
ファビオ・クアルタラロは先週末のMotoGPイギリスGPで16秒のペナルティを受け、当初獲得していたポイントを失って16位となった。通常このペナルティはミシュランが定める安全基準を下回るタイヤ空気圧での走行ラップ数が不足した場合に科されるが、今回は事情が異なる。クアルタラロのフロントタイヤ空気圧センサーのデータがモニタリングシステムに記録されなかったことが原因であり、その背景にはレース前のヤマハによる設定ミスがあった。
タイヤ空気圧センサーおよびデータを無線で受信・記録するタイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)は、フランスのOnRace Motorsports社がMotoGP全チームに供給している。
センサーをリムに取り付け、システムを設定・管理する責任は各メーカーが負う。レース後、MotoGPテクニカルディレクターのダニー・アルドリッジがOnRace Motorsportsに問題の分析を依頼。調査の結果、センサー自体は正常に機能しており、ミシュランが圧力計で計測した値とも一致していたが、センサーのIDがレシーバーのデータベースに登録されていなかったことが判明した。
レシーバーはセンサーを認識できず、データを受信できない状態だったのだ。TPMSは事前設定が必要なシステムであり、各メーカーは使用するセンサーの識別番号をレシーバーに登録し、フロントとリアのどちらに割り当てられているかをシステムに認識させておかなければならない。クアルタラロのバイクに装着されたセンサーはこの登録リストに含まれておらず、機器の不具合は一切認められなかったことから、ヤマハ側の設定漏れと判断された。
規則第2.4.4.9.1条は、メーカーがレース前にセンサーの登録と計測システムの動作確認を行う義務を明確に定めている。タイヤ空気圧の監視が始まった2023年シルバーストーン以来、このような登録漏れが発生したチームはこれまで存在しなかった。
なお、センサーやTPMSシステムの故障が直ちにペナルティにつながるわけではない。データが取得できなかった原因が技術的な問題によるものか設定ミスによるものかを判別するための手順が定められており、センサーが正常に動作しているにもかかわらずレシーバーへの登録がなされていない場合は、チームに帰責する設定エラーと見なされる。

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