2025年ムジェロ初日のフリー走行1回目(FP1)は、驚きの展開で幕を開けた。マルコ・ベッツェッキ(アプリリア・レーシング)とペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が、1000分の1秒単位までまったく同じタイムを記録。しかし、セカンドベストタイムで上回ったマルコ・ベッツェッキがトップに立ち、午後のセッションへと勢いを持ち込んだ。
ホームレースとなるマルコ・ベッツェッキは、最後の飛び込みラップでアコスタを逆転。アコスタはさらにタイム更新を狙ったが、最終コーナーでワイドに膨らみグラベルへと飛び出し、更新ならず。最終的に2番手となった。また注目すべきは、アコスタのKTMにはアラゴンテストに続き、リヤエアロパーツが装着されていなかった点だ。
3番手には同じKTMのブラッド・ビンダーが入り、最高速チャートで再びトップの362.4km/hを記録。4番手にはチャンピオンシップリーダーのマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)が入り、ドゥカティ勢最上位となった。5番手にはファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシングチーム)が続いた。

イタリアGP FP1結果
順位 | ゼッケン | ライダー名 | メーカー | タイム | 最高速度 |
1位 | 72 | マルコ・ベッツェッキ | APRILIA | 1’46.199 | 358.8km/h |
2位 | 37 | ペドロ・アコスタ | KTM | 1’46.199 | 355.2km/h |
3位 | 33 | ブラッド・ビンダー | KTM | 1’46.252 | 0.053km/h |
4位 | 93 | マルク・マルケス | DUCATI | 1’46.293 | 358.8km/h |
5位 | 49 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | DUCATI | 1’46.586 | 352.9km/h |
6位 | 20 | ファビオ・クアルタラロ | YAMAHA | 1’46.615 | 354km/h |
7位 | 12 | マーべリック・ビニャーレス | KTM | 1’46.648 | 356.4km/h |
8位 | 63 | フランチェスコ・バニャイア | DUCATI | 1’46.651 | 356.4km/h |
9位 | 73 | アレックス・マルケス | DUCATI | 1’46.706 | 351.7km/h |
10位 | 5 | ヨハン・ザルコ | HONDA | 1’46.856 | 352.9km/h |
11位 | 43 | ジャック・ミラー | YAMAHA | 1’46.898 | 351.7km/h |
12位 | 42 | アレックス・リンス | YAMAHA | 1’46.915 | 350.6km/h |
13位 | 88 | ミゲル・オリヴェイラ | YAMAHA | 1’46.953 | 350.6km/h |
14位 | 21 | フランコ・モルビデッリ | DUCATI | 1’46.974 | 351.7km/h |
15位 | 79 | 小椋 藍 | APRILIA | 1’47.049 | 350.6km/h |
16位 | 23 | エネア・バスティアニーニ | KTM | 1’47.275 | 352.9km/h |
17位 | 30 | 中上 貴晶 | HONDA | 1’47.292 | 351.7km/h |
18位 | 54 | フェルミン・アルデゲル | DUCATI | 1’47.323 | 352.9km/h |
19位 | 25 | ラウル・フェルナンデス | APRILIA | 1’47.443 | 350.6km/h |
20位 | 36 | ジョアン・ミル | HONDA | 1’47.818 | 350.6km/h |
21位 | 35 | ソムキャット・チャントラ | HONDA | 1’47.888 | 345km/h |
22位 | 32 | ロレンソ・サヴァドーリ | APRILIA | 1’48.098 | 352.9km/h |
トップ6に4メーカーが入る混戦の中、ヤマハのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は6番手。2週間前のアラゴンとは打って変わって、復調の兆しを見せた。7番手にはマーベリック・ビニャーレス(レッドブルKTMテック3)が入り、KTMは3台がトップ7に名を連ねた。
イタリアGPを過去3年連続制覇しているフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は8番手。ただし最終10分間で2周続けてアペックスを外すミスがあり、明らかなフラストレーションを露わにしていた。アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が9番手、ヨハン・ザルコ(CASTROLホンダLCR)が10番手となり、5メーカーすべてがトップ10に名を連ねた。
アッラビアータ1での唯一の転倒者はラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGPチーム)だったが、すぐにボックスへ戻り問題はなし。そのチームメイトである小椋藍は、シルバーストンFP2での転倒によりアラゴンを欠場したが、ムジェロFP1で復帰。得意ではないと語っていたこのサーキットで15番手につけた。トップ15のタイム差は1秒以内。午後のプラクティスではQ2進出をかけた熾烈な戦いが予想される。