11回表彰台のトップを逃した昨年チャンピオンのジョナサン・レイ、カワサキZX-10RRはスーパーバイク世界選手権第5戦イモラで優勝。ピレリが持ち込んだビッグサイズの新型リアのソフトコンパウンドを使用しました。イモラでのジョナサン・レイとカワサキが優勝したのは、2018年のカタール以来初で、開幕戦から連勝を飾ったアルヴァロ・バウティスタとDucatiパニガーレV4Rのペアを破りました。

今回の優勝はタイヤ戦略も要因となったと言えるでしょう。レイはバルベラ以外のカワサキライダーがそうであったように、新型のY0446ビッグサイズソフトタイヤをリアに使用。Ducatiを含むそれ以外のライダーは、今までどおりのスタンダードSC0を使用しました。いずれにせよ、これによってDucatiライダーのスピードが奪われたということはありません。

チャズ・デイビスはスーパーポールにおいてポールポジションを獲得しており、彼が記録した1’45.180というタイムは、2016年の記録よりも0.4秒速くなっているのです。


レース1のスタートでは、ジョナサン・レイが2番グリッドから良い形でスタート。チャズ・デイビスを抜いてレースをリードします。一方のデイビスはスタート直後にコーナーで大きく膨らみますが、戦列に復帰しています。

3周後になると、レイはバウティスタを1秒以上引き離してリード。6番手スタートから3位を走るトム・サイクスを3秒引き離して走行。レイは1.46’023の新たなレースラップレコードを記録して走行。レース中盤になるとバウティスタがレイに接近するも、レイはこれを退けリードを5.5秒に拡大。

サイクスは技術的な問題が発生したことで順位を落とし、マイケル・ファン・デル・マーク、ラズガトリオグルにオーバーテイクされます。そのレイはバウティスタとの差を9秒近く、他のライダーとの差を20秒近くまで広げます。後方ではラズガトリオグルとマイケル・ファン・デル・マークは激しく3位争いを展開し、最終的にトルコ出身のラズガトリオグルが3位を獲得しました。

最終的にジョナサン・レイが優勝。アルヴァロ・バウティスタが2位、ラズガトリオグルが今年初の表彰台となる3位を獲得しました。ポールポジションを獲得したデイビスは技術的な問題によりレースをリタイアする結果となりました。

WSBKクラス レース1で使用されたタイヤ

レース1では18人のライダーのうち15人がフロントにスタンダードSC1のラージサイズとなる125/70サイズのタイヤ(オプションA)を使用。レイテルバーガー、ラズガトリオグル、清成のみがラージサイズ125/70のX1071 SC2デベロップメントタイヤを使用しました。(オプションB)

リアに関してはスタンダードSC0 ラージサイズの200/65(オプションB)が最も選択されたタイヤとなり、新型のY0446 SC0デベロップメントタイヤの200/65サイズ(オプションA)を選択したのは、バルベラ以外のカワサキライダー、トム・サイクス、ザネッティでした。

(Source: Pirelli)

(Photo courtesy of Pirelli)