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MotoGP2022 きな臭いタイヤ空気圧の既定値違反について

MotoGP2022 きな臭いタイヤ空気圧の既定値違反について

ヘレス優勝フランチェスコ・バニャイア Fタイヤ空気圧は既定値以下

前回のスペインGPが終了した後に、優勝したフランチェスコ・バニャイアをはじめとする数名のライダーのタイヤ空気圧が既定値以下であったことが明らかになってきた。しかし、2022年時点ではタイヤの空気圧が規定値を下回っていたことによるペナルティーはなく、このレギュレーションを遵守するというメーカー間の紳士協定があるのみだ。[adchord]

現在のレギュレーションによると、フロントの既定値は最低1.9bar、リアが1.7barとなり、レース距離の半分はこの既定値を下回ってはいけない。なお、タイヤの空気圧はタイヤが温まってくると上昇するものであり、各チームはタイヤが温まり切った数周後の段階で、この既定値をわずかに超える辺りを狙っているはずだ。

タイヤ空気圧はセンサーによって収集されており、ライダーがピットレーンを出ていく際、ピットレーンに入る際に自動的に集計される。なお、集計された空気圧はレース後に全チームが見ることが出来るようで、違反をしていたライダーとチームの特定は容易だ。こうした背景もあってフランチェスコ・バニャイアのフロントタイヤが、既定値以下であったことが明らかになったわけだ。

ミシュランのピエロ・タラマッソによると、現在は3つのタイヤ空気圧センサーがMotoGPでは使用されており、それぞれの測定誤差も異なるようだ。そのため、センサーが異なることによってもタイヤ空気圧に差が出る実情はあると言える。

低空気圧のねらいは摩耗の抑制か?

仮にタイヤ空気圧を意図的に既定値よりも下げているチームがあるとすると、そこには何らかのメリットがあるということになるが、一般的にタイヤ空気圧が高いとタイヤの発熱は早い。

タイヤが帯びる熱が大きいとタイヤの摩耗も早めに進むため、逆に考えるとフロントタイヤの空気圧を意図的に下げることで、フロントタイヤの摩耗を抑える狙いがあったと考えられても不思議ではない。

2022年内はタイヤ空気圧がレギュレーション既定値をレースの半分で下回っていたことによるペナルティーはないが、タイヤ空気圧が既定値を下回ったライダーが優勝したレースが複数ある(※ポルトガルでのファビオ・クアルタラロ、ヘレスでのフランチェスコ・バニャイア)ことから、今後はこのタイヤ空気圧を各チーム、各メーカーがより真剣に見るようになるはずだ。[adchord]

今後は2023年からどのようなペナルティーが課せられるべきなのかという議論と同時に、現在3つあるというタイヤ空気圧センサーを単一のサプライヤーからの供給体制にすべしといった議論も起きていくかもしれない。

なお、タイヤサプライヤーであるミシュランの責任を問う声も上がっているが、ミシュランはあくまでも選手権に単一のタイヤサプライヤーとしてタイヤを供給している立場であり、空気圧を操作しているチームがあったとして、その監視、責任を追求する立場にはない。ミシュランを責めるのはお門違いと言えるだろう。

(Photo courtesy of michelin)

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