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ダニ・ペドロサ「レースに参戦することで、現場の課題を理解出来る」

今回ワイルドカード参戦をするダニ・ペドロサ。KTMのRC16の開発を続ける中で、レース現場でなければ理解出来ない選手達からの要望を、身を持って理解する事が今回の目標だ。KTMの体制に関しては新しいパーツがすぐに投入される環境であることが大きいと語り、スピーディーな開発がバイクの進化における大きな要因であると語る。
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現場に戻ってきたのは特別なこと

ダニ・ペドロサ

ここに戻って来たのは特別なことですし、KTMに感謝したいと思います。こうしてレースウィークに向けて体を作り込んでくるのも久しぶりですが、現役時代のようにフルシーズン戦えるような状態ではありません。とは言え、自分のKTMの今の役割も含めて、チャレンジであり新たなモチベーションを感じています。」

「こうしたレースの世界に戻ってきてメディアに囲まれているのは不思議な気分です。コロナの状況で変わっていることもありますが、変わらないこともあります。新しいルールも出来ていますから、それを学ぶためにミーティングルームに行ったりしていますから、徐々に今の状況に慣れてきています。」

初期はライバルとの差も大きく、いろいろな改善が必要だと感じており、KTMの皆と共にハードに作業を重ねてきました。過去2年間はKTMライダー達がフロントで走行する機会も増えて誇りに思っています。そしてまだこれからも改良は続いていきます。

テストライダーという役割は楽しんでいます。素晴らしいバイクに乗ることが出来ていますし、レースのようなプレッシャーにさらされているわけではりません。もちろん違う種類のプレッシャーはありますけどね。」

「でも月に何度かトラックで走行して、仕事をしていくというのは最高です。結局のところバイクに乗ることが非常に好きなんです。しかし集中して作業はする必要がありますし、ミーティングの種類も異なっています。」

今回は現時点のMotoGPを理解することが目標

今回のレースに関しては順位における目標はなくて、今のMotoGPフォーマットをしっかりと理解するということが目標です。MotoGPも少し変わっていますからね。実際にライダー達が感じていることをテストの中で理解することは難しいと思っています。」

「例えばKTMライダー達はオーバーテイクが難しいという話を良くするのですが、そうなると予選で良い結果を得ることが必要になります。テストですと当然1人で走っていますから、こういったことを理解するのが難しいわけです。

「今まで色々とレースに参戦せずに基本的な作業を続けてきました。そしてこれからはレースに関連した詳細の部分を煮詰めていく段階です。つまり他の選手達と戦う中で出てくる各選手からの改善点にフォーカスすることになります。

「例えばエアロダイナミクス、リアハイトデバイス、スターティングデバイスなどです。こういったことは当然ながらテストでは試すことが出来ないものです。自分がレースの現場から遠ざかって時間が経過していますから、こうした新しいテクノロジーに関しては現場でキャッチアップしていく必要があります。
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「KTMで行ってきた作業は、いかに他のライバルに追いつくかというものでした。今はある程度のレベルに到達して、ここからいかに改善していくかというフェーズです。そしてこれから先の未来についても考えていく必要があります。そうした意味でもライバルと共にレースをする中で、自分達の立ち位置を確認する必要があると思います。」

KTMライダーがフロントでレースしている状況が嬉しい

自分が嬉しいと感じるのは、ライダー達がフロントでレースをしている状況を作ることが出来たこと。そして彼らがライディングを楽しんでいることです。そして何よりも素晴らしいテストチームと作業が出来ていることが嬉しいですね。テストに向かう際は常に楽しいと感じることが出来ています。テストを行っていくと行き詰まることがあるのですが、このチームではそれがありません。

実際にレースをする際にどう感じるかはわかりません。時間がかなり経過していますから、脳がレースのスピードについていけるかどうかわかりませんね。レースから遠ざかることがライダーによっては難しいものですが、これは個人によって感じ方は異なるでしょうね。」

今KTMのバイクはどのトラックで走っても快適に走行出来るようになっています。プロジェクトの最初の頃はある種のトラックでのみスピードを発揮するタイプのバイクでしたから。今はトラックやコンディションに関わらず安定して走行出来るようになっています。そしてタイトルを獲得するには、こうしたバイクである必要があるんです。」

レースコンディションでRC16を理解することが必要

実際にRC16でレースをするのは初めてですから、レースの状況の中でバイクの長所、短所をしっかりと感じていく必要があります。ホンダのバイクに関してはこうしたものがわかっていますから、どういった場面でどういったことをすべきか、そうでないかもわかっています。KTMの場合は初めての経験になりますから、レースをしながら理解を深めていくことになるでしょう。」

KTMがこの2年間で大きな成功を収めることが出来たのは、いかに早くレース現場に新しいパーツを持ち込んできたかによるところが大きいでしょう。いろいろなフィードバックや要望を出したとしても、それが実際に実現されなければ、前進することは出来ません。」

「そういった意味ではKTMは素晴らしい体制でバイクを開発していると思います。自分と共に動いてくれているエンジニア達、スタッフの努力は並大抵のものではありません。ですから、彼らと一緒に仕事をすることが本当に楽しいんです。」
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「こうした改善がすぐにもたらされることは嬉しいですよね。現時点での計画は今回のレースを行うというものです。しかし、例えば天候などで今回欲しいデータを取得することが出来なければ、再びレースをすることもあるでしょう。

ロッシの引退に関して

バレンティーノ・ロッシの引退は悲しいですね。彼が引退する日が来るなんて思っていませんでしたし。しかしスポーツ選手の場合は遅かれ早かれこの日が来るわけです。彼の場合は多くの結果を残してきていましたから、余計に引退という事が信じられません。」

「人間としても彼のことを多いに尊敬しています。ロッシに追いつこうと努力して、共に戦ってきました。自分が引退を決断した時も彼は現役を続けていきましたし、その点でも凄いことだと思います。引退後の彼の人生が素晴らしいものであることを願っています。

(Photo courtesy of michelin)

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