カワサキのZX-10RRの新型が登場するという噂がいくつか出てきている。現在ワールドスーパーバイク世界選手権で圧倒的な強さをほこるDucatiのパニガーレV4Rとアルヴァロ・バウティスタ。他のDucatiのWSBKライダーと比較しても、バウティスタ自体が速く、まるでMotoGPマシンと言えるパニガーレV4Rを掌握しているということもあるが、パニガーレV4Rの強力なエンジンパワーに他メーカーが圧倒されているのも事実。
そこでカワサキはDucatiのパニガーレV4R同様に、スーパーバイク世界選手権でチャンピオンを獲得するためだけに、台数限定のホモロゲーションモデルを投入するのではないかと言われている。カワサキの依田さんは、DucatiのパニガーレV4Rは「ピレリタイヤを履いたMotoGPバイク」と評価し、このパニガーレV4Rに対抗するには、カワサキもMotoGPの技術を転用したZX-10RRを製造する必要があるとドイツSpeedweekに語っている。
Ducatiのやり方は参戦チームのコストを削減して、プライベートチームを含む参戦台数を増やそうというドルナの考え方とは逆とされており、こうした流れが主流となるのは選手権のあり方として正しいのか?という疑問は残る。
カワサキが台数限定でハイパフォーマンスのZX-10RRを製造するのではないか?という噂が再燃したきっかけは、カワサキが4月30日に米国カリフォルニア州大気資源局(CARB)に登録した2020年のZX-10Rの排ガス規制の内容。
この内容を見ると2019年モデルは同様のエンジンを使用しているZX-10R、ZX-10RRを同時に登録していたものの、2020年モデルに関しては2020年型ZX-10Rのしか提出されておらず、ということはZX-10RRは別のエンジンを搭載しており、ハイパフォーマンス型エンジンのために別途排ガス規制の登録をする必要があるのではないか?という推測がされている。
もちろん2020年は北米市場にZX-10RRが展開されないため、登録の必要がないという可能性もあるが、苦戦するジョナサン・レイとカワサキに再びタイトルを取り戻すためにも、さらにパフォーマンスアップしたZX-10RRが登場するのか興味深いところだ。
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(Source: Speedweek, CARB)
(Photo courtesy of michelin)