インディアナポリスSX ハンター・ローレンスが450SXトリプルクラウン初制覇 下田丈は総合2位でタイトル争い前進 AMAスーパークロス第9戦

AMAスーパークロス第9戦インディアナポリスで、ホンダHRCプログレッシブのハンター・ローレンスがキャリア初の450SXトリプルクラウン総合優勝を飾った。オーストラリア人ライダーは選手権リードも4ポイントへ拡大。250SXイーストでは下田丈が総合2位に入り、タイトル争いでさらに前進した。

デイトナでは450SXと250SXイーストの両タイトル争いでやや後退していたホンダHRCプログレッシブだったが、今季2度目のトリプルクラウンとなったインディアナポリスで両ライダーがプレッシャーのかかる中で結果を残した。ローレンスはプレミアクラスでキャリア2勝目、そして3レース合算方式で争うトリプルクラウンとしては初の総合優勝を獲得。下田も首の負傷から復帰3戦目で総合2位に入り、両者ともタイトル獲得の可能性を高めた。

ローレンスは450SX第1レースで1コーナー通過時4番手につけたが、序盤に6番手まで後退。それでもホルヘ・プラド、イーライ・トマック、ジャスティン・クーパーとの激しい争いを制し、2位でフィニッシュして総合表彰台へ向けて好位置を確保した。第2レースでは大半の周回を3番手で走行したが、残り5周で周回遅れに引っかかり、クラッシュを辛うじて回避。その影響でクーパー・ウェブに先行を許し、4位で終えた。それでも最終第3レースではすべてをまとめ上げた。CRF450RWEでホールショットを決め、そのまま最後まで首位を守り切った。2-4-1の成績により、ローレンスは450SXトリプルクラウンで自身初の総合優勝を手にした。

クアッドロック・ホンダのジョーイ・サバッチーも上位争いを展開していたが、第3レースでクラッシュし、チェッカー前にコースを離脱。それでも総合9位に分類された。チームメイトのシェーン・マケルラスは総合10位、クリスチャン・クレイグは総合8位となった。

250SXイーストでは、下田が3レースすべてでスタートからトップ3圏内につけ、トリプルクラウン総合表彰台争いの中心に加わった。第1レースではダクストン・ベニック、セス・ハマカーと2位争いを展開し、終盤には首位のコール・デイビスにも接近。しかし追い上げはわずかに届かず2位でフィニッシュした。

第2レースも似た展開となり、下田は再びデイビスの後方で2位争いを繰り広げながら2位でゴール。迎えた最終第3レースでは、序盤にデビン・サイモンソンの後ろで数周を費やしたことで先頭集団から離されたが、その後は力強い追い上げを見せて終盤に2番手へ浮上した。最終ラップ最終コーナーでわずかにかわされて3位となったものの、安定したスタートと終盤の追い上げによって総合2位を獲得した。フェニックス・レーシング・ホンダのカリン・パークも3レースすべてでトップ10入りする安定した走りを見せ、総合9位を記録した。

ホンダHRCプログレッシブのハンター・ローレンスと下田丈は金曜日のメディアデーのインタビューとライディングセッションにも参加した。ジャスティン・ブレイトンはアダム・チャンチャルーロとのトークを交えながらCRF450RWEでコースを1周し、その映像は土曜夜の中継内でトラックプレビューとして放送された。インディアナ州アンダーソンのディーラー、トム・ウッド・ホンダは、ホンダHRCプログレッシブのピットエリアで体験型ポップアップ企画を実施。CRF450Rを展示し、ホンダのジャージ無料提供を含む特別オファーでファン向け施策を盛り上げた。ローレンスと下田は週末を通してファンと交流し、サイン会にも参加した。

レース前にトリプルクラウン形式について聞かれたローレンスは、小さなミスひとつで夜全体が崩れる難しさを語っていた。実際にそのリスクの高いフォーマットを制したことで、今大会の価値はさらに高まった。放送ではクアッドロック・ホンダのジョーイ・サバッチーも特集され、13年目のプロシーズンでキャリア再浮上を見せている点が紹介された。また地元インディアナポリス出身の女性レッドライダー、アディソン・クラウスのインタビューも放送され、今季WMX選手権6戦中2戦への出場計画が取り上げられた。

予選では下田が250SX総合3番手に入り、今季ベストを記録した。フェニックス・レーシング・ホンダ勢ではカリン・パークが7番手、ギャビン・タワーズが10番手、エバン・フェリーが14番手。ストームレイク・ホンダのイザイア・クラークは15番手、ルーク・ニースは23番手、バレー・モータースポーツのジェレミー・ハンドは19番手、ティ・ルーブ・ホンダのライダー・フロイドは32番手、ショート・レーシングのジョン・ショート4世は33番手だった。ニースはその後250SX LCQを制し、トリプルクラウン本戦進出を決めた。

450SX総合予選ではローレンスも3番手。クアッドロック・ホンダ勢ではサバッチーが7番手、マケルラスが9番手、クレイグが11番手となり、プライベーターのレッドライダー、ザック・ウィリアムズは23番手だった。

下田は自身のCRF250RWE開発に貢献しているHRCテストライダーの勝谷武史にも感謝を表した。言語面でも走行面でも大きな助けになっている存在だという。ローレンスの勝利により、ホンダはインディアナポリスのプレミアクラスで通算13勝目を記録。これは2番手メーカーを5勝上回る数字となった。ローレンスはジェフ・スタントン、ジェレミー・マクグラス、エズラ・ラスク、リッキー・カーマイケル、マイク・ラロッコ、ケン・ロクスン、ジェット・ローレンスに続く、この地で勝利したレッドライダーのひとりとなった。

