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バレンティーノ・ロッシ引退プレスカンファレンス「MotoGPを観戦する人が増えたことが、キャリアの中で何よりも嬉しい」

今年、引退を表明したバレンティーノ・ロッシ。これが本当に最後のMotoGPでのレースとなる。全ての瞬間を最大限楽しんでいきたいと語り、レースが終わった後に何を感じるかはわからないと語る。人前で涙を流すことはないバレンティーノ・ロッシだが、今回の引退プレスカンファレンスでは、やや目が潤んでいるようにも見えた。

バレンシアではバレンティーノ・ロッシが最初にタイトルを獲得したRS125R、RC211V、YZR-M1などが展示され、ロッシがこれらのバイクを1台ずつ思い出を懐かしみながら振り返る場面もあった。

今年ロッシ自身が何度か話しているように、キャリアを通じて多くのファンがMotoGPを観戦するようになったこと、MotoGPの拡大に貢献出来たことが何よりも嬉しいと改めて語り、プレスカンファレンスの最後には世界中のファンからの感謝のメッセージが上映された。

さあ、泣いても笑っても、これがMotoGPで走るバレンティーノ・ロッシを見られる最後の機会となる。
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この瞬間を最大限楽しみたい

バレンティーノ・ロッシ

今年は後半戦は特に感慨深いもので、いつも通りのシーズンにしたいと思っていましたが、やはり感情面ではそうも行きませんでした。今まで乗ってきたバイクを揃えてもらい、全てのライダーが共に一同に会してという場を設けてもらって本当に感謝しています。週末を通じて全力を尽くしたいですし、良い天候を願っています。」

引退を表明した時は、現在のライバルからもそうですし過去のライバルからもたくさんのメッセージをもらいました。 引退会見をする事は常に予想していましたが、バレンシアはそれ以外の意味でも特別な場所ですし、特別な感情になります。」

「バレンシアが終わると3月から始まった長いシーズンが終わり、冬休みが始まりますから、すべてのライダーにとって特別な場所であるんです。 月曜日からは全く新しい人生になると言えばそうですが、 自分の場合、車でのレースを続けますのでその点では変わりません。これから先はMotoGPライダーではなくなりますが、 今この瞬間を最大限楽しみたいと思います。

ホンダ以外のバイクは全て自宅に揃っている


実際ホンダ以外の全てのバイクは家に揃っていて、アプリリア、ヤマハのバイクが揃っています。ヤマハに関しては2004年モデルがベッドルームにあります。ですから毎朝目覚めるとバイクがそこにあるんですが、全てのバイクが一同に会すると格別ですね。特に最初のバイクは本当に昔に感じますし、最新モデルはそこからまた時間が経過しているわけで、感慨深いですね。」

プーチには 少なくとも500cc時代のホンダだけは家にコレクションとして追加で欲しいと話しています。あの500cc時代のホンダは自分が持つべきものでしょう(笑)しっかりと場所も確保してありますし、温度管理も完璧ですからね(笑)」

夢はMotoGPチャンピオンになることだった

自分の最後のレースで、21+11+14=46になるということは、3ヶ月くらい前に気づいていました。単なる偶然なのか何なのか分かりませんが、神様を説得するのは簡単ではありませんから何かのサインなのかもしれません(笑)」
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10度目のタイトルを獲得するために努力してきました。2015年のようにあと少しでタイトルを獲得出来た年もありました。しかしキャリア関しては満足していますし、9という数字は何かと縁がある数字でもあります。MotoGPでは89勝ですし、表彰台獲得も199回です。2020年のヘレスで表彰台が199回になりましたが、正直これが最後かもなと感じていました。」

「2012年以降は、正直なところ再び競争力を発揮できるか自分でもわからないまま続けてきましたが、それでも10年間走ることができました。これから先は来年父親になり、 車でレースをするわけですが、現時点ではこれといった夢というものはありません。自分の夢はMotoGPチャンピオンになることでしたからね。

これからもVR46のライダーとの時間は大事にしたい

「ここ数年はVR46のライダー達と夜に共に時間を過ごすことが多くて、時には練習走行を見たりそれ以外のことをしたり大切な瞬間でした、レースの週末においては皆がそれぞれ異なる思いを持っていますし、過ごし方はそれぞれなんですが、これからの土曜日、日曜日のことを話あったりすることは非常に楽しい時間でした。」

これからの将来もそういう時間は楽しみにしたいですし、ひょっとしたら自分のモーターホームを持ち込むかもしれませんが(笑)来年もまたVR46のライダーで集まる時間を設けたいですね。

ライバルには本当に恵まれてきた

ライバルというものは正直あまり好きな存在ではありませんが、自分自信を限界に追い込むためには素晴らしい存在です。その中で自分が持っていると気づいていなかった強みを発見することにも繋がります。

ライバルに関しては本当に恵まれてきたと思います。特にビアッジは最大のライバルと言える存在でした。2人ともイタリア人ですし、イタリア国内でも大きな動きがありました。しかし、ストーナー、ロレンソもそうですし、マルケスとのバトルもまた存分に楽しみました。」

レースの後に何を感じるかわかりません。良いレースをしたいと思っていますが、通常は楽しんで笑うことが多く、人前で涙を見せることはありません。出来れば人前では泣きたくないですね(笑)

MotoGPを観戦する人が増えたことが何よりも嬉しい

思うにMotoGPというのは本当に世界で最高のモータースポーツだと感じます。40分間全てのライダーが全力で走り続け、そこに注ぐ努力、情熱というのはテレビで観戦していてもしっかりと伝わるものだと思います。何か問題を抱えている人であっても、1時間はレースを見てその問題から離れることが出来るんですよね。
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自分のキャリアを通じて1番良かったと感じる事は、自分の活躍を通じてMotoGPを観戦する人が増えたことでしょう。これはイタリアにとどまらず全世界でそうだったと感じています。 キャリアを通じて自分がそのようなアイコンと言えるべき存在になれた事は、非常に嬉しいことです。

「ライダーにとってはトラック上でパフォーマンスを発揮することが最大の喜びではありますが、自分の場合こうした存在になれたこともまた最高の喜びです。この場にVR46のライダーだけではなく多くのライバルも参加してくれたことが非常に嬉しいですし、これからも良い仲間であると思います。」

来年も様々なトラックでグランドスタンドが黄色に染まると言われていますが、それはまた嬉しいことです。雰囲気の醸成に役立つと思いますし、自分もチームを持っていますからいくつかのレースには当然訪れますしね。正直なところMotoGPにライダーとして訪れないという状況で、どのような感情になるかはわかりません。」

「今まではMotoGPをライダーとして内側から見ていましたが、その視点だとトンネルの中のようなもので、常に集中して走行して、ポジション、セクターなどについて考えています。オーストリアではそれを外側から見る機会がありました。ですから、そういった視点を持てたことは良かったですね。」

MotoGPというスポーツは人気になって拡大を続けていますし、自分にとって何よりの情熱でありました。MotoGPを多くの若者、ご年配の方が楽しんでいただいていることは何よりも嬉しいですね。

(Photo courtesy of michelin)

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