オーストリアGPのミシュラン決勝レースリリースをお届けします。今回はドヴィツィオーゾ選手がリアにソフト、マルケス選手がリアにハードを履いてのバトルとなりました。マシン特性、ライディングスタイルによってはソフトのリアタイヤでも最後までバトルが出来るというのは、見る方にとってもエキサイティングなレースを楽しめるということで素晴らしいですね。

ミシュランはオーストリアのレッドブル・リングにおいて全てのスリックタイヤの組み合わせが使用され、最終ラップまでにもつれたバトルの中で激しいバトルが繰り広げられ、最終的にドヴィツィオーゾが勝利を収めるのを見届けました。

6種類のミシュランPower Slickレースタイヤがグリッドに並んだ24人のライダー達に選ばれました。ライダー達が最適なパフォーマンスを発揮するために用意された豊富なタイヤの全てがグリッド上で使用されました。ポールポジションを獲得したマルク・マルケスはフロントにミディアム、リアにハードを選択。一方序盤にレースをリードしたホルへ・ロレンソはフロントにミディアム、リアにソフトを選択。

ロレンソはホールショットを獲得し、12周目にマルケスに抜かれるまで、4,318mのオーストリアのサーキットで行われた28周のレースのうち11周をリード。マルケスはそのまま差を広げようとしますが、フロントにミディアム、リアにソフトを履いたドヴィツィオーゾが追いすがります。

トラックには90,411人のファンが詰めかけ、トップの2人はその後順位を何度も入れ替えながら素晴らしいバトルを展開します。ダニ・ペドロサはトップ争いに加わるところでしたが、ドヴィツィオーゾとマルケスのバトルに付いて行くことが出来ず、チャンピオンシップ争いを繰り広げる2人に先行を許します。

トップの2人はタイヤのチョイスも異なり、バイクの特性も異なっていました。しかしタイヤのグリップ、パフォーマンス、耐久性に関しては2人が最終ラップに入っても問題にはなりませんでした。ドヴィツィオーゾが最終コーナーに先に進入しますがマルケスは大胆な動きでドヴィツィオーゾを抜こうと試みます。マルケスは出来る限りのグリップ、そしてトラック幅ギリギリまでコースを使用しますが、ドヴィツィオーゾが0.1秒早くスタートフィニッシュラインを通過します。ドヴィツィオーゾはこれで新たなレースレコードを記録しました。マルケスは2位となり、チャンピオンシップにおけるリードを広げます。ドヴィツィオーゾはこれでチャンピオンシップ2位に浮上。マルケスとの差を16ポイントとしました。

ペドロサはフロントミディアム、リアにハードタイヤを使用。レースを3位で終えます。ロレンソはペドロサに続いて4位を獲得。5位、そして独立チームのライダーとしてトップに立ったのはヨハン・ザルコでした。ザルコはフロントとリアにソフトのPower Slickを履いて走行。この組み合わせによって、彼は6周目に1分24秒312のファステストラップを記録、4.3kmのトラックで、平均速度184.3km/hを記録しました。6位となったのはマーべリック・ビニャーレスで彼はチームメイトのバレンティーノ・ロッシから僅かに前でレースを終えます。8位となったのはアルヴァロ・バウティスタで、このサーキットの最高速度を更新する316.5km/hを記録しています。9位はロリス・バズで、ワイルドカード参戦をしたミカ・カリオが10位となりました。

今日のレースは今週末で最も暑い気温の中での開催となり、タイヤの選択が重要な要素となりました。ライダー達に与えられた幅広いタイヤの選択肢は、ミシュランが全てのメーカーの各マシン、ライダーのライディングスタイルに合わせて最高のタイヤを供給しようとする努力を象徴していると言えるでしょう。ミシュランとMotoGPパドックは、これからヨーロッパを超えてイングランドへと向かい、8月27日にシルバーストーンで開催されるイギリスGPに備えます。

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「今週は正しいタイヤを選択するのが本当に難しい週末でした。毎日気温が異なっていたために非常に複雑だったんです。最終的にタイヤを理解し、正しい方向性に進むことが出来ました。タイヤをセーブして、良い形でレースを終えることが出来ました。レースは100%ではスタート出来なかったのですが、タイヤをセーブする必要があったのでこれはレースの終わりに関してもそうでした。タイヤをレース後半に備えて温存していたんですが、レース全体でタイヤのフィーリングは非常に良かったですね。」

テクニカルディレクター ニコラ・グベール

「今週の内容に関しては本当に満足です。トラックの温度に関しては非常にチャレンジングでした。ライダー達にとっても、彼らが使用したいと思っていたタイヤを使ってリズムを得ることが出来なかったでしょう。しかし、これは同時に今日のレースで使用された全てのコンパウンドをライダー達が使用することが出来たことを意味しています。今回も6種類のコンパウンドが全て使用され、レースの終盤にはソフトのリアタイヤを履いたライダー、ハードのリアタイヤを履いたライダーのバトルとなり、これが我々が成し遂げたいと思っていたことなんです。同時にこれは素晴らしいショーにもなりましたし、このショーの演出が出来たことを嬉しく思います。またラップレコード、レースレコードを破ったことも嬉しいですし、トップスピードレコードも記録することが出来ました。これは我々のタイヤが耐久性、グリップを持ち、限界までプッシュすることがタイヤなのだということを表していると言えます。こうして素晴らしい結果を記録出来たからと言って、安心することはしません。まだこれから先に改善を続けていく道のりが見えています。次のレースが要求の多いトラックだということは理解していますし、イギリスならでは予想出来ない天候に見舞われるでしょう。しかしこれは今シーズン何も珍しいことではないのです。」

<ミシュランタイヤ プレスリリース>