★MotoGP2017チェコGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

ご紹介のタイミングが遅くなりましたが、チェコGPの決勝プレスカンファレンスの翻訳です。今回はマルケス選手、そしてチームの的確な判断が勝敗を左右することになったと言えると思います。しかしさらに振り返れば、夏休み明けのレースに備えて同じサーキットで夏休み中にテストを行い、セッティングなど含めて作り込むことの重要性を意識していたレプソルホンダ陣営の素晴らしい意思決定が、レプソルホンダのワンツーという結果を呼び込んだとも言えるでしょう。

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ニック・ハリス

「まずはマルケスから聞きましょう。正直にいうとスタート時のタイヤ選択には皆が驚いたと思います。しかしその後は素晴らしい走りでした」

マルク・マルケス

「ええ。正直非常に難しい日曜でした。まずは今日は特別な日曜だと思います。というのも、今日は全てのライダーが1人の伝説のライダーの為にライディングをした日だったと思います。アンヘルが今日はさらなるモチベーションを与えてくれました。今日は優勝出来るようリスクを犯してみようと思っていました。最初にグリッドで下した判断。これは誤った判断だったと思います。皆がハード/ハードの組み合わせで何も言わなかったんですが、リアにソフトを履いてみるという決断をしました。」

「これは序盤の4周、5周で目一杯プッシュをしようと思っていたからです。そしてドライになったタイミングでピットインをするという作戦でした。ただリアはあまりにも柔らかすぎてスピンが多発してしまい、かなりのポジションを失うこととなりました。これによってより速くボックスに入るという決断をするに至ったんです。ただ、スリックタイヤを履いて走りだした時は、トラックはまだかなり濡れていてピットアウトした1周目は3回、4回と転倒しそうになりました。ただその後に少し落ち着いて、タイヤを暖めるようにして走りました。何周目かはわかりませんが、スタートラインを通過した時に”P1/+18秒、もしくは+20秒”という表記を見て非常に嬉しかったんです。その後日差しが差し込んできて、全てが明確になってきました。それから良い形でスムーズにライディングが出来るようになり、最後まで走ることができたんです。」
 

ニック・ハリス

「ここまでリードが大きいと、レースをする精神というのもまた変わってくるんでしょうね。」

マルク・マルケス

「このサーキットは通常非常に苦戦するサーキットですけど、今週末は非常に良い感触を感じていました。夏休みの間に行ったテストが非常に重要で、通常はいつもここでレースをする時は苦戦しているので心配しながらレースを迎えることになるんです。ただ、ここを25ポイント獲得して後にするというの、大きな自信を自分に与えてくれます。今日はなぜかわかりませんが、起きてすぐに”今日はリスクを取って走りたい”と思えたんです。ただ、最終的にはチャンピオンシップにおいて25ポイントというのは非常に重要になります。」

 

ニック・ハリス

「来週のレッドブル・リンクはいかがでしょう?ここはまだ1回しかレースをしたことがないわけですが。」

マルク・マルケス

「まずはこの勝利を楽しむことが重要でしょう。すべての勝利が重要なものですから。明日はまた大事なテストがあって、セッティングなど含めていくつかの内容をテストします。このテストで昨年苦戦したレッドブル・リンクに向けて理解を進めたいと思います。ただ苦戦したとは言え、そこまで離されていたわけではありません。少し改善すること出来れば、表彰台争いが出来るでしょう。また来週FP1、FP2を終えた後にどうであるかお伝え出来るでしょう。」

 

ニック・ハリス

「マルクありがとう。素晴らしいチームの素晴らしい戦略が実りましたね。それではダニ。最後はやや一人旅という状態でしたが、あと1周速くピットインしておけばという想いはあるでしょう。ただ、それを今言うのは簡単ですね。」

ダニ・ペドロサ

「ええ。レースが終わった後にそういったことをいうのは簡単です。確かにこういったウェットからドライになるレースをMoto2で雨が降るまでは予想はしていました。ただ、今日は1日中小降りの後に雨が止むということが何回かあって、グリッドについた時にこういうレースになるとは思っていませんでした。ですから、この後も雨が降るものだと思っていたんです。ただ、ウォームアップラップの後になってこれから晴れるというのがわかり、1周目に集中していました。しかしトラックがいかに速く乾いていくかという事には驚かされました。通常はもっと時間がかかるものですからね。その後ピットインをしようと思ったんですけど、もう1周だけ走ろうと思ったんです。残念ながらあと1周速くピットインしていればもっと楽なレースになったでしょう。ただ、通常はこうしたレースは苦戦をしてしまうのでこの結果は嬉しく思っています。ボックスからスリックに履き替えて出て行くときも良いスピードでしたし、その後も良いペースで走ることが出来ました。レースウィークも競争力を発揮することが出来ましたし、これは自分と自分のチームにとっても良いことでした。ですから結果に関しては非常にポジティブだと思いますし、タイヤも良い形で機能しました。全体的に非常に満足しています。」

 

ニック・ハリス

「ダニありがとう。それではマーべリック・ビニャーレス。表彰台に帰ってきました。マルクが素晴らしいギャンブルを成功させましたが、あなたも非常に重要なポイントを獲得しました。」

