですが、特定のタイヤに合わせて必要な性能を、重量が嵩むソリューションに頼らずに発揮出来るのでしょうか?」

KTM セバスチャン・リッセ

「そう思っています。他のクラスでは経験がありますし基本的に求められることは同じです。今メインで取り組んでいるのはノウハウ、ターゲットは何か?ということです。目標を達成するためのデザインということに関しては、スチールフレームに関しては多くノウハウを持っていますから、KTMの場合大きな問題とはなりません。ただ、このタイヤが求めているもの、このクラスで必要とされているものは何かということを知る必要があります。他のクラスと比較すると非常にパワフルなバイクですからね。ただスチールフレームでも出来ると思っています。」

 

Q

「エンジン開発の凍結、統一エレクトロニクス、統一ソフトウェアなどがあることで、よりシャーシデザインに集中し、よりシャーシについて学習するようになったなど、他の部分がより重要になってきたということはあるのでしょうか?」

Ducati ジジ・ダッリーニャ

「最終的には次のシーズンに向けてエンジンを開発しなければいけないことはかわりません。ですから開発が止まるわけではありません。それにこうした開発の制限があったとしても無かったとしても、MotoGPバイクを作るのに必要な人数に関しては大きな変化はありません。開発コストに関してはこのルール下であれば少なくなります。このルール下であればすべてのパーツを同時に進めることが出来ます。それに開発が自由である場合に比べると、開発が必要なパーツの数も少なくなります。」

HRC 国分 信一

「この開発制限の下では、よりエンジンとシャーシのパフォーマンスのベース部分に集中をする必要があります。」

 

Q

「今日のフェアリングはダニとマルクでエアロダイナミクス部分が少し異なるものでした。これは異なるフェアリングなのか、モディファイされた同じフェアリングなのでしょうか?」

HRC 国分 信一

「今年は各ライダーごとに認証を受ける必要があります。ですから、このデザインは2人とも異なるものです。」

 

Q

「開発コストは昨年とあまり変わらないという話ですし、ウイングレットなしに多くのバイクがサーキットへの適合に苦戦する中で、今また同じ問題を判断するとしたらウイングレットの禁止はしないでしょうか?ウイングレット禁止はミスで、ウイングレットがあったほうが良かったのでしょうか?」

アプリリア ロマーノ・アルベシアーノ

「正直アプリリアはウイングレット禁止には乗り気ではありませんでした。安全性との妥協点を探ろうとしていたんです。ただウイングの形状のせいもあって難しかったんです。」

Ducati ジジ・ダッリーニャ

「もちろんDucatiはウイングレット使用の可能性を探っていました。今年もムジェロなどのサーキットで、ウイングレット無しのバイクはウイング有りのバイクに比べて安全性が低いことがわかっています。例えばストレートの終わりなどで、ウイング無しではウイング有りの場合のような安定感は得られないんです。」

HRC 国分 信一

「安全性とエアロダイナミクスの効果の妥協点を探そうとしていたわけであって、あくまでも昨年の決定はミスでは無かったと思います。」

ヤマハ 津谷 晃司

「ウイングレットが禁止となったのは少し残念だと言いましたけど、今は手遅れです。それに既に異なる解決策を見つけているわけですし、ウイングレットを使用したかったというのはありますけど、現時点ではレギュレーションに関して問題はありません。」

スズキ 佐原 伸一

「私は昨年の議論に加わっていませんから何とも言えませんし、それがミスだったとも言えません。単純にうちのエンジニアにウイングレットを使用せずにエアロダイナミクスを発生させるようにとオーダーしただけです。」

KTM セバスチャン・リッセ

「我々にとってはこのルール変更は安全性を高めるためだったというのは明確です。確かにこの決定によってより難しい状況になることは明らかでしたが、こういう事を頭に入れて性能を発揮しようとしているわけですから。KTMはウイングレットを持ったバイクがありませんでしたが、それでも性能のロスが発生するという決定だったわけです。そしてこのチャレンジに挑戦しています。今のところ問題はありません。」

 

Q

「シーズン半ばにMotoGPのプロジェクトリーダーを引き継いだわけですが、これから今までの方向性を大きく変えるようなことは考えているのでしょうか?」

スズキ 佐原 伸一

「現時点での私の方針は前任者と変わりません。正直なところ私自身も学習をしているところで、どの方向性が良いか模索しているところなんです。」

 

ニック・ハリス

「OK、それでは皆さんどうもありがとうございました。」

(Photo courtesy of michelin)

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