★MotoGP2017 スズキMotoGP いつになったらどん底に達するのか?

いつも痛烈で明快な論調のManuel Pecino氏による、現状のスズキに関する鋭い分析記事をお届けします。優れたライダーが乗れば良い結果を出せることは昨年ビニャーレス選手が証明していますが、現状はそのライダーに問題があり、それが原因でバイクの性能に対する疑問も出てきており、このチームを指揮するダヴィデ・ブリビオの手腕にも疑問符がつきまとうなど、まさに現状のスズキMotoGPプロジェクトはデフレスパイラルと言えるでしょう。原文タイトルのように、底を打つことで好転するのでしょうか。。

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スズキにとって2016年のアラゴンGPは、2016年に初勝利をシルバーストーンで達成した後のレースであり、スズキのMotoGPプロジェクトは順調だった。同シーズンのモトランド(の予選)で、マーべリック・ビニャーレスはGSX-RRをマルク・マルケスのRCVと、ホルへ・ロレンソのM1と同様に1列目に並べた。

そして次の日、ビニャーレスは2人のMotoGPチャンピオン相手にレースをリードしたのだ。ビニャーレスは最終的に4位でレースを終えたが、これはバレンティーノ・ロッシから僅かに2秒遅れで、もう1人のスズキのライダーであるアレイシ・エスパルガロは7位でレースを終えた。まさにスズキのMotoGPプロジェクトは正しいレールの上を走っているかに思えた。

2017年のアラゴンGP。スズキのボックスの面々の表情は現状を良く物語っていた。2017年シーズンは開幕戦からフラストレーションが溜まる展開となっており、モトランド・アラゴンのレース結果は、スズキにとって我慢の限界を超えさせる最後のレースと言えるものだった。

イアンノーネの10番グリッドからのスタートは、今シーズン最悪のスタート位置やレース結果ではなく、最終的にイアンノーネは10番グリッドからスタートし、12位でレースを終えた。そしてこれ自体も今シーズンの中で目立って悪い結果というわけでもなかった。しかしアラゴンGPにおいて最も情けなかったのは、アプリリアと2台のKTMが、揃ってスズキよりも前でゴールしたということだ。この2つのブランドはスズキと比較して、この非常に困難なMotoGPカテゴリーにおいての経験が遥かに浅いブランドなのだ。そしてこの2つのブランドのMotoGPプロジェクトは、スズキよりも遥かに後にスタートしている。こうした事を加味すると、スズキの現状は極めて情けないと言えるだろう。

こうした冴えない結果はさておき、スズキにとって最悪の事態と言えるのは、プロジェクトを進める為に共に働いていく事が必要なチーム内の息が合っていないことだ。昨年のバイクの技術開発には極めて重大なミスがあり、そのミスがスズキはホンダ、ヤマハ、Ducatiというビッグ3が所属するクラブに今まさに加入出来るところにあるという印象を与えてしまったとは考えられまいか。そしてこの勘違いによって、スズキはMotoGPに参戦している6メーカーの中で、現在最後尾にいるのだ。

非常に難しい状況だが、レースの中ではお粗末な結果を改善するために時間がかかる。エンジン開発が1年間凍結される現行のレギュレーションからすると、この結果の修正には時間がかかる。しかしこうした状況から脱するためには、日本のファクトリー、レース現場で働く面々、ライダーを含むチーム全体が共通の目的を持っていることが重要になる。そして、ダヴィデ・ブリビオが指揮するチームではこうした事が起きていない。

我々が指摘しているのはアンドレア・イアンノーネが今シーズンのある時点から取っている態度を指摘している。アンドレアが今シーズンをポジティブにモチベーションに溢れてスタートしたということは否定出来ないだろう。しかし連続する転倒、結果が出ないことで、彼のポジティブな態度は完全に失われてしまった。彼は現在の態度を隠そうとしていないばかりか、時々、現状に火に油を注ごうとしているようにも思える。こうした状況がライダーの問題を解決する人々の中で、このライダーに対する信頼を完全に失わせており、チームは既にライダーをチームの一員として考えていない。いやはや複雑な状況だ。

一方でアレックス・リンスの最高峰クラスへの適応には時間がかかっている。バレンシアのプレシーズンテストで彼は転倒し、2017年アルゼンチンGPでの転倒もあり、彼のシーズンは実質的には第11戦オーストリアから始まったと言える。彼はチームメイトを参考にすることも出来ず、そしてイアンノーネにはチームメイトとして仕事をすることも期待されていないため、リンスにとっての挑戦はより厳しいものとなっている。

リンスのパフォーマンスは断続的なもので、期待とフラストレーションが入り交じったものとなっている。そしてこの結果によって、再びこの冴えない結果の犯人はライダーなのかバイクなのかという疑問が持ち上がっている。

チームは既に2018年に向けて動き出している。他のファクトリーと異なり、スズキのテストはレースの後に同じ場所で行われ、2018年のプロトタイプバイクのテストを行っている。今年はスズキにとってはその真価が問われる年だが、スズキは長年のレース経験を活かしてこの状況をコントロールしようとしている。技術面ではそうしたことは常に可能であろう。しかしスズキの場合、最も複雑な要因となっているのは人的なもの、つまりライダーなのだ。

(Photo courtesy of michelin)

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