マーべリック・ビニャーレス

「ええ。今週末は本当にタフでしたからね。幸運にもグリッドで太陽が見え始めました。1周目はハードタイヤで良い走行が出来ましたが、2周ですぐにピットインするかどうかを考えていたんです。ただ、あまりにも多くの選手がいたので、もう1周してからということにしました。でもスリックタイヤを履いてタイヤを暖めた後は良いフィーリングで走行することが出来ました。特にレースの終盤には良いフィーリングがありました。シーズン前半のバイクに対するフィーリングを改善することが出来たのが嬉しいですね。」

 

ニック・ハリス

「ムジェロ以来の表彰台です。確かにレース後半により快適に走っているようでした。」

マーべリック・ビニャーレス

「こうして表彰台に戻ってこれたのは非常に重要です。チームにとっても自信やモチベーションを回復することが出来たでしょう。チャンピオンシップにおいてもこの表彰台は重要だったと思います。フィーリングも改善出来ましたし、明日はまた重要なテストがあります。」
 

ニック・ハリス

「マーベリックありがとう。こうして3名のスペイン人ライダーが表彰台を獲得したことは、レースを見守っていたアンヘル・ニエトにとっても最高の贈り物となったでしょう。私からは以上です。それではフロアからの質問をどうぞ。」

 

Q

「スタート時点でスリックを履くというのはあり得なかったのでしょうか?またアレイシ・エスパルガロはピットレーンでの事故が起こり得る、いかにフラッグtoフラッグのレースを変えるべきかと以前話していましたが、今回の事故に関してどのような思いでしょうか?」

マルク・マルケス

「今日はスリックでスタートするというのはあまりにも危険だったと思います。非常に重く、パワフルなバイクですから。ただダニが話していたように、トラックは想像していた以上に速くドライになりました。アレイシの事故は自分は見ておらず説明を受けたという形なんですが、アレイシがピットアウトする時にイアンノーネがピットインしてきたということのようですね。ただ思うにこれはチームのミスなんじゃないかと思います。通常ピットアウトする時にチームが他のライダーが入ってくるのを見た場合は、チームがライダーを止める必要があります。これはF1のような形ですね。そのメカニックがドライバーを制止している間はドライバーは走り出せないわけです。ですからこれはチームのミスなんだと思います。」(※この後映像によってチームはアレイシ選手のバイクを制止しようとしていたことが明らかになっています。)

ダニ・ペドロサ

「自分も事故の映像は見ていません。それにスリックで出走するというのはリスクが大きすぎたでしょう。ただ、トラックが以前よりも早めに乾いていったというのは事実です。他のレース、また他の練習走行では、ここまでは速く乾いてはいませんでしたよね。ピットでの事故に関しては映像を見ていませんし、何ともわかりません。ですからこれに関して特に意見を言うというのは難しいですね。」

マーべリック・ビニャーレス

「スリックタイヤを履くというのはリスキー過ぎたと思います。たとえトラックが通常よりも速く乾いていったのだとしてもね。金曜やMoto3の走行よりも早かったとしてもリスクが大きかったでしょう。事故に関しては自分も見ていないので何とも言えませんが、チームもその責任があるでしょう。」

 

Q

「スペイン人ライダーが3人こうして並び、アンヘル・ニエトに捧げるのに相応しい結果と思いますが、何か一言お願いします。」

マルク・マルケス

「そうですね。スタート前にグリッドに並んだ時は何とも言えない気持ちになりましたね。パドック全体がそこにいて素晴らしい感情を得ました。少し雨が降っていてアンヘルのためにブルノが泣いているようでしたね。今日は自分が優勝して、こうしてスペイン人が3人並びましたけど、今日は皆がアンヘルのためにレースをしたということが非常に重要なことだったと思います。今日、そして今週は彼に捧げるものです。」

ダニ・ペドロサ

「こうした最高峰クラスで3人のスペイン人ライダーが表彰台を獲得するというのは素晴らしいことです。スペイン人にとっては彼がこうしたレースの始まりとも言える存在ですから。それにマルクが言ったように、アンヘルはこのレース界を本当に愛していたと思います。今日はグリッド上の全てのライダーがレースを彼に捧げたのだと思います。」

マーべリック・ビニャーレス

「こうしてスペイン人が並んで、今週は本当にアンヘルに捧げるレースとなったと思います。ただアンヘルはスペイン人ライダーだけでなく、全てのライダーにとって特別な存在だったと思います。こうして自分達は表彰台を獲得して笑顔になることが出来ましたけど、少なくとも自分の表彰台を彼に捧げることが出来たと思います。」

 

