マルティンの復帰に向けた動きとアプリリアの計画
ホルヘ・マルティンのMotoGP復帰に向け、アプリリアは医師からの許可を待ちながら、RS-GPでの特別テストの実施を計画している。2024年のワールドチャンピオンであるマルティンは、今季序盤に複数の怪我を負って以来、欠場が続いている。7月上旬のオランダGP終了後、マルティンはドクター・アンヘル・チャルテによる健康診断を受ける予定であり、そこで復帰に向けた具体的なプランが固まる見通しだ。
怪我の経緯と治療過程
マルティンは2月5日のプレシーズンテスト初日に負傷。その後、シーズン開幕前に再び怪我を負い、タイ開幕戦の出場を断念した。ブリーラム、アルゼンチン、アメリカの各ラウンドを欠場した後、4月のカタールGPで復帰。しかし、決勝中に転倒して胸部を強打。気胸、胸膜炎、複数の肋骨骨折を負い、ドーハの病院で2週間の入院を余儀なくされた。
特別テスト実施への条件と新レギュレーション
現在は回復の最終段階に入っており、復帰の可能性が現実味を帯びている。アプリリアはMotoGPグランプリ委員会に対し、3戦以上欠場したライダーに対してプライベートテストを許可するレギュレーション改定を提案し、これが承認された。これにより、マルティンが医師の許可を得られれば、アプリリアは即座に特別テストを実施可能となる。
テスト日程と復帰戦の見通し
アプリリアのスポーティングディレクター、パオロ・ボノーラによると、アプリリアは今季中に以下のテスト日程を確保しているという。
・7月30〜31日 カタルーニャ
・8月11〜12日 カタルーニャ
・10月29〜30日 ヘレス
これらはすべてマルティンの復帰後と見込まれており、それに先立ち、7月第2週にミサノ・サーキットで1日限りの特別テストを実施する可能性が高い。現時点で日付は未定だが、7月8日または9日が有力視されている。復帰戦についてアプリリア、マルティン本人も公式発表はしていないが7月17〜20日に開催されるチェコGPでの復帰が最有力だ。対照的に、7月13日のザクセンリンクでのドイツGPはテクニカルかつブレーキングの負荷が高く、長期離脱明けのライダーには適さないと見られている。
契約問題の行方と移籍の可能性
一方で、アプリリアとマルティンの契約問題も平行して緊張状態にある。2024年6月にムジェロで結ばれた契約の2年目の有効性を巡り、現在も最終的な決定は出ておらず、マルティンは今季限りでアプリリアを離脱し、ホンダへの移籍を考えている可能性がある。