ポイント面でも成果は大きかった。ローレンスは450SXタイトル争いでトマックとの差を1ポイントから4ポイントへ拡大。下田は250SXイーストで3位タイに浮上しながら、首位との差も5ポイントから2ポイントへ縮めた。ホンダHRCプログレッシブは今季初のオフウイークを挟み、3月21日にアラバマ州バーミンガムで行われるAMAスーパークロス第10戦へ向かう。

ハンター・ローレンス

「レッドプレートを守れましたし、それが今週末に自分がやりたかったことでした。先週末は結果にも、自分ならもっとできたはずだという感覚にもフラストレーションがありました。今週はチームがしっかり集中して多くの作業をしてくれたので、それが結果につながって良かったです。どんな勝利も難しいですが、今回はトリプルクラウンでした。つまりリスクも3倍あるということです。第2レースでは自分にもああいう場面がありました。コール・トンプソンとビンス・フリージーが争っていて、自分がその間に入る形になり、結果的にコールをバームの外へ押し出してしまいました。正直、どうやって転ばずに済んだのか分かりません。ただ運が良かったです。かなり混乱していました。自分もチームも本当にハードワークしています。素晴らしい人たちに囲まれていて、とても恵まれていると感じています。」

下田丈

「目標は3レースすべてで良いスタートを決めて前で走ることでした。自分自身のミスもありましたし、もっと良くしなければならない場面もありました。パッシングの組み立てがあまり良くなくて、各ヒートの中盤ではどうやって前に出るかを見つける必要がありました。フィットネスは良くなっていますし、バイクも開幕戦よりかなり良くなっています。今はもっとプッシュできる感触があります。どんどん速くなっているので、時にはもっと硬いセッティングを求めるようになっていて、そこは今取り組んでいる部分です。まずはレースで勝つことを目指して、そこから先につなげていきます。コール・デイビスについては、序盤は彼が速かったので、終盤に相手が落ちてきたところで仕掛けるつもりでした。でも250は10分しかありません。長くはないので、今夜は少し遅すぎました。チームとのコミュニケーションはとても良いですし、関係性も深まっていると感じています。それが今年いちばん助けになっている部分です。」

ラーズ・リンドストローム

「トリプルクラウンは本当に過密です。特にナイトショーが始まると、レースが途切れません。夜の間に大きなセット変更はそれほど行わなかったと思います。幸い、ハンターの周回遅れとの接触でも本当の意味での大きなダメージはなかったので、スペアバイクを使う必要もありませんでした。デイトナ後、チームがすでにフロリダにいた間にテストプランも用意していました。ジョーは少し速くなるたびに、少しずつ硬めのマシンを必要とするようになりますが、それはごく自然なことです。ハンターについても、まだ確認したい項目がありました。彼はある特定のフィーリングを求めていますが、それを見つけるのは簡単ではありません。それでもこちらは必要なことは何でもやるつもりです。ライダーは常により良いものを求めていますし、こちらも彼らが満足できるよう最善を尽くしています。ハンターはレッドプレートを維持しましたし、ジョーもこの数戦を乗り切って休み期間に入る中で、正直こちらの予想以上の走りをしています。今は選手権首位まで2ポイント差ですし、次の目標はまず1勝して、その争いに残り続けることです。」

450SX 総合結果

1   ハンター・ローレンス(ホンダ)
2   イーライ・トマック(KTM)
3   クーパー・ウェブ(ヤマハ)
4   ジャスティン・クーパー(ヤマハ)
5   ケン・ロクスン(スズキ)
6   ホルヘ・プラド(KTM)
7   マルコム・スチュワート(ハスクバーナ)
8   クリスチャン・クレイグ(ホンダ)
9   ジョーイ・サバッチー(ホンダ)
10  シェーン・マケルラス(ホンダ)

450SX ポイントランキング

1   ハンター・ローレンス 196
2   イーライ・トマック 192
3   クーパー・ウェブ 171
4   ケン・ロクスン 168
5   ジャスティン・クーパー 140
6   ジョーイ・サバッチー 125
7   チェイス・セクストン 122
8   アーロン・プレシンガー 98
9   マルコム・スチュワート 90
10  ホルヘ・プラド 89
11  クリスチャン・クレイグ 81
12  シェーン・マケルラス 67
13  ライアン・ブリース 1

250SX 総合結果

1   コール・デイビス(ヤマハ)
2   下田丈(ホンダ)
3   セス・ハマカー(カワサキ)
4   ダクストン・ベニック(ハスクバーナ)
5   ピアース・ブラウン(ヤマハ)
6   デビン・サイモンソン(ヤマハ)
7   コティ・ショック(ヤマハ)
8   ジャレク・スウォル(トライアンフ)
9   カリン・パーク(ホンダ)
10  ネイト・スラッシャー(ヤマハ)
11  イザイア・クラーク(ホンダ)
12  ルーク・ニース(ホンダ)
13  ギャビン・タワーズ(ホンダ)
14  エバン・フェリー(ホンダ)

250SXイースト ポイントランキング

1   コール・デイビス 64
2   セス・ハマカー 63
3   ピアース・ブラウン 62
4   下田丈 62
5   ダクストン・ベニック 55
6   コティ・ショック 46
7   デビン・サイモンソン 43
8   カリン・パーク 40
9   ネイト・スラッシャー 38
10  ジャレク・スウォル 27
11  イザイア・クラーク 19
12  ルーク・ニース 13
13  ジェレミー・ハンド 12
14  ジョン・ショート4世 7
15  ギャビン・タワーズ 5
16  エバン・フェリー 3