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KTM 財政難で自主管理型再建手続き開始へ

KTMの親会社であるPIERER Mobility AGは、財務状況の悪化を受け、債権者との債務返済一時停止、つなぎ融資を模索してきたが、必要な資金調達が迅速に実現しないことが明らかになった。破産を避けるために、KTMは自主再建型の司法再建手続き(Sanierungsverfahren unter Eigenverwaltung)に入ることを発表。11月29日から再建手続きが開始される。なお、KTM AGの他の子会社、特に販売会社については影響を受けないとされている。

最近の動きと背景

財務問題の深刻化

KTMの株価は2022年2月のピーク時から90%下落しており、現在、運営資金として「3桁後半のユーロ(約1,000億円以上)」が必要とされています。しかし、必要な資金を確保する見通しが立たなくなったため、再建計画に踏み切った形だ。

厳しいリストラ策

取締役会を6名から2名に削減。複数回にわたる従業員削減の実施。さらに今後約300人の追加削減が見込まれている。なお、2025年と2026年の生産能力の縮小に伴い、2年間で約10億ユーロ(約1,600億円)の生産縮小が予定されている。

一時的な生産停止

全工場の生産活動を2025年1月と2月に停止し、余剰在庫の調整を進める予定だ。

再建計画の詳細

11月29日に予定されている申請は、オーストリア法に基づく自主管理型の再建手続き(Sanierungsverfahren unter Eigenverwaltung)で、以下を目指す。

債権者との合意:90日以内に再建計画を確立する。
KTMブランドの再構築:独立した運営を確保し、より強固な体制を目指す。
生産能力の調整:2025年から2年間、余剰在庫を削減しながら生産規模を縮小し、総額約10億ユーロ(1,600億円相当)のコスト削減を実施。

この再建プロセス中には、従業員削減や開発費用の減損処理、一時的な生産停止(2025年1月および2月)など、追加のコストが発生する見通し。そのため、2024年の最終損益は3桁後半のマイナス(約数百億円規模)になると予想されている。

従業員へのメッセージ

KTMのCEOであるステファン・ピエラー氏と共同CEOのゴットフリート・ノイマイスター氏は、11月26日(火)、従業員5,000人以上に向けて現在の状況と今後の方向性を説明している。

「この30年間で我々はヨーロッパ最大のオートバイメーカーに成長しました。我々の製品は世界中のライダーを魅了し、多くの情熱をもたらしてきました。現在は、未来のための“ピットストップ”が必要です。KTMブランドは私の人生そのものです。私はこのブランドのために戦い続けます。」

「ノイマイスター氏はその豊富な経験と新たな視点で、現在の危機に対処するうえで大きな貢献をしてきました。私は、彼とともにKTMを再び成功の軌道に乗せられると確信しています。」

ゴットフリート・ノイマイスターCo-CEO

「従業員の熱意こそが、我々の最大の競争力です。その情熱のおかげで、KTMは世界中で高性能の代名詞となりました。今は、会社自体を“耐久性のある”ものにする時です。未来に向けて強くし、またKTMが得意とする“世界最高のオートバイ作り”に集中できるようにします。」

MotoGP活動は継続

財政難にもかかわらず、KTMは2025年のMotoGPプロジェクトを通常通り継続すると明言しています。これは、ブランドのグローバルなプレゼンスを維持するための重要な戦略と見られる。

(Photo courtesy of KTM)

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