ヴァン・ベヴェレン2位、ブラベック3位発進
2025年ワールドラリーレイド選手権(W2RC)第3戦、南アフリカ・サファリラリーが開幕。初日から波乱が展開されたこのステージで、モンスターエナジー・ホンダHRCのエイドリアン・ヴァン・ベヴェレンとリッキー・ブラベックがそれぞれ2位と3位を獲得し、チームに好発進をもたらした。
テクニカルな第1ステージ、ホンダ勢が安定した走りで上位に浮上
5月20日に行われたステージ1では、全222kmのタイムアタックと295kmのリエゾンで構成される過酷なコースが舞台となった。サンシティ西部の多様な地形—森林地帯から草原、泥濘、砂地まで—を舞台に、各ライダーが卓越したナビゲーションとスピードで挑んだ。
エイドリアン・ヴァン・ベヴェレンは12番手スタート。序盤はタブレットの不調により苦戦を強いられるも、冷静に対応。給油地点でタブレットを交換後はスムーズに巻き返し、首位ロス・ブランチに55秒差の2位でステージを終えた。リッキー・ブラベックはサンド路面で持ち前の走破性を発揮。第1チェックポイント通過時点で首位と6秒差に迫る接戦を演じ、最終的には1分09秒差で3位。安定感ある走りで好位置を確保した。
アクシデントとトラブルに苦しむチームメイトたち
トシャ・シャレイナは8番手スタートから攻めの姿勢を見せ、一時は首位と17秒差まで接近。しかし、給油地点直前でのクラッシュにより右手を負傷。マシンにもダメージを負ったが、執念の走りで7位完走(+7分51秒)スカイラー・ハウズはバイクセッティングに手応えを感じつつも、序盤でナビゲーションミス。合計で10分以上のタイムロスを喫し、最終的には17分40秒遅れの8位に沈んだ。
総合順位(第1ステージ終了時点)
- ロス・ブランチ(ヒーローモータースポーツ) – 2:51:32
- エイドリアン・ヴァン・ベヴェレン(モンスターエナジー・ホンダHRC) + 0:50
- リッキー・ブラベック(モンスターエナジー・ホンダHRC) + 1:03
- ダニエル・サンダース(KTMファクトリー) + 2:44
- ルシアーノ・ベナビデス(KTMファクトリー) + 3:23
- トシャ・シャレイナ(モンスターエナジー・ホンダHRC) + 7:35
- スカイラー・ハウズ(モンスターエナジー・ホンダHRC) + 17:47
チーム代表 ルーベン・ファリア
「今日は滑りやすくテクニカルなステージだった。スカイラーはナビゲーションで大きなミスをしてタイムを失ったが、まだ初日なので挽回のチャンスはある。トシャはクラッシュにより右手を負傷し、バイクも損傷したが完走できた。リッキーは堅実な走りで3位を確保し、明日のマラソンステージに向けて理想的なポジション。エイドリアンもタブレットの不調に苦しんだが、最終的には素晴らしい2位フィニッシュだった。」
リッキー・ブラベック(ステージ3位/総合3位)
「今日はすごく楽しかったです。この場所は本当に素晴らしくて、最初の15〜20kmは『これは一日中かかるな』と思いましたけど、広大な草原を駆け抜けるのは気持ちよかったです。草には慣れていないので滑りやすかったですが、その後は開けたセクションでナビゲーションも楽しく、良い形で1日目を終えられて嬉しいです。」
スカイラー・ハウズ(ステージ8位/総合8位)
「今日は自分にとって誇れる日ではありませんでした。バイクのセッティングには満足していますが、ナビゲーションで大きなミスをして10分以上失いました。他にも2〜3回ミスして、それぞれ2〜3分ずつロスしました。走り自体には満足しているので、ナビをしっかり修正できれば結果も良くなると思います。」
エイドリアン・ヴァン・ベヴェレン(ステージ2位/総合2位)
「バイクの感触は良かったです。序盤はタブレットが頻繁に落ちてしまって、他のライダーのトラックを頼るしかない場面もありましたが、落ち着いて走ることができました。深い水たまりではバイクが少し水を吸ってしまいましたが、運よく再始動できました。給油地点でタブレットが交換できて本当に助かりました。」