ミサノテストの2日目が終了し、トップタイムを記録したのはモンスターエナジー・ヤマハMotoGPのマーべリック・ビニャーレスだった。2位は中上 貴晶、3位ヨハン・ザルコとなった。
今回のテストはMotoGPレギュラーライダーにおける今年最後のテストとなる。今シーズンはシーズン最終戦の直後のテストがなく、今年残るテストは最終戦ポルトガル前のテストライダーによるテストのみだ。そうした背景もあって、今回のテストはレギュラーライダーが複数の新パーツを試す姿が見られた。
新しい仕組みを試していたのはライダーとチームだけでなく、運営側も無線を利用したコミュニケーションを検討していることから、無線テストも行われている。無線テストについては、様々な環境でどれだけライダーの注意をそらすものになるのかという調査が行われている状況だ。
ジャーナリスト、ファンの中には、無線の導入でF1のような戦略伝達が行われ、レースの楽しさを毀損すると考える向きもあるが、現時点ではレースディレクションからのレース運営に関するメッセージ(イエローフラッグの提示など)のみが検討されているという。
モンスターエナジー・ヤマハMotoGPは、今回バレンティーノ・ロッシが巨大なメガホン型エキゾーストをテストしている。メレガッリによると操縦性とトップスピード改善が目標だというが、ライダーからのフィードバックは芳しくないようだ。
今回マーべリック・ビニャーレスが使用したカーボンスイングアームも新しいパーツで、これに関しては今週末のエミリア-ロマグナGPで使用が検討されている。マーべリック・ビニャーレスは火曜日はミディアムリアタイヤでほぼ走行を続けており、これが今週末の使用タイヤとなる可能性が高い。
ペトロナス・ヤマハ・SRTではフランコ・モルビデッリが胃の調子が悪くテストに不参加、ファビオ・クアルタラロはユーズドタイヤで精力的に周回をこなした。スズキではジョアン・ミル、アレックス・リンスが異なるスイングアームをテストするもレースでの投入はしない。なお、リンスはレース後半に腕上がりに苦しんでいるとのこと。
ドヴィツィオーゾはセッティング作業を行っており、大きな改善があったという。先週2位だったフランセスコ・バグナイアも同様にセッティング作業を行っている。ミラーは2021年に向けてシャーシのテストを行った。
KTMはイケル・レクオーナがテストに不参加、残りのライダー達は旋回性の改善などに取り組んでいた。ポル・エスパルガロはグリップ、安定感の改善に取り組み、高速コーナーでの安定感が向上したようだ。
中上 貴晶は2番手タイムを2019年型のRC213Vで記録したが、ステファン・ブラドルの2020年型RC213Vにも試乗している。中上は2020年型について特にネガティブな面は感じていないと語った。来年当然LCRと契約更新をするものと見られる中上だが、来年は型落ちではないRC213Vを使用出来るだろうか。
アプリリアはアレイシ・エスパルガロとブラッドリー・スミスがホールショットデバイスをテストしているが、アプリリア側の話だと実践投入出来るレベルには至っていないようだ。
ミサノテスト FP2結果
1位マーべリック・ビニャーレス
2位中上 貴晶
3位ヨハン・ザルコ
4位アレックス・リンス
5位ジョアン・ミル
6位ポル・エスパルガロ
7位ファビオ・クアルタラロ
8位ブラッド・ビンダー
9位アレックス・マルケス
10位ジャック・ミラー
11位ミゲル・オリヴェイラ
12位ブラッドリー・スミス
13位アレイシ・エスパルガロ
14位ダニーロ・ペトルッチ
15位バレンティーノ・ロッシ
16位ティト・ラバト
(Photo courtesy of Yamaha, Ducati, KTM, Suzuki, HRC)