アプリリア 2020年のエンジン開発継続を要請
アプリリアは今年4月に3クラス全チームの承認、メーカーの合意を得て変更された技術レギュレーションが規定する、MotoGP参戦全メーカーが対象となる年内のエンジン開発凍結について、アプリリアを除外するよう申請を行っている。4月に変更となった技術レギュレーションでは、2020年内にホモロゲーションを取得したいかなるパーツのアップグレードも認められず、これはコンセッション適用の有無に関係なく全メーカーが対象となる。
アプリリアは今年用のマシン向けに開発した、90°となったV型4気筒の新型エンジンを使用している。既存ルールであれば、アプリリアとKTMはコンセッション適用メーカーということで、2020年にエンジン開発を続けることが出来た。しかし、新型コロナウイルスの発生でアプリリアは十分にエンジンテストが出来ていると言えない状況で、今シーズン開幕が予定されている7月19日までのエンジン開発を要請しているようだ。
4月に改定となった技術レギュレーションでは、コンセッション適用の有無に関係なく全メーカーは、2021年シーズンを2020年3月にホモロゲーションを取得したパーツでシーズンをスタートする必要があるという取り決めもされている状況で、シーズン開幕後についてはコンセッション適応を受けないメーカーはエンジンアップグレードは不可、各メーカーはライダー1名につき1回エアロボディのアップデートが可能となっている。なお、コンセッション適用メーカーであるアプリリアとKTMについては、エンジンとエアロボディの開発がシーズン中も可能だ。
1度合意に至った内容を反故にする今回の要請が通る可能性は低そうではあるが、実際問題としてアプリリアの新型エンジンを試すことが出来たレギュラーライダーはアレイシ・エスパルガロのみで、チームメイトのアンドレア・イアンノーネは、昨年11月のマレーシアGPにおけるドーピングによって18ヶ月の資格停止を受けている。7月までの開発継続が可能であれば、エンジンの信頼性向上もある程度は可能だろうが、テストが出来る体制、テストを行う国、ライダーを揃えて開発を再開することは至難の技だろう。
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(Photo courtesy of aprilia)