いよいよ来週末に迫った日本GPですが、過去5年間(2012-2016)を振り返った時にどのような事が見えてくるのか、また、今シーズンの日本GPのトピックとしてはどのようなものがあるのかを「気になるバイク」目線でまとめてみました。

過去5年間で最も優勝しているライダーはペドロサとロレンソ

過去5年間、日本GPで優勝しているライダーは3人しかおらず、ダニ・ペドロサ選手が2勝、ホルへ・ロレンソ選手が2勝、マルク・マルケス選手が1勝という状況です。なお、昨年の日本GPで優勝したのはマルク・マルケス選手で、ヤマハのロッシ選手、ロレンソ選手が転倒リタイアとなったことで、日本GPでチャンピオンシップ優勝を決めています。

過去5年間で最も表彰台を獲得しているライダーはロレンソ


表彰台の獲得数を見ていくと、過去5年間で最も多く表彰台を獲得しているのはホルへ・ロレンソ選手で、その数なんと4回、2番目に多いのはダニ・ペドロサ選手、マルク・マルケス選手で、それぞれ3回で後に続きます。なおロッシ選手は過去表彰台を2回獲得(2位1回、3位1回)しています。その他に表彰台を獲得しているのは、ドヴィツィオーゾ選手、ビニャーレス選手、バウティスタ選手がそれぞれ1回となっています。

過去5年間で最も優勝しているのはホンダ


一方メーカーに目を移すと、過去5年間で優勝しているのはホンダ3勝、ヤマハ2勝のみで、他のメーカーの優勝はありません。表彰台に関してはホンダは7回、ヤマハが6回、Ducatiとスズキがそれぞれ1回ずつ獲得している状況です。流石にホンダお膝元のもてぎというだけのことはありますが、ストップ&ゴー型の作りということで、Ducatiのバイクの特性にも良く合っていると言われています。

今シーズンの日本GPのトピック

マルケス選手の圧倒的な安定感

今シーズンのトピックとして挙げられるのは、マルケス選手の圧倒的な安定感でしょう。マルケス選手はプレスカンファレンスにおいても、「あらゆるサーキット、あらゆる状況で表彰台を獲得することが出来ている」と何度も語っていますが、その戦績は過去8戦で4勝、うち表彰台獲得が7回。第7戦カタルーニャGPから表彰台を獲得し続けており、表彰台を逃した唯一の例外はエンジンブローが発生した第12戦シルバーストーンのみとなっています。過去もてぎでの優勝は1回のみですが、今年の安定感を考えると表彰台はほぼ確実、優勝も十分に狙えると言えそうです。

Ducatiとドヴィツィオーゾ選手の戦闘力はいかに

サンマリノGPを終えた時点では、ポイントスタンディングでマルケス選手と同点で1位だったドヴィツィオーゾ選手。マルケス選手と同様に見ていくと、過去8戦での成績は3勝、うち表彰台獲得は4回という状況です。スピードを発揮出来るサーキットにおいては安定していますが、苦戦をするサーキットの場合、マルケス選手のように苦戦しながらもなぜか表彰台争いをしているという状況にはなっていません。とは言え、強力なブレーキングと立ち上がり加速が求められるもてぎは、バイクの性格的にはDucatiに合っていると言えるサーキットですので、表彰台獲得の期待が高まります。

骨折から約45日後に日本GPを迎えるロッシ選手の回復具合は

8月31日に右足の腓骨、脛骨をエンデューロトレーニング中に骨折したロッシ選手は、先日のアラゴンGPに出場。予選3位を獲得し、決勝を5位(4位のビニャーレス選手と約0.5秒差でゴール)で終え、パドックとファンに衝撃を与えました。レース前は右コーナーで痛みが発生し、リアブレーキの操作がしずらい状態と話していましたが、アラゴンGPから3週間後となる日本GPですから、骨折部位はさらに回復しているでしょうし、痛みもだいぶ軽くなっていると思われます。アラゴンGPでのパフォーマンスを考えると、当然表彰台争いは期待出来るでしょう。

苦戦が続くビニャーレス選手、全体のパッケージとしての成熟が課題

プレシーズンテストでは圧倒的な速さを発揮、シーズン前半で3勝したビニャーレス選手は苦戦しています。先日のアラゴンGPを終えた後も、「リアに全くグリップを感じる事が出来なかった。自分もヤマハも常に全力作業をしているが、今のパッケージを考えるとこれから30ポイントを取り戻すというのは難しい」と話しています。昨年はヤマハのロッシ選手、ロレンソ選手が共に転倒してリタイアしたという事実はあれど、スズキで3位表彰台を獲得していますので、今年はM1でどのような走りが出来るのかに注目が集まります。

もてぎに強いロレンソ選手のDucati初優勝はあるか

過去5年間の成績を考えると、最も表彰台獲得回数、優勝回数が多いのがホルへ・ロレンソ選手。当然この結果は全てヤマハ時代のものですが、先日のアラゴンGPでは今シーズン既に何度か見せているように、ヤマハ時代のような抜群のスタートからレースをトップでリードする姿を見せてくれました。Ducatiのトップスピード、抜群の加速性、ストッピングパワー、そしてロレンソ選手がもてぎを得意としているということで、ロレンソ選手がDucatiで初優勝を遂げるとしたら、今シーズンの残り4戦で最も可能性が高いのが日本GPです。

タイムスケジュール、各種イベント案内、場内案内などは公式サイトでチェック

MotoGP前夜祭、グランプリロードR123パレードなどのイベントの他、観戦券で全日入場可能になったホスピタリティガーデンでは各種グルメを楽しむ事が出来ます。その他タイムスケジュールや場内案内などは公式サイトで是非ご確認を。

(Photo courtesy of michelin)