ペトロナス・マレーシアグランプリのスプリントレースは、ドライからウェットへと変化する難しいコンディションの中で激しい争いが繰り広げられた。ペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリーレーシング)が先頭集団での激しいバトルを制し、約0.5秒差で優勝した。チャンピオンシップリーダーのマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボチーム)が2位に入り、ポイントリードを拡大。マルコ・ベッツェッキ(アプリリア・レーシング)が3位で土曜日の表彰台を締めくくった。

序盤にトップを走っていたアレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGPチーム)は、フラッグ・トゥ・フラッグ方式で行われたこのレースで転倒を喫した。一部のライダーはマシン交換に賭けたが、先頭集団はドライタイヤのままコースに留まりレースを完走した。
スタートと序盤の展開
スタート直後はターン1へ向けて激しい争いとなったが、アレックス・マルケスがわずかなリードを保ってターン1を先頭で通過。一方、小椋 藍(スーパーファイル・トラックハウスMotoGPチーム)がマルク・マルケスに仕掛けてポジションを奪い、ターン2からターン3にかけて激しい接触が続いた。マルク・マルケスは3番手に後退し、1周目が終わる前にフロントローからスタートしたアコスタもマルク・マルケスを抜いて前に出た。ベッツェッキはチャンピオンシップリーダーのマルク・マルケスをマークしながら走行した。
白旗提示とアレックス・マルケスの転倒
2周目、最終セクターに差し掛かったところで白旗が提示され、ライダー達はピットインしてウェットセットアップの2台目のマシンに乗り換えることが許可された。
ジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGPチーム)はすぐさまにピットインを選択したが、ボックスに到着した際にマシンの準備がまだ整っておらず激怒、そのままマシンは用意されずミラーはリタイアとなった。その後、雨粒が落ちる中でも明確なリードを保っていたアレックス・マルケスがターン14で突然転倒。怪我はなかったが、マシンはグラベルの上を転がった。アレックス・マルケスのスプリントはここで終わり、小椋 藍がトップに立つ。
残り6周の攻防
小椋 藍の直後にはアコスタが迫り、その後ろにマルク・マルケスが続いた。ターン4・5・6付近では雨が強まっていたが、コースの他の区間はほぼドライのままだった。スプリントレースの残り周回数は6周のみで、ピットインする価値があるかどうかという状況でレースが続いた。
4周目終わりにジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)、イケル・レクオナ(BK8グレシーニ・レーシングMotoGPチーム)、フランコ・モルビデッリ(ペルタミナ・エンデューロVR46レーシングチーム)がマシン交換に賭けるが、先頭の3台はそのまま5周目へ進んだ。小椋 藍がアコスタを率いる形で、ドライの区間では差を広げ、濡れた区間では詰められるという展開が続いた。マルク・マルケスは様子を見ながら走行し、その背後でベッツェッキは徐々に差を縮めていた。
アコスタが先頭を奪取、激しい順位争い
残り4周になると状況が一変。トップ3の差が急激に縮まり、4番手のベッツェッキはやや遅れる。雨は周回を重ねるごとに強まっていき、アコスタが小椋を抜いてトップに浮上。
小椋 は反撃したが、アコスタは応えてトップを維持。マルク・マルケスは小椋 藍を抜いて2番手に浮上。この混乱でベッツェッキが差を詰め、小椋 藍はターン4でマルク・マルケスのインに飛び込んだものの、マルク・マルケスはターン5で鋭くインを刺し返してポジションを取り戻す。
このバトルを好機と見たベッツェッキはターン9で小椋 藍のマシンをかわして3番手を確保。コンディションはそれ以上悪化せず、ウェットタイヤに交換したライダーたちの賭けは実らず、アコスタは0.5秒以上の差をつけてフィニッシュし、今季2勝目となるティソ・スプリント優勝を飾った。マルク・マルケスとベッツェッキはそのままアコスタに続いた。
チャンピオンシップへの影響
マルク・マルケスが2位に入り、欠場中のホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)との差を19ポイントに拡大。ベッツェッキは3位で、トップとの差は52ポイントとなった。
小椋 藍は激しいバトルを見せながらも4位に終わった。フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボチーム)の前でファビオ・ディ・ジャンナントニオ(ペルタミナ・エンデューロVR46レーシングチーム)が5位。バニャイアの直後にはブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリーレーシング)が続いた。ディオゴ・モレイラ(プロ・ホンダLCR)がその次で、わずか0.1秒差でエネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)がスプリントポイント圏内の最後尾となった。
アコスタが首位表彰台に返り咲き、マルク・マルケスがポイントを積み上げ、ベッツェッキはタイトル争いに踏みとどまった。アレックス・マルケスは日曜日の決勝レースでの挽回を目指す。決勝レースはペトロナス・マレーシアグランプリにて開催される。

中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近DucatiモンスターS4Rに乗り換えました。