Q

「今日はスタート時のタイヤ選択のミスによって勝てたとも言えるのでしょうか?」

マルク・マルケス

「そうですね。(笑)これはドイツのフラッグtoフラッグのレースのようでした。あの時もフロントにソフトを選んで非常に苦戦していましたから、今日も同じでしたね。今日はソフトを履いていましたが、これが自分だけだったのかどうかはわかりません。少なくともトップ集団の中では自分だけだったでしょう。なぜソフトと指示したのかはわかりませんが、走りだしてみるとこれがミスだったとわかりました。これのせいで非常に速い段階でボックスに入ることになってしまったんです。ピットから出た時は正確には覚えていませんが、3回か4回は転倒しそうになりました。特にターン3ではフロントがロックしてしまいました。ただ、良い仕事が出来たと思います。チームもバイクを早い段階で用意していてくれましたから。ホルヘの場合などはピットインした段階ではバイクが用意されていませんでしたからね。バイクも用意されていて全てが計画通りにいって、本当に嬉しいです。」

 

Q

「マルク、今日のピットボックスの事故に関しては実際見ていないので、あまり話したくないということでした。しかしフラッグtoフラッグのレギュレーション、ピットレーンでのレギュレーションに関しては満足ですか?また、ダニ、あなたはダッシュボードシステムを導入しているのでしょうか?そうであったとしたらメッセージを見逃したのでしょうか?」

マルク・マルケス

「ダッシュボードシステムに関しては自分達は導入していません。というのも日曜にこれを使うには、サーキットでその認証を受ける必要があるんです。ただ、自分の場合はレースに集中したいですし、自分で判断を下したいんです。フラッグtoフラッグに関しては、自分達にはベストと言える状況です。今はピットインしてもピットレーンにはあまり人がいませんし、それに事故に関しては、通常は1人のメカニックが状況を確認していてライダーを止めるものなんです。これはちょうどF1のような感じですね。ですから、これはライダーのミスではなくチームのミスなのかもしれません。」

ダニ・ペドロサ

「ダッシュボードシステムの質問?今日のような状況では便利かもしれませんが、マルクが言ったように現時点では練習走行で使用するだけですね。」

 

Q

「ホンダは今シーズン前半からかなり向上したように思いますが、これには同意しますか?」

マルク・マルケス

「特に直近のテストでは大きく前進したと思います。ここではそれに正しいプラン、戦略も取ることが出来ましたし。ここには夏休み中にテストに来たわけですが、ライダーにとってもバイクに1ヶ月間乗らないというのは長すぎるんです。ここで行ったテストは本当に重要で、今週はセットアップ、それからライディングスタイルも把握した状態で到着しました。あと残っていたのはウイングレットだとかそういった細かい内容だけだったんです。ステップ・バイ・ステップで改善をすることが出来ましたが、あるサーキットではさらに苦戦し、あるサーキットではそうはならないんです。ただどうやら昨年と少し似ているようで、最初はイマイチでも徐々に感触が良くなってきた感じです。昨年と同じようにいこうと思っていますが、今年は明らかに全てが非常に接近しています。ただ最も重要なのは、どこかでポイントを失うだろうというサーキットがあったとしても、必ずどこかで取り返すことが出来るということなんです。」

ダニ・ペドロサ

「確かにチームのここでテストを行うという戦略は正しかったと思います。長い休みがあるとリズムを取り戻すというのが重要ですから、こうしたトラックに備えてセッティングが出来上がっていたというのは大きいでしょう。ただ、小さい改善であっても、あちらこちらで改善を続けることが出来ていますから、これからのレースでも約に立つでしょう。そしてバイクもどんどん快適に感じるようになっています。これは後半戦を考えると非常にポジティブなことです。重要なのはこうした形で進めていくことです。」


 

Q

「マルクから1周後にバイクを交換したわけですが、全てのライダーをいとも簡単にパスしていきました。セットアップをテストで作ったとはいっても、テストと今日のレースのコンディションは同じではなかったはずです。これは今年のフィーリングが非常に良いからということなんでしょうか?」

ダニ・ペドロサ

「スリックのバイクに乗り換えた時は、何故かわかりませんが妙な感触だったんです。ですから、乗り換えた直後にバイクに対して最高のフィーリングっていうのは無かったんです。ですからラップの始めのほうはあまりプッシュをしませんでした。それから前のライダー達に追いつきましたけど、前を走っていたライダー達のペースというのは練習走行時点で自分よりも遅かったんです。これが理由の1つで、今日はよりレースにコミットしていたということなのかもわかりませんけど、レースの序盤、残り20周ほどあるような状態でも、速く走るということが非常に重要なんです。タイヤの温度を上げてリズムに乗って走っていくことが必要なんです。ですから、前をいく集団に追いついて、おそらく1周で追い抜いたんだと思います。時にはしっかりとしたフィーリングが無くてオーバーテイクをためらうこともありますけど、今回は強い走りが出来ました。」

 

Q

「今日はマーべリックやバレンティーノ、ドヴィに対するリードを2倍にしたという意味で、完璧な日曜でしたね。」

マルク・マルケス

「確かに後半戦を始める上では最高の形ですね。ただ、最も重要なのはいかに終えるかです。今日は素晴らしい仕事が出来たと思いますし、重要な日曜だったと言えます。チャンピオンシップにおいては前にいたほうが良いですし、14ポイントでもリードがあったほうがいいものです。」

 

ニック・ハリス

「以上ですか?それではありがとうございました。」

(Photo courtesy of michelin)

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