★MotoGP2017 ロッシの驚異的な復活はなぜ可能だったのか?

アラゴンGPにおける、ロッシ選手の驚くほどのスピードの回復について、どのような治療だったのか、回復の早さの理由などについてのインタビューをお届けします。

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バレンティーノ・ロッシのアラゴンGPでの復活劇に関して、何が正しくて何が間違っているのかを明らかにしたいのであれば、世界選手権のメディカル・ディレクターであるÁngel Chartéに聞くのが一番だ。

 

Q

「ロッシは腓骨、脛骨を骨折してから、僅か3週間でどうして戦う事が出来たのでしょう?」

Ángel Charté

「私は61歳ですが、35年間プロの内科医として、そして6年間世界選手権のメディカルディレクターを務めてきました。MotoGPにおける全ての怪我は私を非常に驚かせました。というのも、私、もしくは一般の人が同じ怪我を負った場合は、普通は数カ月はベッドに横になっていることになるからです。ライダー達がここまでの短期間で回復出来るということは、私にとって大きな驚きでしたし普通ではない事です。私はバレンティーノ・ロッシの怪我について初日から何が起きたか、ドクターPascualeの素晴らしい手術などを見届けました。アラゴンでバレンティーノは100%ではありませんでした。これは明らかです。彼は脛骨の上下にプレートを固定するために打ち込まれた釘のせいで、膝に血腫がある状態でした。バレンティーノは手術から12時間後にリハビリを開始し、その進捗は素晴らしいものでした。」

 

Q

「なぜ今回の手術が他の手術に比べて素晴らしかったといえるのでしょうか?」

Ángel Charté

「ドクターPascualeが手術をする事を素早く決断したこと、2つ目に私の同僚が素晴らしい手術をした場合は、彼がイタリア人だろうが、ルーマニア人だろうが、アルゼンチン人であろうが、それは素晴らしいのです。」

 

Q

「最初のプレスカンファレンスでは、彼は最近の薬が良くなっていると語っていました。彼のここまで速い回復は薬が進歩したことによるものなのか、素晴らしい手術によるものなのでしょうか?」

Ángel Charté

「確かに薬の進歩が1つの要因であることは確かです。そうでなければ、このような早期回復は望めなかったでしょう。そしてロッシも10年前の怪我の違いを延べていましたが、この要因も大きいでしょう。最初のほうの怪我はレースに復帰するのに40日かかりましたが、今回のアラゴンは24日でした。今から20年もすれば、この種の怪我をしても3日か4日で再び動けるようになるのではないでしょうか。」

 

Q

「違いとしては、そこまで大きな手術では無かったこともありますか?」

Ángel Charté

「そうですね。そこまで大変な手術ではありません。縦方向の切開によって、髄内釘を使用するというライダーにとってはより現実的なものでした。通常は30日かそれ以上は回復に必要です。対象的にバレンティーノは手術から23日後に予選3番手を獲得しました。これはやはり手術の成功と、ロッシのフィジカル面の強さによるものでしょう。」

 

Q

「釘周辺の骨は既に回復し始めているのでしょうか?」

Ángel Charté

「仮骨は既に出来始めていますが、安定はしていません。骨がしっかりしているのは釘とプレートによるものです。仮骨は100%の状態ではなく、50%から60%の状態ですから、無理をすると釘の位置を変える必要が出てきます。しかしだからと言ってレースに出れないということではありません。」

 

Q

「250km/hで転倒して同じ部分を打ち付けたとするとどうなるでしょう?」

Ángel Charté

「それは問題ですね。この場合はすぐに検査が必要です。私は280km/hで転倒したライダーを診たことがありますが、彼は脳震盪を起こして、集中治療室に4日から5日入っていました。ただ、一度全てのテストが終わると、こうしたライダーは素早く回復していきました。」

 

Q

「高圧酸素療法によって骨折が早く治るといういう話があります。こういったものはこうした外傷に役立つのでしょうか?」

Ángel Charté

「いいえ。現在は色々な薬がありますし、自分の幹細胞を移植するなどが助けとなります。しかしこの種の骨折にこうした治療は必ずしも必要ではありません。私の病院でも高圧酸素療法を行ないますが、患者さんの症状によって、肺ポリープなどの場合に塞栓症を避けるために使用します。」

 

Q

「ということは骨の成長を助けるためには使用されない?」

Ángel Charté

「骨の形成を助けるとは証明されていないんです。いずれにしても、私達は20日後にレースをするライダーにこうしたものは使いません。」

 

Q

「痛みを抑えるために痛み止めを注射してレースをするライダーが増えています。スポーツで使用される薬はどこまでOKだと言えるのでしょう?」

Ángel Charté

「いい質問ですね。医療薬理学的な言い方としてドーピングというものがあります。そしていくつかドーピングとは言えない種類の薬がありますが、我々は数種類のコルチコステロイドを、限られた方法でメディカルディレクターのサインと共に使用します。これはアンチドーピング委員会で合意も得ているものです。バレンティーノ・ロッシはこうした注射は受けていません。バレンティーノ・ロッシはアンチ・ドーピングコードには該当しない抗炎症剤を使用しています。これは私が見ているから確実にそうだと言えます。彼は非認可の薬は使用していません。もしそうであれば、それは私個人の判断とプロとしての信条に反する行為です。これがロッシであろうと、Moto3の最下位の選手であろうと、我々は薬理学的な医療コードに基づいた処方をしています。もし違法な事をしたライダーがいたとしたら、私が第一に声をあげますよ。」

(Photo courtesy of michelin)

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